【相談前】
本件は,加害車両に衝突され,頚椎捻挫・腰椎捻挫等の傷害を負ってしまったという事案です。
相談者は,本件事故被害に遭った後,酷い頭痛や腰痛に悩まされてしまい,休業も余儀なくされてしまいました。
また,相談者は,兼業主婦でしたが,仕事のみならず,家事にも支障をきたしてしまいました。
【相談後】
当事務所でご相談をうかがい,まずは後遺障害等級の認定を目指して被害者請求を行いました。
被害者請求の結果,頚椎捻挫・腰椎捻挫それぞれに神経症状が残るものと認められ,後遺障害等級併合14級と認定されました。
そして,後遺障害等級併合14級と認定されたことを前提に,加害者側保険会社と交渉を行いましたが,加害者側の提示額は,慰謝料,逸失利益いずれも裁判基準よりも低額の提示しかしないために,当方の提示額との開きは大きいままでした。
特に,本件の被害者は兼業主婦であり,仕事のみならず家事にも深刻な支障を来していたのですが,いわゆる家事従事者としての休業損害についても否定的な回答でした。
そこで,相談者が実際に本件事故によって仕事や家事にどのような支障を来したのかを具体的に明らかにする立証活動を行いました。
その結果,最終的には休業損害,慰謝料,後遺障害慰謝料,逸失利益を大幅に増額することができ,当初提示額から2倍以上の増額で解決することができました。
【担当弁護士からのコメント】
本件のように,兼業主婦の場合には,傷害慰謝料や逸失利益,後遺障害慰謝料だけでなく,休業損害も大きな争点の1つとなります。
このようなケースでは,本件事故前後で家事や日常生活にどのような支障を来したのかを具体的に立証することがポイントになります。
また,主婦の休業損害は,治療期間をベースとして,割合的に認定される傾向にありますが,立証内容によって,認定される割合も異なることがあります。
主婦の平均年収は約360万円と評価されますので,決して小さい金額ではありません。
どこまで具体的に主張立証するのかは個別の事例に応じた判断が必要ですが,安易に判断しないことが大切といえます。