弁護士法人長瀬総合法律事務所では、被害者様の病状を正確に反映してもらうために、医療機関への訪問を行うことも手がけております。
当事務所が実際に手がけていた交通事故案件での医師との面談内容についてご紹介いたします。
プライバシー保護の観点から、一部を抽象化しています。
高次脳機能障害と診断されたケース
後遺障害診断書の作成を医師に依頼した事例
被害者様は、交通事故による受傷後、記憶障害や認知能力の低下などが目立つようになり、入通院先の病院では高次脳機能障害と診断されていました。
被害者様のご家族は、交通事故による賠償交渉を適切に行うことができるかどうか心配になり、当事務所にご相談にお越しになりました。
当事務所でご相談を伺い、これまでの入通院に関するカルテを取り寄せて確認した上、被害者様やご家族とも面談させていただき、病状を検討したところ、被害者様の正確な病状が十分に担当医に伝わっていない可能性があることを懸念しました。
そこで当事務所は、被害者様の担当医のもとに、被害者様やご家族様とともに同行してお伺いし、被害者様の病状をお伝えするとともに、後遺障害診断書の作成を依頼しました。
後遺障害診断書の作成にあたっては、被害者様の病状が正確に反映されるよう依頼した結果、被害者様の検査結果や病状について詳細に記載していただくことができました。
頚椎損傷のケース
後遺障害診断書の作成を医師に依頼した事例
被害者様は、交通事故による受傷によって「頚椎損傷」等の傷害を負いました。
その結果、被害者様は四肢麻痺等の症状を訴えるようになりました。
当事務所で被害者様の本件事故による受傷状況を確認するために医療記録等を取り寄せて確認したところ、被害者様が訴える症状のうち、四肢の可動範囲に関する記載やADL に関する記載が、必ずしも現時点で被害者様が訴える病状を正確に反映しているわけではないのではないかと思われる箇所が目につきました。
本件では、被害者様の病状も重く、担当医の先生にはできる限り正確に病状を把握していただきたいと考え、病院側に事前に申入をした上で、被害者様に同行し、改めて被害者様の診察をしていただいた上で、後遺障害診断書を作成してもらうこととしました。
被害者様と同行し、担当医と面談した結果、被害者様の病状を再度診察してもらったことで、より現状を正確に確認してもらうことができることとなりました。
下肢障害のケース
後遺障害診断書の修正を医師に依頼した事例
被害者様は「股関節脱臼骨折」等の下肢障害を受傷しました。交通事故による受傷後、下肢の痺れや動きにくさを訴えるようになりました。
当事務所でご相談を伺った際にはすでに後遺障害診断書を作成していましたが、内容を拝見すると、被害者様が訴える下肢の障害内容が十分に反映されているとはいえないのではないかと思われる点が散見されました。
そこで、当事務所でも被害者様から日常生活等の状況を詳細に伺い、問題点を整理した上で、被害者様に同行して改めて病院を受診しました。
被害者様の病状について再度チェックしてもらったところ、当初の内容から修正が必要であると担当医の方に判断いただき、病状について修正してもらうこととなりました。
自賠責における後遺障害等級認定手続は基本的に書面審査で行われるため、正確な病状を後遺障害診断書等に記載してもらうことが重要になります。
今回は後遺障害等級認定申請手続を行う前にチェックすることができたために、正確な病状を反映することができました。
神経症状のケース
診断書等の記載内容を担当医師に再確認した事例
被害者様は、歩行中に自動車に追突され「頚椎捻挫」等の傷害を受傷しました。交通事故による受傷後、手の痺れや痛み、上肢の運動障害等を訴えるようになりました。
当事務所で改めて医療記録等を取り寄せて確認したところ、主に通院していた病院のカルテ上、手の痺れや痛み、上肢の運動障害を訴えている記載は散見されましたが、症状固定時期に関する主治医の見解が一貫していなかったり、症状の重さに関する意見に不足があったりすることが目につきました。
特に、主治医が作成している後遺障害診断書の記載内容との整合性にも問題があるのではないかと思われる点がありました。
当事務所は被害者様に同行し、主治医と面談し、後遺障害診断書や各カルテの記載内容との整合性について確認しました。
主治医と直接面談し、当方で考えている各カルテの記載内容の整合性や問題点について確認したところ、主治医の方も誤解している点があったことを認め、被害者様の病状に関する診断書について再度検討していただくこととなりました。