積極損害のうち治療費は、原則として実費全額が賠償されます。
ですが、例外的に、治療に要した実費全額が賠償されないケースとして、①過剰・濃厚診療、高額診療の問題があります。
治療上の必要がないにもかかわらず複数の医療機関で治療を受けたり、医師の裁量を超えて明らかに不必要と判断される医療行為が行われている場合(必要性がない場合)、
または
診療報酬額が通常の水準よりも非常に高い場合(相当性がない場合)、
実際に被害者の方が負担した金額全額が賠償されないということがあります。
高額診療については、どの程度まで許容されるかは、その地域の医療事情、高額な請求をする具体的な理由の存否などによって変わってくるとされていますが、健康保険診療の2倍が一つの目安になると思われます。