事故直後に受診すべき診療科の選び方(整形外科・脳神経外科など)

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はじめに

交通事故に遭った直後、被害者は体の痛みや頭痛、めまいなど、さまざまな不調を感じることがあります。しかし、どの診療科を受診すればよいか分からず、「ひとまず近所の病院へ…」と軽い気持ちで済ませてしまうことも少なくありません。実は、事故によるケガや障害の種類によっては、適切な診療科を選ばないと後遺症のリスクが高まる可能性があります。

本稿では、交通事故のあとに受診すべき診療科の選び方を中心に、整形外科や脳神経外科、他の専門科の役割や違いを解説します。事故被害者が早期に適切な診断と治療を受け、後の後遺障害を予防し、示談交渉でも不利にならないようにするためのポイントを押さえていきましょう。

Q&A

Q1:交通事故直後に受診すべき診療科を選ぶ基準は何でしょう?

ケガの部位や症状によって変わります。首や腰、関節などの骨や筋肉系の痛みには整形外科、頭部を強打して頭痛や意識障害がある場合は脳神経外科などが基本です。また、必要に応じて他の専門科(眼科、耳鼻科、精神科など)も検討します。

Q2:首が痛いだけの場合、整形外科で大丈夫ですか?

首の痛みが中心であれば、整形外科が第一選択となります。ただし、頭痛や吐き気、意識混濁、記憶障害などの脳神経系症状があれば脳神経外科も合わせて受診する方が安心です。

Q3:レントゲンで異常がなければ、もう受診しなくても良いのでしょうか?

レントゲンは骨の異常には有効ですが、軟部組織(筋肉・靭帯)や神経などは映りにくいです。痛みや痺れが続くのであればMRI検査が可能な医療機関を受診し、根本原因を確認することも主治医と相談の上、ご検討ください。

Q4:脳神経外科と整形外科、両方に行く必要がありますか?

症状によります。事故の衝撃で頭部をぶつけた可能性が少しでもあるなら、脳神経外科の受診もご検討いただいてもよいかもしれません。首・腰などの骨・筋肉系の痛みがあれば整形外科が通常ですが、頭痛や吐き気など脳機能の症状が出ている場合は脳神経外科との連携も検討しましょう。

Q5:通院先は自分で自由に選んでいいのでしょうか?

基本的に、被害者に医療機関選択の自由があります。保険会社が特定の病院へ誘導しようとしても、法的拘束力はありません。ただし、治療費や通院実績の正当性を後に証明するため、医師の診断書やカルテ記録を整然と残すことが重要です。

Q6:もし整形外科や脳神経外科で「異常なし」と言われても痛みがある場合、どうすれば?

セカンドオピニオンを検討しましょう。むちうちなどはMRIでも異常が分かりにくいケースがありますが、別の医療機関でより詳しい検査を受ければ、後遺障害の原因が特定される可能性もあります。

解説

症状別に考える受診先

  1. 首や腰の痛み(むちうち、腰椎捻挫など)
    • 一般的には整形外科が第一選択。
    • 痛みや痺れが続く場合はMRI検査を行ってくれる医療機関を探すのが望ましい。
  2. 頭痛、記憶障害、意識障害、めまいなど
    • 脳神経外科神経内科での検査が必要。
    • 頭部CTやMRIで脳の損傷や微小出血を確認することが重要。
  3. 顔面の擦り傷や骨折、視力・聴力異常
    • 口腔外科や眼科、耳鼻咽喉科など、症状に応じて専門科を受診。
    • 事故直後に見逃されがちな細かな症状も、後に悪化することがある。

受診先選びと後遺障害認定の関連

  1. 専門医がいる医療機関
    • 高次脳機能障害の疑いがある場合、リハビリ科や専門外来を持つ病院が望ましい。
    • 後遺障害認定で等級をアップさせるには、的確な検査データ(MRI・CT・神経心理学的検査など)が必須。
  2. 整形外科と脳神経外科の連携
    • むちうち症でも、脳神経系の症状が併発するケースあり。両方の診療科に通うことで、後遺障害の認定に必要な資料を揃えやすい。
  3. リハビリの重要性
    • 事故後の痛みや機能低下を回復させるため、整形外科的リハビリ脳リハビリが効果的。
    • 通院実績は後遺障害認定示談交渉でも重要な証拠となる。

保険会社とのやり取りで注意すべき点

  1. 治療先の選択自由を主張
    • 保険会社は「○○病院に行ってください」と指定してくる場合もあるが、法的拘束力はない
    • 自分の症状に合った専門医を受診し、適切な治療を受ける権利がある。
  2. 治療費打ち切りのリスク
    • 保険会社が「もう治療期間として十分だから」と治療費を打ち切りしてくる場合がある。
    • 医師が「まだ治療が必要」と判断していれば、打ち切りは不当と交渉できる。
  3. 通院記録・検査結果の確保
    • 示談交渉や後遺障害等級の申請で必要になるため、診断書や検査データ、通院日記を保管。

弁護士に相談するメリット

  1. 適切な診療科選びのアドバイス
    弁護士が医療ネットワークを持っていれば、事故症状に合った医療機関や専門医を紹介可能。
  2. 打ち切りへの対抗
    医師の意見書などを用いて、保険会社の一方的な治療費打ち切りを防ぎ、通院継続を認めさせる。
  3. 後遺障害認定サポート
    症状固定の時期や後遺障害診断書の書き方を医師に詳しく伝え、適切な等級を取得できるように支援。
  4. 慰謝料の増額交渉
    受診する診療科や検査結果が確実なほど、保険会社が低く査定できなくなる。弁護士は裁判所基準を主張し増額を図る。
  5. 費用特約で負担ゼロの可能性
    自動車保険の弁護士費用特約があれば、費用リスクなしに専門サポートを受けられる。

まとめ

交通事故後に「どの診療科へ行くか」は、後遺障害の有無や示談交渉の成否を左右する重大な問題です。整形外科は首や腰の痛みに、脳神経外科は頭部外傷による脳機能異常に対応するなど、症状に合わせた専門科の受診が重要。適切な医療機関を選ばずに放置すると、見落としがあったり後遺障害認定が受けられなかったりするリスクが高まります。

  • 首・腰の痛み:整形外科脳を打った疑い:脳神経外科など適材適所
  • レントゲンだけで安心せず、MRIやCTなど精密検査も視野
  • 医師・専門医と相談し、必要な検査・診断を全て受ける
  • 弁護士の協力で保険会社の治療費打ち切りや低評価を防ぎ、適正な後遺障害認定慰謝料増額を求める

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、交通事故の被害者が適切な診療科での治療を受けられるようアドバイスし、通院・リハビリ・後遺障害認定までサポートしています。迷ったら早めにご相談いただき、後悔のない治療・交渉を行いましょう。

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