保険会社との示談交渉がまとまらない場合、被害者にはADR(裁判外紛争解決手続)、調停、裁判(訴訟)という3つの手段があります。
本記事では、示談が決裂した場合のそれぞれの手続の特徴と弁護士の役割を解説します。
1. ADR(裁判外紛争解決手続)
ADRは、裁判所を利用せずに第三者機関を通じて紛争を解決する手続です。交通事故に関するADRとしては、公益財団法人交通事故紛争処理センター(紛セン)と日弁連交通事故相談センターがあります。
紛争処理センターでは、弁護士が中立的な立場で和解のあっせんを行います。協定保険会社等は裁定を尊重する取扱いとされており、申立人が同意した場合は和解が成立します。手続費用は無料で、解決までの期間は3か月から6か月程度です。
2. 調停
調停は、裁判所において調停委員の仲介のもとで話し合いにより解決を目指す手続です。裁判と比べて手続が簡易で費用も安いですが、相手方が合意しなければ成立しません。交通事故の紛争解決手段としてはADRの方が利用されることが多いです。
3. 裁判(訴訟)
最終的には裁判所に訴訟を提起して、裁判所の判断を仰ぐことができます。裁判では弁護士基準(裁判基準)が適用されるため、適正な賠償金が認められる可能性が高くなります。また、事案によっては弁護士費用相当額が損害として認められることがあるほか、遅延損害金が問題となることもあります。
裁判の期間は6か月から1年以上かかることがありますが、判決ではなく和解で解決するケースも多くあります。
4. 弁護士の役割
ADR、調停、裁判のいずれの手続においても、弁護士が代理人として手続を進めます。弁護士に依頼していれば、示談交渉から裁判まで一貫して対応できるため、手続の移行もスムーズです。
まとめ
示談が決裂しても、ADR、調停、裁判という手段があります。特にADR(交通事故紛争処理センターなど)は、費用無料で利用できる有力な選択肢です。もっとも、裁定の効力や対象事案には制度ごとの違いがあります。
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