多くの交通事故事案では、慰謝料をはじめとした各損害項目について、裁判基準の方が自賠責基準や任意保険基準よりも高額であるため、訴訟を提起した方がより高額な賠償請求が認められます。
しかし、事案によっては、訴訟による解決よりも、被害者請求を行い、自賠責保険を請求した方が有利なこともあります。
具体的には、以下のような事案です。
裁判所の認定する被害者の総損害7000万円、被害者の過失80%の死亡事故の場合【自賠責保険を先に請求した場合】自賠責の支払基準で計算した損害額が3000万円を超えるとき= 3000万円(死亡事故の限度額)が保険金額となる
3000万円 × 70%(3割減額) = 2100万円 【訴訟を先行させた場合】 7000万円 × 20% = 1400万円 * 裁判所は自賠責保険の支払基準に拘束されない(最判平成18年3月30日判時1928号36頁)。 * 自賠責保険は、裁判所が認定した損害額以上の支払はしない。 → 被害者は1400万円しか支払を受けられない。 |
訴訟をするべきかどうかは事案によって異なります。
慎重な見極めが必要ですので,まずはご相談下さい。