後遺障害逸失利益について:弁護士が解説

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はじめに

交通事故による後遺障害が認定されると、その障害により将来的に減収が発生する可能性があります。逸失利益として認められるのは「将来的に得られるはずだった利益」です。本ガイドでは、逸失利益についての基本情報や賠償額の算定方法、さらに弁護士に相談するメリットについて解説します。

Q&A

そもそも「後遺障害逸失利益」とは何ですか?

「後遺障害逸失利益」とは、交通事故の後遺障害が原因で将来的に失われる利益、すなわち事故がなければ得られたであろう収入です。これを損害として加害者側に請求できるケースがあります。

後遺障害逸失利益は「基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に対応するライプニッツ係数」で算定されます。ここでの労働能力喪失率や喪失期間は、認定された後遺障害の等級や年齢、職業などによって異なります。

減収がない場合も逸失利益は請求できますか?

基本的には、減収が発生していない場合、逸失利益はないとみなされることが多いです。しかし、裁判所の判断や特定の条件により、実際に減収がなくても逸失利益として損害が認められるケースもあります。

例えば、以下の要素が認められると、減収がない場合でも逸失利益が発生すると認められることがあります。

  • 将来の昇進や昇給の際の不利益が生じる可能性
  • 具体的な業務への支障
  • 退職や転職の可能性が高い場合

減収がないのに逸失利益が認められるのはどのようなケースですか?

具体的には、以下のような要素が考慮されることがあります。

  1. 昇進・昇給における不利益
    事故により後遺障害を負ったために、通常のキャリアステップや昇給が難しくなると予想される場合。
  2. 業務への支障
    業務内容によっては、後遺障害により特定の業務が困難になるケースが該当します。
  3. 退職や転職の可能性
    現在は収入が減っていなくても、後遺障害が原因で将来的に退職や転職を余儀なくされる可能性がある場合。

これらの点について十分な証拠や立証ができると、逸失利益が認められることが期待されます。

後遺障害逸失利益の計算方法は?

後遺障害逸失利益は以下の式で計算します。

基礎収入×労働能力喪失率×喪失期間に対応するライプニッツ係数

  • 基礎収入
    被害者の事故前の収入を基礎とします。会社員であれば給与、事業主であれば申告収入が基礎となります。
  • 労働能力喪失率
    後遺障害等級により定められた喪失率が適用されます。
  • 喪失期間
    事故時の年齢に基づき、67歳までを目安に設定されますが、職種や健康状態によって変動します。
  • ライプニッツ係数
    現在価値を求めるための係数で、法的基準により算出されます。

減収が発生していない場合、どう立証すれば良いですか?

減収がない場合、以下のような観点で立証すると効果的です。

  • 将来的な不利益の可能性
    後遺障害による昇進・昇給の妨げや業務遂行における制約。
  • 現在の収入維持のための特別な努力
    事故後の収入が変わらないのは、本人が労働能力低下を補う特別な努力をしているためだと証明する。
  • 事故以外の要因による収入維持の状況
    仮に事故がなければ、収入が減少していたと認められる要因がある場合に、その証拠を提示します。

弁護士に相談するメリットは何ですか?

交通事故による逸失利益の請求は、計算方法や立証に専門的な知識が必要です。弁護士に相談することで、以下のメリットが得られます。

  1. 適切な損害賠償額の算定
    後遺障害等級や逸失利益に関する専門知識を駆使して、適正な賠償額の算定が可能です。
  2. 立証サポート
    減収が発生していない場合の証拠収集や立証の支援も弁護士が行います。
  3. 加害者側との交渉力の向上
    法律の専門知識を持つ弁護士が対応することで、交渉が円滑に進み、結果として高額な賠償金を得やすくなります。
  4. 精神的サポート
    手続きが複雑な逸失利益の請求を、精神的に負担なく進めるためのアドバイスや支援を受けられます。

実際に弁護士に依頼する場合の流れは?

依頼後の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 相談・打ち合わせ
    事故や後遺障害の状況、現在の収入状況や将来的な影響について確認します。
  2. 証拠収集と分析
    減収がない場合も含め、逸失利益を立証するための証拠を収集・分析します。
  3. 損害賠償額の算定
    適切な賠償額を算定し、請求金額を確定します。
  4. 示談交渉や訴訟
    加害者側や保険会社との示談交渉や、必要に応じて訴訟を行います。

弁護士が代理で対応することで、適切な賠償金を受け取りやすくなります。

まとめ

後遺障害逸失利益は、交通事故後の賠償請求において重要な要素の一つです。減収が発生していない場合でも、将来的な収入減少のリスクがある場合には逸失利益が認められる可能性があります。複雑な計算や証拠の立証が求められるため、専門家である弁護士のサポートが役立ちます。事故後の逸失利益について悩んでいる方は、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。

動画での解説もご覧ください

交通事故や後遺障害逸失利益についてさらに理解を深めたい方のために、当事務所では関連する動画解説もご用意しています。ぜひチャンネル登録もご検討ください。


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