はじめに
交通事故による耳の後遺障害は、日常生活に大きな影響を与えることがあります。本記事では、耳の後遺障害の種類や等級、治療方法、そして弁護士に相談するメリットについて解説します。わかりやすくするために、QA形式で進めます。
耳の後遺障害の概要
耳の後遺障害で多い等級は、後遺障害4級、6級、7級、9級、10級、11級、12級、14級などがあります。耳に関する後遺障害には、聴力障害、耳殻の欠損、耳鳴り、耳漏、めまい・平衡機能障害などが含まれます。
耳の後遺障害の種類と詳細
聴力障害
両耳の聴力障害
両耳に聴力障害の後遺症が残った場合、以下の基準に基づいて後遺障害等級が認定されます。
等級 | 部位 | 後遺障害の程度 |
---|---|---|
4級3号 | 耳 | 両耳の聴力を全く失ったもの |
6級3号 | 耳 | 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの |
6級4号 | 耳 | 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
7級2号 | 耳 | 両耳聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
7級3号 | 耳 | 1耳の聴力を全く失い、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
9級7号 | 耳 | 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
9級8号 | 耳 | 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの |
10級5号 | 耳 | 両耳の聴力が1m以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になったもの |
11級5号 | 耳 | 両耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
片耳の聴力障害
片耳に聴力障害の後遺症が残った場合の後遺障害認定基準は以下の通りです。
等級 | 部位 | 後遺障害の程度 |
---|---|---|
9級9号 | 耳 | 1耳の聴力を全く失ったもの |
10級6号 | 耳 | 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの |
11級6号 | 耳 | 1耳の聴力が40cm以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの |
14級3号 | 耳 | 1耳の聴力が1m以上の距離では小声を解することができない程度になったもの |
聴力検査
聴力検査には「純音聴力検査」と「語音聴力検査」があります。純音聴力検査は、オージオメータという器械を使用して聴力レベルをデシベル(dB)で測定します。正常範囲は20~30dBです。純音聴力検査では、気導と骨導のそれぞれの閾値を求めます。気導聴力検査はヘッドフォンを着用して、骨導聴力検査は骨導受話器を耳の後ろに当てて行います。
語音聴力検査は、患者が語声を聞き取る能力を評価する検査です。言語音を用いて聞き取り能力と聞き分け能力を測定します。
耳殻の欠損
耳殻(耳介)とは、耳の外側の見えている部分です。耳殻が2分の1以上欠損した状態は後遺障害12級4号として認定されます。また、外貌醜状で「外貌に著しい醜状を残すもの」として後遺障害7級12号が認定される場合、耳介欠損の12級4号よりも外貌醜状が優先されます。
耳鳴り・耳漏
耳鳴りや耳漏が残った場合の後遺障害等級は以下の通りです。
耳鳴り
等級 | 部位 | 後遺障害の程度 |
---|---|---|
12級相当 | 耳 | 難聴に伴い著しい耳鳴が常時あると評価できるもの |
14級相当 | 耳 | 難聴に伴い常時耳鳴のあることが合理的に説明できるもの |
耳鳴りの検査としては、ピッチ・マッチ検査及びラウドネス・バランス検査が行われます。
耳漏
等級 | 部位 | 後遺障害の程度 |
---|---|---|
12級相当 | 耳 | 30db以上の難聴で、常時耳漏を残すもの |
14級相当 | 耳 | 30db以上の難聴で、耳漏を残すもの |
めまい・平衡機能障害
内耳の損傷によるめまい・平衡機能障害は、「神経系統の機能又は精神の障害」として認定されます。
良性発作性頭位めまい症
頭部外傷やむち打ちなどによる耳石が原因で引き起こされる疾患で、内耳損傷によるめまいとは異なります。
弁護士に相談するメリット
耳に後遺障害が残ると、後遺障害等級が4級~14級になる可能性があります。弁護士に依頼することで、加害者側から受け取る賠償金が大幅に増えることがあります。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、耳の後遺障害に詳しい弁護士が無料相談を行っています。無理に依頼を進めることはありませんので、安心してご相談ください。
まとめ
耳の後遺障害は、生活に大きな影響を与えることがあります。適切な等級認定や賠償を受けるためには、専門知識を持つ弁護士に相談することが重要です。弁護士法人長瀬総合法律事務所では、交通事故の解決実績が豊富な弁護士がサポートしますので、安心してご相談ください。
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