【上腕神経叢麻痺】想定される後遺障害等級と主張立証のポイント

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はじめに

交通事故の被害に遭い、上腕神経叢麻痺(じょうわんしんけいそうまひ)という診断を受けた場合、被害者の日常生活や労働能力に大きな影響を及ぼします。この状態は神経系の損傷による運動機能の喪失や感覚異常を伴い、後遺障害が残ることも少なくありません。本稿では、上腕神経叢麻痺の基礎知識と後遺障害等級の解説、さらに適切な等級認定を受けるための主張・立証のポイントを解説します。被害者が適切な補償を受けるための参考にしてください。

Q&A:上腕神経叢麻痺と損害賠償

Q: 上腕神経叢麻痺とはどのような障害ですか?

上腕神経叢麻痺は、肩や腕、手指を動かす神経が損傷し、感覚異常や運動麻痺が生じる状態です。交通事故などで神経が引き抜かれたり切断されたりすることで発症します。

Q: 後遺障害等級とは何ですか?

後遺障害等級とは、交通事故による障害の重さや影響を評価するための基準です。この等級に基づき、損害賠償額が決まります。

Q: 主張や立証が必要なのはなぜですか?

後遺障害等級の認定は、医師の診断書や画像検査の結果を基に行われますが、適切な等級を得るには被害者が症状の実態を具体的に説明し、損害を裏付ける証拠を提出することが重要です。

Q: 弁護士に相談するとどのようなメリットがありますか?

弁護士のサポートにより、必要な書類の準備や保険会社との交渉がスムーズに進み、適切な補償を得る可能性が高まります。

上腕神経叢麻痺とは

上腕神経叢は、肩から指先までの運動機能と感覚を司る重要な神経群です。交通事故では、転倒や激しい衝撃により、神経が引き抜かれたり切断されたりすることがあります。この結果、腕や手が思うように動かせなくなる運動麻痺や、感覚が失われる感覚麻痺が発生します。

主な症状

  • 運動麻痺
    肩、肘、手指が動かない、または動きが制限される。
  • 感覚麻痺
    手や腕にしびれや感覚異常を感じる。
  • 自律神経障害
    異常な発汗や血行不良を伴うことがある。

神経の損傷レベルに応じて、軽度の回復可能な状態から、完全に動作不能となる重度のケースまでさまざまです。

想定される後遺障害等級

交通事故による上腕神経叢麻痺で認定される可能性がある後遺障害等級は以下の通りです。

  1. 5級6号: 肩、肘、手関節、手指のいずれかが完全に用廃(使えない)状態の場合。
  2. 6級6号: 1つの上肢で2関節が用廃となる場合。
  3. 7級7号: 手指全体が用廃となる場合。
  4. 10級10号: 手関節の機能障害がある場合。
  5. 12級6号: 軽度な関節の機能障害が認められる場合。

等級が上がるほど損害賠償額も増加します。したがって、適切な等級を得ることが被害者にとって重要です。

適切な後遺障害等級が認定されるための主張立証のポイント

後遺障害等級の認定を受けるには、以下の点を重視して主張・立証を行う必要があります。

1. 症状の具体性を示す

被害者自身が日常生活で困難を感じている状況を具体的に記録・説明することが重要です。例として、「食事で箸が持てない」「ボタンを留められない」など、生活の中で実感する不便さを記載します。

2. 診断書や画像検査の重要性

適切な等級認定には、医師による詳細な診断書が不可欠です。MRIや神経造影検査の結果を添付し、神経損傷の程度を客観的に証明します。特に、引き抜き損傷の場合は造影剤漏出の画像が有力な証拠となります。

3. 専門的な医学検査を受ける

神経伝導検査や筋電図検査を実施し、麻痺の範囲や回復可能性を医学的に証明します。これにより、保険会社や裁判所に対する説得力が高まります。

4. 適切な証拠を収集する

事故当時の状況を記録した警察の調書や目撃者の証言など、事故の発生状況が分かる証拠を準備します。これにより、損傷が事故に起因することを証明できます。

5. 専門家の意見を活用する

医師やリハビリ専門家の意見書を取得し、損傷の程度や日常生活への影響について第三者の客観的視点を補足します。

弁護士に相談するメリット

弁護士に依頼することで、後遺障害等級認定に向けた効果的な対応が可能です。主なメリットは以下の通りです。

  1. 診断書の内容を精査
    診断書に不足があれば医師に追記を依頼し、認定に有利な資料を整備します。
  2. 保険会社との交渉を代行
    保険会社が提示する賠償額が不当に低い場合、適正額を主張し交渉を行います。
  3. 専門知識による適切な助言
    等級認定の申請手続きや裁判に向けた準備を含め、スムーズな対応をサポートします。

弁護士を通じて交渉することで、被害者が不利な立場に立たされるリスクを軽減できます。

まとめ

上腕神経叢麻痺は、交通事故による深刻な後遺障害の一つです。適切な後遺障害等級を取得するためには、症状や損害を具体的に示し、必要な証拠を整えることが重要です。弁護士のサポートを受けることで、複雑な手続きをスムーズに進め、適正な補償を得る可能性が高まります。お困りの際は、ぜひ当事務所にご相談ください。

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