症状
耳鳴りがする。外で音がしていないのに、音を感じる。ザワザワ、ジンジン、キーンというような音を感じる
原因・説明
難聴を伴った耳鳴りが常にある場合、後遺障害等級が認定されます。
常に耳鳴りがあることが条件ですが、昼間外部の音の影響で耳鳴りを感じないだけの場合は、常に耳鳴りがあるものとして扱われます。
また、30dB以上でなければ聴こえない難聴を伴う耳鳴りであることも条件です。
目安ですが、30dBはささやき声や洋服を着るくらいの音です。
なお、耳鳴りのない難聴のみの後遺障害では、40dB以上でなければ聴こえない程度でなければ、後遺障害等級は認定されません(40dBは図書館の音程度が目安です)。
耳鳴りが存在すると他覚的所見により医学的に評価できる場合は後遺障害等級12級が認定されます。他覚的所見はないものの、耳鳴りの自覚症状があり、耳鳴りのあることが外傷等から合理的に説明できる場合は後遺障害等級14級が認定されます。
耳鳴りの検査方法
耳鳴りの検査方法には「ピッチ・マッチ検査」「ラウドネス・バランス検査」などが挙げられます。
① ピッチ・マッチ検査
耳鳴りが11周波数の純音、バンドノイズあるいはホワイトノイズのどれに最も似ているかを調べる方法。使用機器はオージオメータ、耳鳴検査装置。
② ラウドネス・バランス検査
ピッチ・マッチ検査で耳鳴りのピッチが得られた後に、そのピッチの純音(または雑音)を用いて耳鳴りの大きさを調べる方法。使用機器はオージオメータ、耳鳴検査装置等。
ピッチ・マッチ検査で得られた周波数音を用い、耳鳴音の大きさと検査音の大きさとが等しくなる強さを求めます。
想定される後遺障害等級
耳鳴りについての後遺障害等級認定基準は、以下の通りです。
等級 | 後遺障害 | |
---|---|---|
❶ | 12級相当 | 30dB以上の難聴をともない、著しい耳鳴りを常時残すことが他覚的検査により立証可能なもの |
❷ | 14級相当 | 30dB以上の難聴をともない、常時耳鳴りがあることが合理的に説明できるもの |
耳鳴が常時ある場合とは?
昼間は自覚症状がなくても、静かな夜間に耳鳴の自覚症状がある場合を含みます。
医学的に合理的に耳鳴りの存在を説明できる場合とは?
耳鳴りがあることが騒音被爆歴や外傷等から合理的に説明できる場合をいいます。