Archive for the ‘コラム’ Category
交通事故によるむちうち被害における検査方法のポイント
むちうち損傷の特徴
交通事故の被害者に多く見られる症状の一つに、むちうち損傷があります。むちうちになると、痛みやしびれが発生しますが、よく問題になるのが「本当に痛みやしびれがあるのか?」という点です。むちうちの場合、被害者が強い痛みを感じていても、その原因がレントゲンやMRI画像には映らないことが多く、客観的に判断することが難しいのです。そのため、強い痛みがあるのに病院にほとんど通っていない人などは、本当に痛みが生じているのか疑われてしまうこともあります。こうした場合、適切な検査を受けることで痛みの存在を客観的に証明することが可能です。
むちうちの診断に用いる検査方法
ジャクソンテスト
この検査は、頭を後ろに倒して押し付け、腕に痛みが生じるかどうかを確認する方法です。痛みが発生した場合、神経に異常があると判断されます。
スパーリングテスト
このテストでは、頭を痛みを感じる側に倒して押し付けます。その際、肩から腕にかけて痛みやしびれが生じるか、または悪化するかを確認します。痛みやしびれが発生する場合、神経に異常があることが示されます。
握力測定
むちうちになると、手に力が入らず、握力が低下することがあります。また、左右の手の握力に大きな差が生じることもあります。握力測定は、むちうちの症状の一つを示すものですが、握力の低下だけでむちうちであると断定することは困難です。
深部腱反射検査
この検査は、腱をハンマーで叩いて反射を調べる方法です。腱の反射を見ることで、どの部位に神経の異常があるかを判断する手助けになります。反射の異常が見られる場合、神経に問題があると考えられます。
まとめ
むちうちは専門的な分野であり、これらの検査について知らない被害者も多いです。痛みやしびれが強い場合は、一度医師と相談し、検査を受けてみることをおすすめします。また、これらの検査で異常が見つからなかった場合でも、むちうちであることが否定されるわけではありません。詳しくは、一度弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人長瀬総合法律事務所には、交通事故を専門に扱う弁護士が多数在籍しています。交通事故に遭って不安な方や、むちうちの被害に遭った方は、ぜひ一度、弁護士法人長瀬総合法律事務所までご連絡ください。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
交通事故における不正請求が疑われるリスクと対策
交通事故後の対応は、被害者が適切な補償を受けるために非常に重要です。しかし、適切な手続きを踏まないと、保険金の不正請求とみなされるリスクがあります。以下では、交通事故後に注意すべきポイントを説明します。
交通事故直後の通院の重要性
症状の見逃し防止
交通事故の直後は、興奮状態にあるため痛みや不快感を感じにくいことがあります。しかし、後になって症状が現れることが少なくありません。特にむちうちなどの症状は、事故直後には気づかないことが多いです。時間が経過してから痛みが出た場合、事故との因果関係を証明するのが難しくなることがあります。そのため、事故直後に病院での検査を受けることが重要です。
保険請求のため
事故直後に病院に行かないと、保険会社からの補償を受けられない可能性があります。特に通院が遅れると、保険会社が事故との因果関係を疑うため、治療費や慰謝料の請求が難しくなることがあります。また、人身事故として届け出ていない場合、物損事故とみなされ、慰謝料を受け取れない可能性もあります。
重大な症状の進行防止
事故による外傷がない場合でも、内部での損傷や脳内出血などが徐々に進行するケースがあります。こうした重大な症状を早期に発見するためにも、事故直後に病院で精密検査を受けることが推奨されます。
後遺障害認定を受けやすくするため
交通事故後、しばらく経ってから通院を開始すると「後遺障害等級認定」の場面でも不利益を受ける可能性があります。後遺障害等級認定のためには、事故直後からの一貫した治療記録が求められます。
保険金の不正請求を避けるための注意点
嘘をついて通院するリスク
痛くないのに「痛い」と嘘をついて通院を続けると、最終的には保険金の不正請求とみなされるリスクがあります。嘘が発覚した場合、治療費や慰謝料の返還を求められるだけでなく、詐欺罪に問われる可能性もあります。
適切な通院と検査
交通事故後は、必要かつ適切な範囲で通院を続けることが重要です。むちうちの場合、レントゲンでは映らないことがあるため、MRIやCTスキャン、神経学的検査を受けることが推奨されます。これにより、症状があることを証明し、不正請求の疑いを避けることができます。
適切な通院頻度
通院の頻度も重要です。あまりに少ないと通院の必要性が疑われ、逆に過剰な通院は不正請求とみなされる可能性があります。週に2~3回程度の通院が一般的な目安とされています。
不正請求や過剰請求のリスクを理解する
保険金の不正請求や過剰請求は、刑事罰の対象となるだけでなく、社会的な信用を失う原因にもなります。不正請求が発覚した場合、治療費や慰謝料の返還を求められるだけでなく、詐欺罪で起訴される可能性があります。
適切な治療内容を選ぶ
交通事故後の治療内容も、保険金請求の際に重要な要素となります。例えば、むちうちの場合、整骨院での施術は保険会社によって認められないことがあります。まずは整形外科で診察を受け、医師の指示に従った治療を行うことが推奨されます。
弁護士のサポートを受ける重要性
保険会社とのトラブルを避けるために弁護士に相談する
交通事故後、軽傷やむちうちになった場合に被害者が保険会社へ治療費や慰謝料を請求すると、支払いを拒絶されたり、事故とケガの因果関係に疑いの目を向けられたりしてトラブルになるケースが多々あります。そんなとき、被害者自身で対応すると、問題が大きくなってしまう可能性もありますし、ストレスも溜まってしまうでしょう。困ったときには、弁護士に相談してみてください。弁護士であれば、以下のような点について的確なアドバイスが可能です。
・交通事故とケガの因果関係を立証する方法
・適切な通院方法
・受けるべき検査の内容
・想定される後遺障害等級
・示談交渉の留意点
・妥当な損害賠償額
また、弁護士に示談交渉を任せれば、被害者が自分で対応する必要はなくなります。交通事故の被害者を守ることが弁護士の仕事です。
まとめ
交通事故直後の通院の重要性
交通事故の直後は痛みを感じにくいことがありますが、後から症状が現れることがあるため、必ず病院で検査を受けることが重要です。これにより、後から現れる可能性のある症状を早期に発見し、保険会社からの補償を確実に受けることができます。また、保険金の不正請求とみなされないよう、適切な通院と検査を心がけましょう。
不正請求を避けるためのポイント
交通事故後の通院では、必要かつ適切な範囲での治療と検査を受けることが重要です。嘘をついて通院することは避け、医師の指示に従って適切な治療を受けることで、保険金の不正請求とみなされるリスクを減らすことができます。特にむちうちの場合は、MRIやCTスキャンなどの精密検査を受けることで、症状の証明を行うことが重要です。
弁護士のサポートを受けることの重要性
交通事故後、保険会社とのトラブルが発生した場合は、早めに弁護士に相談することを検討してください。弁護士は、交通事故とケガの因果関係を立証する方法や適切な通院方法についてアドバイスを行い、被害者が適正な補償を受けられるようサポートします。当事務所でも交通事故被害者へのサポートに積極的に取り組んでいますので、困ったときにはお気軽にご相談ください。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
後遺障害等級14級に認定される4つのポイント
交通事故で負傷し、その後も症状が残る場合、後遺障害として認定されることがあります。特に後遺障害14級に認定されるには、4つのポイントがあります。
この記事では、そのポイントを詳しく解説します。
ご自身やご家族が交通事故に遭った場合に、後遺障害14級に認定されるために必要な情報を提供します。
1 後遺障害等級が認定されるための4つの条件
後遺障害等級が認定されるためには、以下の4つの条件を満たす必要があります。
(1)事故後速やかに病院を受診する
交通事故に遭った直後、速やかに病院で診断を受けることが重要です。以下の理由から、早期の診断が求められます。
因果関係の証明:事故後すぐに治療を受けていないと、後から症状が出ても交通事故との因果関係を証明するのが難しくなります。
特に後遺障害14級に該当する場合、交通事故に遭った直後には自覚症状がないこともありますが、実際には身体に大きな損傷を負っている可能性があります。
交通事故に遭った場合には、必ず事故直後に治療を受けることが重要です。
(2)症状固定まで通院する
症状固定とは、一定期間治療を継続していた怪我が、今後治療を行っても症状の改善が見られない状態のことです。
症状固定は医学的判断であり、基本的には主治医の判断が尊重されますが、裁判になると事故の規模・態様や、症状の経過、治療内容なども考慮に入れて裁判官が判断します。
症状固定が行われることで、症状固定前後の賠償が区別されて算出されることになります。症状固定前までは傷害分の賠償、症状固定後は後遺傷害分の賠償として判断される傾向にあります。
(3)後遺障害を申請する
後遺障害申請を行わなければ、後遺障害等級が認定されることはありません。
後遺障害申請とは、後遺障害がある可能性のある症状が残っている場合に、この症状を後遺障害として認定してもらうための手続きです。
申請の方法には、被害者請求と事前認定の2つがあります。
① 被害者請求:被害者自身が必要な資料を集めて申請します。この方法は、資料を集める手間や時間がかかる可能性があります。
② 事前認定:加害者の任意保険会社が申請手続きを代行します。被害者は、医師に後遺障害診断書を作成してもらい任意保険会社に提出しますが、任意保険会社が資料を集めて申請を行うため、後遺障害の認定に有利な資料を追加提出することは期待できません。
(4)症状が後遺障害等級の認定基準にあてはまる
「後遺障害」とは、交通事故が原因であることが医学的に証明され、労働能力の低下あるいは喪失が認められ、その程度が自賠責保険の等級に該当するものと定義されています。
後遺障害14級に認定されるためには、14級の中の9種類のうちの後遺障害基準に該当する必要があります。
後遺障害14級として認定される後遺症については、以下の表のとおりです。
号 | 症状 |
---|---|
1号 | 1眼のまぶたの一部に欠損を残し、まつげが抜ける |
2号 | 3歯以上に対し歯科補綴を加えたもの |
3号 | 1耳の聴力が1メートル以上の距離では小声を理解できない程度になったもの |
4号 | 上肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの |
5号 | 下肢の露出面に手のひらの大きさの醜いあとを残すもの |
6号 | 1手のおや指以外の手指の指骨の一部を失ったもの |
7号 | 1手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなったもの |
8号 | 1足の第3の足指以下の1または2の足指の用を廃したもの |
9号 | 局部に神経症状を残すもの |
特に14級9号「局部に神経症状を残すもの」が多く認定される傾向にあります。
頚椎捻挫や腰椎捻挫のようなむちうち症の場合、後遺障害に認定されるのはほとんどが14級9号です。
2 後遺障害14級の判断は誰が行うのか
後遺障害等級は、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所によって審査が行われ、等級が決定されます。
認定が不服である場合には、訴訟を提起して裁判所に判断を求めることも可能です。
裁判官は損害保険料率算出機構の判断にかかわらず、別の等級を認定することができます。
3 後遺障害14級に認定されるための3つのポイント
後遺障害14級に認定されるために重要なポイントは以下の3つです。
(1)事故直後から症状固定日まで通院を継続する
事故直後から症状が安定するまで、医師の指示に従って定期的に通院することが重要です。通院の期間や頻度が少ないと、後遺障害が認定されない可能性があります。
交通事故による後遺障害の認定を受けるためには、事故当日もしくは遅くとも翌日から通院を開始し、医師の指示に従って治療を続ける必要があります。
通院期間が短かったり、通院頻度が少なかったりすると、後遺障害が認定されない可能性があります。特に、むちうちで後遺障害等級14級が認定される場合、通院期間が6ヶ月程度に達しているケースが多く見られます。
また、整骨院や接骨院ではMRIやCTなどの詳しい検査ができないため、交通事故による怪我について正確な診断を受けられない恐れがあります。必ず病院での診断と治療を受けるようにしましょう。
(2)受傷内容、症状を説明・記録に残す
後遺障害14級の認定を受けるためには、医師に受傷内容や症状をしっかりと説明し、診断書やカルテに記録として残してもらうことが重要です。
例えば、頸部痛がある場合、事故後に初めて病院を受診した時から一貫してカルテに「頸部痛がある」と記載されていることが理想的です。
通院開始から数週間後に痛みを伝えた場合や、一度痛みが治ったと記載された場合、後遺障害の認定が否定される可能性があります。
実際には、むち打ちによる手のしびれや首の痛みなどは、事故後一定期間が経過してから発症するケースも少なくありません。そのような場合にはすぐに医師に症状を伝え、カルテに記載してもらうことが重要です。
また、初診時に自覚しているすべての痛みを医師に伝えておくことも大切です。
初診時に一番強い痛みの部位のみを医師に伝え、それ以外の症状を省略して申告しなかった場合、後からカルテに追加された症状については後遺障害の認定が否定される可能性が高いと考えられます。
症状を医師に伝える際には、その伝え方も重要です。後遺障害14級に認定されるためには、症状が常に痛みを伴うものである必要があります。
「雨の時に痛みがある」と記載されると、常時痛ではないと見なされる恐れがあります。
普段から痛みがあるものの、特に雨の日や気圧の変化時に痛みが強まる場合は、「雨の日には痛みが増強される」と正確に記載してもらうことが重要です。
(3)神経学的検査・画像検査を行う
後遺障害等級14級9号は、事故が原因で発生した症状について、諸事情を踏まえて神経症状が残っていると医学的に説明できる場合に「局部に神経症状を残すもの」として認定されます。
後遺障害認定では、交通事故によるケガの症状が残っていることを客観的に審査機関に伝える必要があります。
そのため、CT画像やMRI画像などを撮影して画像診断による異常が確認できることが理想的です。
CT画像やMRI画像などで異常が確認できない場合でも、神経学的検査によって症状を医学的に説明できることが必要です。
代表的な検査としてはスパーリングテストやジャクソンテストがあります。
① スパーリングテスト:頭を傾けて下方に押し付け神経根の出口を狭めます。神経根に障害がある場合、その神経根の支配領域に放散痛・痺れ感が生じます。
② ジャクソンテスト:頭を後方に傾け、上腕や手の痺れを誘発しているかどうかを検査する方法です。
4 後遺障害等級14級に認定されないときの対処法
後遺障害14級に認定されなかった場合、以下の方法で対処することができます。
(1)異議申立てを行う
後遺障害の認定がされなかった場合、異議申立てをすることができます。異議申立てとは、再び自賠責保険に後遺障害の審査をしてもらうために行うものです。異議申立てをする際には、異議申立書と後遺障害の認定に有利な新たな証拠を自賠責保険に提出することが望ましいといえます。
(2)紛争処理機構に申立てを行う
紛争処理機構とは、自賠責保険が下した判断に誤りがないかどうかを審査する機関です。紛争処理機構への申し立てにあたっては、自賠責保険(共済)の判断が誤っていることを具体的に説明しなければなりません。そのため、まず自賠責保険(共済)がどのような理由で認定しなかったのかを分析する必要があります。
(3)訴訟を提起する
異議申立てや紛争処理機構に申立てを行ったけれども等級認定されなかった場合、裁判を提起する方法があります。訴訟を提起する際には、適切な後遺障害等級に基づく賠償金額を主張します。
通常、後遺障害の認定は損害保険料率算出機構が決定しますが、訴訟の場合は裁判所が独自に後遺障害等級の判断を行います。ただし、裁判所も過去の判断や同種の事例に照らして判断するため、審査結果を覆すための証拠や資料を提出し、丁寧な主張立証を行う必要があります。
5 後遺障害に強い弁護士に相談する
後遺障害等級14級の認定を受けるためには、後遺障害に関する正確な知識と経験を持つ弁護士に相談することが重要です。
交通事故の被害者は、ケガの治療や日常生活への影響に加えて、保険会社との交渉で知識や情報量の点で不利になることが少なくありません。
交通事故に詳しい弁護士に相談することで、後遺障害に関するアドバイスを受けることができます。
また、既に後遺障害の認定結果が出ている場合、弁護士に相談することでその認定結果が妥当かどうかを専門家の視点からチェックしてもらうことができます。
さらに、後遺障害も含めた賠償金の妥当な金額についてもアドバイスを受けることができます。
6 まとめ
後遺障害14級に認定されるためには、早期の受診、継続的な通院、適切な検査の実施、正確な症状の説明及び記録化、専門家への相談が重要です。
交通事故に遭った場合には、これらのポイントを押さえて行動することで、後遺障害の認定を受けやすくなります。
また、被害者請求で後遺障害の申請をする場合、被害者側が必要な資料や書類を収集して提出するため、時間や労力を要します。
スムーズに後遺障害の認定を受けるためには、交通事故事件に詳しい弁護士に相談・依頼することをお勧めします。
当事務所は、交通事故案件を集中的に担当する弁護士・スタッフが所属する部門制を構築しています。
交通事故のご相談やご依頼後の事件処理は、交通事故事案を主に担当する弁護士・スタッフが対応しますので、安心してお気軽にご相談ください。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
交通事故におけるむちうち損傷の分類と特徴
1. むちうちとは
むちうちとは、交通事故の追突などの衝撃により首の部分に無理な力が加わり、通常の運動範囲を超える動きをすることで筋肉や靭帯が損傷した状態を指します。医学的には正式な病名ではなく、医師の診断を受けると外傷性頸部症候群や頚椎捻挫などの病名がつくことが多いです。むちうちになった場合、整形外科や整骨院での治療やリハビリが必要です。
交通事故直後には症状が出ない場合も多く、興奮状態でむちうちであることに気づかないことや、他の部位の痛みが強くて首の異常を見逃すこともあります。むちうちによって後遺障害等級が認定される場合は、後遺障害等級14級から12級が考えられます。
2. むちうちの種類とその特徴
むちうちには以下のような主な種類があります。それぞれの特徴と主な症状について説明します。
頚椎捻挫型
頚椎捻挫型は、首の捻挫とも言えます。首に衝撃が加わり、筋肉や靭帯が無理に伸ばされて傷つくことで生じます。主な症状としては、首・肩・背中のこりや痛み、首周辺の可動域の制限などがあります。
バレー・リュー症候群型
バレー・リュー症候群型は、首に衝撃が加わることで頚椎に沿って存在する自律神経が傷つくことで生じます。主な症状としては、自律神経の損傷による頭痛、めまい、耳鳴り、息苦しさなどが挙げられます。
神経根症状型
神経根症状型は、首に衝撃が加わることで頚椎に歪みが生じ、脊髄に近い神経根という太い神経が圧迫されることで生じます。主な症状としては、神経の圧迫による特定部位のしびれや力が入りにくいといった症状があります。
脊髄症状型
脊髄症状型は、首に衝撃が加わることで脊髄自体が傷つくことにより生じます。いわゆる脊髄損傷です。症状としては、手足の麻痺が生じることがあります。
弁護士に相談するポイント
むちうち損傷を受けた場合、適切な賠償を受けるためには弁護士への相談が重要です。以下のポイントを参考にしてください:
1. 交通事故直後の対応:事故現場の状況を記録し、すぐに医師の診断を受けることが重要です。診断書を取得し、症状の経過を詳細に記録しておきましょう。
2. 保険会社との交渉:保険会社との交渉は専門的な知識が必要です。弁護士に依頼することで、適切な賠償を受けるためのサポートを受けることができます。
3. 後遺障害等級の認定:むちうちによる後遺障害等級の認定を受けるためには、専門的な知識と経験が必要です。弁護士は認定に必要な資料の収集や手続きを代行してくれます。
4. 慰謝料の請求:むちうち損傷による苦痛や生活への影響に対する慰謝料の請求も弁護士に相談することで、適切な額を受け取ることができます。
交通事故によるむちうち損傷でお困りの方は、弁護士法人長瀬総合法律事務所にお気軽にご相談ください。
むちうち損傷に関する解説動画
むちうち損傷に関する詳しい解説動画を用意しました。むちうち損傷に関する示談交渉の際にご注意いただきたいポイント等を解説していますので、是非ご覧ください。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
後遺障害の認定後に知っておくべき5つのポイント
交通事故によって後遺障害が残った場合、賠償金の支払い時期や手続きの流れ、受け取れる金額など、多くの疑問が生じるでしょう。本記事では、後遺障害認定後の慰謝料の支払い時期や手続きの流れ、申請方法、そして受け取ることができる賠償金について詳しく解説します。
目次
1. 後遺障害の認定後の慰謝料の支払時期
後遺障害が認定された後の慰謝料の支払い時期は、「被害者請求」か「事前認定」のどちらの方法で申請したかによります。「被害者請求」の場合は、申請から1ヶ月以内に支払いが始まることもありますが、「事前認定」の場合は、保険会社と示談が成立した後の支払いになります。
被害者請求は、交通事故の被害者が相手方の自賠責保険に対して直接賠償金を請求する方法です。この方法の利点は、比較的早い時期に賠償金の一部を受け取れることです。後遺障害等級が認定されたタイミングで、自賠責保険から基準に従って賠償金が支払われます。これにより、示談成立前に一定の賠償金を受け取ることができ、早ければ請求から1ヶ月以内に振り込まれることもあります。
事前認定は、相手方の任意保険会社に後遺障害認定手続きを任せる方法です。この方法のメリットは、被害者自身の手間が少ないことです。保険会社が手続きを代行してくれるため、被害者は必要書類を準備して送付するだけで済みます。しかし、賠償金の支払いは保険会社と示談が成立した後になるため、等級認定後すぐに支払いを受けることはできません。
2. 賠償金の支払の流れ
交通事故後、最終的に賠償金を受け取るまでの手続きは以下のとおりです。
医療機関での診察
交通事故に遭ったらすぐに適切な医療機関を受診し、必要な治療を受けます。医師から症状固定や完治の診断が下されるまでは、治療を続けることが重要です。治療を中断すると慰謝料が減額される可能性があり、後遺障害等級の認定に不利になることもあります。
後遺障害診断書の取得
治療が終了した後、医師に後遺障害診断書を作成してもらいます。この診断書が後遺障害等級の認定に必要な重要書類となります。
賠償金請求手続き
被害者請求または事前認定の方法で賠償金を請求します。被害者請求の場合は、被害者自身が自賠責保険に必要書類を提出し、事前認定の場合は、保険会社が手続きを代行します。
賠償金の支払い
後遺障害等級が認定され、示談が成立するか判決が出た後、賠償金が支払われます。被害者請求の場合は早ければ1ヶ月以内に支払いが始まることもあります。
3. 後遺障害認定の申請方法
後遺障害認定の申請方法には「被害者請求」と「事前認定」の2つがあります。
被害者請求
被害者または被害者の代理人(弁護士)が自賠責保険に直接請求する方法です。この方法では、被害者が必要書類を集めて自賠責保険に提出します。被害者請求に必要な書類には、交通事故証明書、診断書、施術証明書、診療報酬明細書、後遺障害診断書などがあります。被害者請求のメリットは、示談成立前に一定の賠償金を受け取ることができる点です。
事前認定
保険会社が後遺障害申請手続きを行う方法です。被害者は、医師に後遺障害診断書を作成してもらい、同意書などの必要書類を保険会社に送付します。保険会社が申請手続きを代行し、後遺障害等級の結果が保険会社に戻ってきます。事前認定のメリットは、被害者の負担が少ないことです。しかし、賠償金の支払いは示談成立後になるため、迅速な支払いを望む場合には被害者請求の方が適しています。
4. 後遺障害慰謝料の金額
後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級に応じて異なります。慰謝料の算定基準は、以下のように整理できます。
自賠責基準:自賠責保険が賠償金を計算するための基準です。
弁護士基準:弁護士が交渉や裁判で使用する基準で、最も高い算定基準です。
以下は、各基準の後遺障害慰謝料の相場です。
等級 | 自賠責保険基準 | 弁護士基準 |
---|---|---|
1級 | 1150万円 | 2800万円 |
2級 | 998万円 | 2370万円 |
3級 | 861万円 | 1990万円 |
4級 | 737万円 | 1670万円 |
5級 | 618万円 | 1400万円 |
6級 | 512万円 | 1180万円 |
7級 | 419万円 | 1000万円 |
8級 | 331万円 | 830万円 |
9級 | 249万円 | 690万円 |
10級 | 190万円 | 550万円 |
11級 | 136万円 | 420万円 |
12級 | 94万円 | 290万円 |
13級 | 57万円 | 180万円 |
14級 | 32万円 | 110万円 |
弁護士基準は自賠責保険基準や任意保険基準よりも高額であり、弁護士を介した交渉や裁判で使用されます。
5. 後遺障害で受け取ることができる賠償金
後遺障害が残った場合に受け取れる賠償金には以下のものがあります。
慰謝料:交通事故によって受けた精神的な苦痛を金銭に換算したものです。慰謝料には、入通院慰謝料(傷害慰謝料)、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料の3つがあります。
積極損害:交通事故によって被害者が必要となった費用を損害として請求するものです。治療費や入院費、通院のための交通費、装具や器具の購入費などが含まれます。
休業損害:交通事故によって仕事を休まざるを得なくなった場合の損害です。有職者や家事を行う主婦(主夫)が対象となります。休業損害は、「1日あたりの賃金 × 休業日数」で算出されます。
逸失利益:交通事故によって後遺障害が残り、将来得られなくなった収入を損害として請求するものです。逸失利益は、「基礎収入 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数」で算出されます。
まとめ
後遺障害が残った場合、適切な手続きを踏むことで賠償金を受け取ることができます。不安がある場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
長瀬総合法律事務所では、交通事故案件に精通した弁護士が対応し、全国どこからでも相談を受け付けています。
お気軽にお問い合わせください。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
むちうち損傷における傷害慰謝料の3つの計算方法のポイント
むちうち損傷における傷害慰謝料の3つの計算方法のポイント
交通事故によって発生するむちうちの慰謝料について、その計算方法を詳しく解説します。この記事では、慰謝料の基本的な概念から、具体的な計算方法までをわかりやすく説明し、弁護士に依頼するメリットについても触れます。
慰謝料とは?
慰謝料とは、交通事故により被害者が被った精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。精神的苦痛の大きさは客観的に評価することが難しいため、実務上では一定の計算基準が設けられています。主な基準として以下の3つがあります。
1. 自賠責保険の基準
2. 任意保険会社の基準
3. 裁判所の基準(弁護士基準)
自賠責保険の基準
自賠責保険の基準では、慰謝料の金額は主に通院日数に基づいて計算されます。具体的には、以下のいずれか低い方の金額が適用されます。
・総通院期間 × 4,300円
・実治療日数 × 2 × 4,300円
※(2020年3月31日以前の事故は1日あたり4,200円)
自賠責保険の基準による慰謝料は、3つの基準の中で最も低額になることが一般的です。
任意保険会社の基準
任意保険会社は、それぞれ独自の基準を設けており、妥当だと考える慰謝料の金額を算出します。通常、この基準で計算される慰謝料額は、自賠責保険の基準と同程度か、やや高めになりますが、裁判所の基準(弁護士基準)よりは低額となることが多い傾向にあります。
裁判所の基準(弁護士基準)
裁判所の基準(弁護士基準)は、裁判所が慰謝料を算出する際に用いる基準です。代表的なものに「赤い本」や「青い本」と呼ばれる基準があります。これらの基準では、傷害の内容や程度、入通院期間の長さなどを考慮して慰謝料が算出されます。裁判所の基準で計算される慰謝料は、3つの基準の中で最も高額になることが一般的です。
慰謝料の計算例
具体的な事例を元に、各基準での慰謝料額を比較してみます。
事例
・診断名:頚部挫傷
・治療期間:6か月(180日)
・通院実日数:65日
自賠責保険基準での慰謝料額
・通院実日数 65 × 2 = 130日
・130日 × 4,300円 = 55万9,000円
裁判所基準での慰謝料額
・赤い本基準(別表Ⅰ):116万円
・赤い本基準(別表Ⅱ):89万円
※裁判所基準では、交通事故の態様や症状などの事情により、慰謝料の金額が大きく変動することがあります。具体的な金額については弁護士にご相談ください。
弁護士に依頼する重要性
上記の計算例からもわかるように、裁判所基準と自賠責保険基準では慰謝料の金額に大きな差があります。被害者が弁護士に依頼しない場合、加害者側の任意保険会社は自賠責基準と同程度の慰謝料しか提案してこないことが多いため、適正な慰謝料を受け取るためには弁護士に依頼することが重要です。
むちうちの慰謝料の金額でお悩みの方は、弁護士法人長瀬総合法律事務所にお気軽にご相談ください。個々の事案に応じた最適なアドバイスを提供いたします。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
むちうち損傷における治療期間で注意すべき5つのポイント
治療期間を注意する理由
むちうち損傷は、交通事故などの衝撃により首に負荷がかかることで発生します。初期症状が軽くても、適切な治療を受けないと慢性的な痛みや機能障害を引き起こす可能性があります。治療期間の適切な管理は、迅速かつ完全な回復を目指す上で非常に重要です。また、治療期間中に発生する費用や後遺症のリスクを最小限に抑えるためにも、治療期間に対する注意が必要です。
5つのポイントを紹介する理由
むちうち損傷の治療期間における注意点を理解することは、被害者が適切な治療を受け、早期に回復するために重要です。以下の5つのポイントを押さえることで、治療の進行状況を把握し、必要な対応を適切に行うことができます。また、保険会社や医療機関との円滑なコミュニケーションを図り、治療期間に関するトラブルを避けるための知識としても役立ちます。
1. 事故状況と負傷の関係
むちうち損傷の治療期間は、事故の衝撃の大きさや車両の損傷度とは必ずしも一致しません。軽微な損傷でもむちうちとなる場合があり、逆に大きな衝撃を受けても負傷がない場合もあります。同じ事故でも、乗員の一部だけがむちうちになることもあります。そのため、事故後は必ず専門医の診断を受けることが重要です。
2. 一般的な治療期間
むちうちの治療期間については、保険会社は通常3か月を基準としています。これは、内部組織の損傷が回復するまでの期間とされていますが、整形外科医の見解では、より長期の治療が必要とされる場合もあります。個々のケースにより、治療期間は異なるため、医師と相談しながら治療を進めることが大切です。
3. 治療期間の終期
治療期間の終期は、痛みがなくなり治療が不要となった場合、または治療を続けても症状の改善が見込めない「症状固定」の状態の2つがあります。症状固定と判断されると、その後の治療費は被害者の負担となりますので、治療中は医師に症状の改善をきちんと伝え、診療録に記録してもらうことが重要です。
4. 保険会社からの治療費立替打ち切り通知
保険会社が治療費の立替を打ち切る通知を出す場合があります。この際、通知が届いた後も治療を継続する場合、費用は被害者の負担となります。症状の改善が見込めるかどうかを医師と相談し、治療を続けるかどうかを判断することが求められます。
5. 治療期間中の注意点
治療期間が長引く場合、加害者側との賠償範囲の争いが生じることがあります。この場合、被害者としては治療の継続が症状の改善につながることを証明する必要があります。医師に定期的に症状の変化を伝え、診療録に記録してもらうことで、治療期間の妥当性を立証することができます。
弁護士に相談するメリット
むちうち損傷の治療や保険会社との交渉には、多くの専門知識が必要です。弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。
1. 適切な治療を受けるためのアドバイス
弁護士は、医療機関との連携を図りながら、適切な治療を受けるためのアドバイスを提供します。
2. 保険会社との交渉サポート
保険会社からの治療費打ち切り通知や賠償請求に関する交渉を弁護士が代行し、被害者の権利を守ります。
3. 後遺症認定のサポート
治療期間中に発生する可能性のある後遺症について、適切な認定を受けるためのサポートを行います。
4. 精神的なサポート
事故後のストレスや不安を軽減するために、弁護士が法的なサポートを提供し、安心して治療に専念できる環境を整えます。
むちうち損傷に関する問題を円滑に解決するためには、専門家のサポートが欠かせません。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、むちうち損傷に関する豊富な経験と知識を活かし、被害者の方々をサポートします。まずはお気軽にご相談ください。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
むちうち損傷における逸失利益算定のポイント:労働能力喪失率
1. むちうちと労働能力喪失率
むちうち損傷において、後遺障害等級に該当する場合、一般的には14級9号(局部に神経症状を残すもの)や12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)に分類されます。この等級に応じて、労働能力喪失率が決められています。例えば、14級の場合は5%、12級の場合は14%と定められています。
2. 労働能力喪失率の考え方
労働能力喪失率は、被害者の年収に基づき算定されます。ただし、被害者の職種や業務内容によっては、神経症状のみでは減収が生じない場合もあります。例えば、デスクワークが中心の職種では固定給が多いため、減収がないことが考えられます。この場合、後遺障害の程度が小さく、職業の性質から見て将来的な収入の減少が認められないときは、逸失利益の発生を認めることは困難です。しかし、被害者の努力や使用者の温情によって減収が生じていない場合は、労働能力の喪失が一定範囲で認定される可能性があります。
3. 逸失利益算定の具体例
逸失利益を算定する際には、被害者の年収と労働能力喪失率を基に計算されます。以下に、具体的な例を示します。
(1)後遺障害等級14級9号の場合
被害者の年収が400万円の場合、労働能力喪失率は5%です。これを年収に乗じることで逸失利益を算定します。
計算式:400万円 × 5% = 20万円
したがって、後遺障害等級14級9号の場合、逸失利益は年間20万円となります。
(2)後遺障害等級12級13号の場合
被害者の年収が400万円の場合、労働能力喪失率は14%です。これを年収に乗じることで逸失利益を算定します。
計算式:400万円 × 14% = 56万円
したがって、後遺障害等級12級13号の場合、逸失利益は年間56万円となります。
4. 弁護士に相談するメリット
逸失利益の範囲や労働能力喪失率の算定は複雑であり、多くの要素を考慮する必要があります。そのため、専門的な知識と経験を持つ弁護士に相談することが重要です。弁護士は、被害者の具体的な状況に応じた適切なアドバイスを提供し、適正な賠償を受け取るためのサポートを行います。
5. むちうち損傷に関する解説動画
むちうち損傷に関する詳細な解説動画を視聴することで、労働能力喪失率や逸失利益の算定方法についてさらに理解を深めることができます。動画では、実際の事例を交えて説明されることが多いため、具体的なイメージを持ちやすくなります。弁護士法人長瀬総合法律事務所のウェブサイトやYouTubeチャンネルで、むちうち損傷に関する最新の情報を提供していますので、ぜひご覧ください。
「むちうち」で慰謝料を請求するには?主張・立証のポイントと注意点を解説
【交通事故被害者の方へ】弁護士が解説 むちうちの慰謝料のボーダーライン
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
むちうち損傷における逸失利益算定のポイント:労働能力喪失期間
1.むちうちの後遺障害
交通事故による怪我の中には、治療を続けても半年以上経過しても完治せず、後遺症が残ってしまうケースがあります。このような場合、後遺障害の認定を受ける可能性があります。
後遺障害とは、事故によって生じた後遺症の中でも、特に症状が重く日常生活や労働に支障をきたす状態を指します。後遺障害と認定されると、通院に対する慰謝料だけでなく、後遺障害そのものに対する慰謝料(後遺障害慰謝料)が支払われます。さらに、事故の影響で仕事に支障が出ることを考慮し、逸失利益が賠償の対象となります。
逸失利益とは、交通事故によって被害者の労働能力が一部失われることにより、将来的に得られるはずだった収入の減少分を指します。具体的には、労働能力が失われる割合(労働能力喪失率)と、その影響が続く期間(労働能力喪失期間)を基に算出されます。むちうち症状が軽い場合でも、重度の後遺症が残れば後遺障害と認定されることがあります。
2.むちうちの労働能力喪失期間
後遺障害が認定されると、治療を行っても完治しないため、通常は事故後の仕事に従事する期間がすべて労働能力喪失期間とされます。例えば、20歳の人の場合、労働能力喪失期間は40年以上となり、50歳の人では10数年となるのが一般的です。
しかし、むちうちの後遺障害の場合は、そのようには考えられません。数年間むちうちの症状と共に生活していれば、その状態に順応できると見なされるからです。保険会社が提示する労働能力喪失期間は、14級の後遺障害が認定される場合、通常2~3年とされ、弁護士が介入すると5年になることが多いです。しかし、個々のケースにより差があり、場合によってはそれよりも長い、または短い期間が労働能力喪失期間とされることもあります。
3.弁護士に相談するポイント
むちうち損傷による労働能力喪失期間の算定は、個々のケースによって異なるため、専門的な知識が必要です。以下のポイントを参考に、弁護士に相談する際の準備をしておくと良いでしょう。
症状の詳細な記録:治療経過や症状の変化を詳細に記録しておくことが重要です。診断書や治療記録も一緒に用意しておきましょう。
医師の意見書:後遺障害等級認定に影響する医師の意見書を取得しておくことが大切です。医師の診断や所見をしっかりと伝えることで、正確な評価が期待できます。
相談の目的を明確に:逸失利益の算定や労働能力喪失期間の適正性について確認したい点を具体的に伝えましょう。弁護士に質問したい内容を事前に整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
4.解説動画の紹介
むちうち損傷に関する逸失利益の算定方法や労働能力喪失期間の考え方について、より詳しく知りたい方のために解説動画を用意しています。この動画では、専門家がわかりやすく説明しており、具体的な事例やポイントについても触れています。
「むちうち」で後遺障害等級を獲得するための主張・立証のポイント
「むちうち」で慰謝料を請求するには?主張・立証のポイントと注意点を解説
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、交通事故の被害に遭われた方のための無料相談を受け付けています。後遺障害が認定されたものの労働能力喪失期間が妥当かどうかご不明な場合や、逸失利益の金額が適正かどうかを確認したい場合は、ぜひ一度ご相談ください。専門の弁護士が丁寧に対応いたします。
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
むちうち損傷で後遺障害が認められた場合の賠償額の算定上のポイント
むちうち損傷で後遺障害が認められた場合の賠償額の算定上のポイント
むちうちにより後遺障害が認定された場合、被害者は加害者に対して損害賠償を請求することが可能です。本稿では、むちうちによる後遺障害とその賠償額について詳しく説明します。
1. むちうちによって認められる後遺障害
交通事故による後遺障害は、自動車損害賠償保障法施行令の別表第1および第2(以下、「後遺障害等級表」)に基づいて判断されます。むちうちによる「痛み」や「しびれ」の症状は「神経症状」として後遺障害の対象となります。
むちうちによる症状が後遺障害として認定される場合、次のいずれかの等級に分類されます。
第14級9号:「局部に神経症状を残すもの」
第12級13号:「局部に頑固な神経症状を残すもの」
2. 後遺障害が認められると損害賠償請求にどのような影響があるか
後遺障害が認定されると、被害者は加害者に対して以下の2つの損害項目を請求できるようになります。
後遺障害による逸失利益:後遺障害によって将来的に失われる収入の補償
後遺障害に対する慰謝料:後遺障害が残ったことによる精神的苦痛に対する補償
3. むちうちで後遺障害が付いた場合の「後遺障害による逸失利益」や「後遺障害に対する慰謝料」の計算方法
後遺障害に対する慰謝料
第14級9号:賠償額の目安は約110万円
第12級13号:賠償額の目安は約290万円
後遺障害による逸失利益
後遺障害による逸失利益は、被害者の年齢、職業、年収額などの事情によって異なります。一般的な計算方法は以下の通りです。
事故前年度の年収額 × 労働能力喪失率 × 労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数
4. 「後遺障害による逸失利益」の計算例
事例
事故前年度の年収600万円の会社員Aさんが、交通事故でむちうちとなり、第14級9号の後遺障害が認定され、労働能力喪失期間が5年間と判断された場合(Aさんの年収は事故以降減少していると仮定します)。
後遺障害による逸失利益の計算
後遺障害による逸失利益 = 600万円(事故前年度の年収額) × 5%(第14級9号の労働能力喪失率) × 4.5797(労働能力喪失期間5年のライプニッツ係数) = 137万3910円
5. 後遺障害認定の重要性
上記の計算例で示したAさんのケースでは、第14級9号の後遺障害が認定されたことで、「後遺障害による逸失利益(137万3910円)」と「後遺障害に対する慰謝料(約110万円)」を合わせると、200万円以上の賠償額が増加します。このように、後遺障害認定の有無により、被害者が受け取ることのできる金額は大きく変化します。むちうちの被害者の方は、後遺障害認定に詳しい弁護士に一度ご相談ください。
以上の内容を参考に、むちうちによる後遺障害が認定された場合の賠償額について理解を深めていただければ幸いです。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、後遺障害認定に関するご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
参考動画
初回無料|お問い合わせはお気軽に
その他のコラムはこちら
« Older Entries Newer Entries »