休業中の有給休暇の取得

交通事故に遭い、治療をしている間に有給休暇を使われる方は多くいらっしゃいます。

有給休暇を使えば給料は入りますし、普段はなかなか取りづらい有給休暇も事故の治療という理由であれば心理的に消化しやすいでしょう。

しかし有給休暇を使用すると給料が支払われます。そうしますと、この部分は損害が発生していないとも考えられます。そこで、有給休暇を使用した事については損害を請求できないのでは?と心配なさる方がいらっしゃいます。

しかし、有給休暇は原則として自分の意思で自由にとることができるものです。これを事故があったためにとらざるを得なくなったわけで、本来であれば娯楽などの時間に充てられたものですから、これも立派な損害となります。裁判所も保険会社も、有給休暇を使い治療に充てた日数は休業日数としてカウントするのが通常です。また、自賠責保険にも有給休暇を損害とする規定が設けてあります。

なお、通常は有給休暇1日分の取得を休業1日分の損害として計算しますが、少数ながら、有給休暇の取得を財産的損害として考えず、慰謝料として実質的な賠償を行なおうとする裁判例もあります。この立場によれば、損害額は少なく見積もられることとなるでしょう。

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