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過失相殺と損益相殺による控除の先後関係

過失相殺が行われる事案で,かつ被害者が公的保険給付を受けている場合に,どのように被害者の手元に残る損害賠償請求権の金額を算定するのか,ということについては,実務では以下の2方式が採用されています。

① 控除前相殺説賠償債権額 = 損害額 × (1 − 過失割合) − 社会保険給付額
② 控除後相殺説賠償債権額 = (損害額 − 社会保険給付額) × (1 − 過失割合)
②の控除後相殺説によった方が,被害者にとって有利と言えます。
具体例をいくつか示します。
まず,労災保険給付については,最高裁は①を採用しています。
次に,健康保険の療養給付については,実務上は②で処理されています。
公的給付の性質によって処理される方式が異なり,結果として賠償請求額も変わってきます。
この点も注意が必要と言えます。

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