7 解決結果選択のポイント
□ 示談による解決
後遺障害等級の認定結果を争わない場合,通常は損害賠償額を確定することができます。
この段階で,加害者に対し,損害賠償額を請求し,示談交渉を進めていくことが一般的です。
加害者本人ではなく,加害者加入の保険会社と交渉する場合,保険会社の担当者によっては,慰謝料や休業損害等を裁判基準全額で払うことはできないと主張することもあります。
早期解決も無視できない要素ですから,依頼者とよく協議した上で,示談による早期解決を図るか,その他の手段による増額を図るかを検討しましょう。
□ ADRによる解決
ADRによる解決方法として,①(財)交通事故紛争処理センター(通称「紛セ」),②(財)日弁連交通事故相談センター(N-TACC),③弁護士会の仲裁センター,が挙げられます。
いずれも利用にあたっては一定の条件がある点に注意が必要です。
後遺障害等級の認定結果には争いがなく損害額の評価が争点の中心となっているような場合や,示談交渉では進展がない場合,ADRによる解決方法も有効な選択となります。
□ 裁判による解決
後遺障害等級の認定結果自体に争いがあったり,事故態様の主張自体に大きな隔たりがあったりする場合,示談交渉やADRでは適切な解決が期待できません。
この場合には,訴訟を選択することになります。