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症状
呼吸困難のため、動くのが苦しい。階段の昇り降りや歩くのが苦しい(呼吸困難)
判定方法
後遺障害等級の認定にあたって、安静時の呼吸困難を調べる検査や指標として、以下のものがあります。
1 動脈血酸素分圧
動脈血酸素分圧は、血液内に酸素を送り込む肺の働きを数値で表したものです。
単位はTorr(トル)で、健康な人の平均値は100Torrです。
動脈血酸素分圧は、少なくとも換気・ガス交換・肺循環・呼吸中枢制御機能という4つの機能の結果として、血液の仲の酸素を供給できているかということを表す指標です。
2 動脈血炭酸ガス分圧
動脈血炭酸ガス分圧は、血液中に含まれている二酸化炭素の割合を数値で表したものです。
単位はTorr(トル)で、健康な人は約40Torrです。 動脈血炭酸ガス分圧の異常は、動脈血酸素分圧が異常に低下した低酸素血症とともに、労働能力に影響を及ぼします。
性別・年齢・体格によって若干の差異が存在するので、後遺障害等級の認定にあたっては、37Torr以上43Torr以下が正常な範囲とされています。
3 %1秒量
%1秒量とは、肺活量の測定装置(スパイロメーター)を使い、息をいっぱいに吸い込み、できるだけ早く息を吐ききる努力をしたときに、最初の1秒間に吐き出せた空気の量(1秒量)が健康な人と比べてどうかを表す数値です。
%1秒量=(1秒量実測値)÷(1秒量予測値)×100という式によって算出します。
これにより、気道が狭くなって換気量が減少していないかを検査します。
4 %肺活量
%肺活量とは、年齢や身長から計算される予測肺活量と比べて実際の肺活量はどうかを表す数値です。
%肺活量=(肺活量実測値)÷(肺活量予測値)×100という式によって算出します。
これにより、肺の弾性の減弱等により、換気量が減少していないかを検査します。
上記の安静時の検査で正常であっても、体を動かす時に呼吸困難となることがあります。
そこで、運動負荷試験によって、体を動かした時に呼吸困難と判断されるときも、後遺障害等級が認定されます。
運動負荷試験には、漸増運動負荷試験、6分間・10分間等の歩行試験やシャトルウォーキングテスト等の時間内歩行試験、50m歩行試験等があります。