むち打ちの後遺障害等級認定と異議申立(14級・12級の取得、再審査の手順)

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はじめに

むち打ち損傷(頸椎捻挫)は、外見や画像上の異常が確認しにくい一方で、首の痛み、しびれ、頭痛、めまいなどが長期化しやすく、日常生活や仕事に支障が残るケースも珍しくありません。実際に痛みや神経症状が持続している場合、後遺障害等級(14級9号や12級13号など)が認定されれば、後遺障害慰謝料や逸失利益など示談金が大幅にアップします。しかし、保険会社が「むち打ちは軽傷」「画像所見がないから非該当」として過小評価し、認定が得られないことも多いのが現実です。

本稿では、むち打ちにおける後遺障害等級認定の取得ポイントと、もし非該当(0円)になった場合の異議申立(再審査)の手順を解説します。14級と12級では示談金に大きな差が生じるため、神経学的検査医師の診断書をどのように整備するかが重要となります。また、保険会社の判断に納得できない場合は再申請で逆転が可能な例もあるため、諦めずに取り組むことが大切です。

Q&A

Q1:むち打ちで後遺障害が認定されるには、具体的にどのような条件が必要ですか?

一般的には、3~6ヶ月以上の通院や、症状固定後も「首の痛み、しびれ、頭痛」など神経症状が持続しており、医学的裏付け(神経学的検査陽性、MRI所見など)がある場合が多いです。画像に異常がなくても、神経根症状が確認されれば12級、軽度なら14級に該当する可能性があります。

Q2:14級9号と12級13号では、慰謝料にどれくらい差が出るのでしょう?

裁判所基準で見ると、14級は後遺障害慰謝料110万円前後が目安、12級なら約290万円前後と大きな差があります。また、逸失利益の労働能力喪失率も14級で5%程度、12級で14%程度と認定されるケースが多く、結果的に示談金総額が数百万円変わる場合も少なくありません。

Q3:画像所見がない場合、後遺障害はほぼ認められないのでしょうか?

そんなことはありません。むち打ちの場合、レントゲンやMRIに異常が映らないケースが多いですが、神経学的テスト(ジャクソンテスト、スパーリングテストなど)や医師の客観的所見がきちんと揃えば14級が認められる例も多数あります。保険会社が過小評価するのを防ぐために通院実績症状の一貫性が大切です。

Q4:後遺障害の申請をしたら「非該当」となってしまいました。もう諦めるしかない?

一度非該当となっても、異議申立(再申請)が可能です。医師の追加意見書や検査結果を整え、症状の持続事故との因果関係を再度示すことで、等級が認められた例もあります。弁護士に相談すると、どのような資料を揃えるべきか指導してもらえます。

Q5:異議申立の成功率はどのくらいでしょうか?

一概には言えませんが、新たな医学的証拠(神経学的検査の結果、MRI所見の見直し、医師の詳しい所見など)を十分に準備できれば、成功例もあります。逆に、前回と同じ資料で提出しても覆る可能性は低いといえます。弁護士と連携し、的確に資料を補強することが重要です。

Q6:等級認定後に症状がさらに悪化したら、等級を上げることはできるのですか?

理論上は悪化事由を証明すれば、後遺障害等級の変更を申請できます。ただし、悪化の医学的因果関係や発症時期を立証しづらく、保険会社の反対もあるため、弁護士の助言が必須となります。

解説

後遺障害等級認定の流れ

  1. 症状固定
    • むち打ちの治療(整形外科・リハビリ等)を続け、医師が「これ以上大きな改善は見込めない」と判断した時点で症状固定。
    • 保険会社が早期に症状固定を迫ってきても、医師の判断が最優先。
  2. 後遺障害診断書の作成
    • 症状固定後、医師に後遺障害診断書を書いてもらう。
    • 痛みやしびれの範囲、神経学的テストの結果、事故との因果関係など具体的に記載してもらうことが重要。
  3. 自賠責保険への申請・審査
    • 事前認定(保険会社経由)か被害者請求(被害者が直接)で後遺障害審査を行う。
    • 自賠責の調査事務所が14級、12級などの等級を決定し、異議があれば異議申立や最終的に裁判も選択肢。

14級と12級の差

  1. 14級9号(神経症状が医学的に説明困難だが持続している場合)
    • むち打ちで画像上異常がないが、一定期間真面目に通院し、神経学的検査などで症状の一貫性が認められると、14級が認定されやすい。
    • 後遅障害慰謝料(裁判所基準)で約110万円、逸失利益で労働能力喪失率5%前後が目安。
  2. 12級13号(局部に頑固な神経症状)
    • MRIで神経根の圧迫所見がある、神経学テストが陽性など、痛み・しびれが明確な医学的根拠で裏付けられる場合は12級に認定される可能性あり。
    • 後遺障害慰謝料(裁判所基準)で約290万円が目安、逸失利益の喪失率14%程度で算定されることが多い。
  3. 非該当になる要因
    • 通院頻度が低く、症状経過のカルテ記載が不十分。
    • 医師の後遺障害診断書が簡略で、痛みや神経症状の具体的記載がない。
    • 事故との因果関係が曖昧(数ヶ月経って初受診など)。

異議申立(再審査)の手順

  1. 非該当時の対応
    • 自賠責から後遺障害「非該当」通知を受け取ったら、理由を確認し、どの点が不足しているか弁護士と分析。
    • たとえば「神経学的検査結果が書かれていない」「通院期間が不明瞭」などの欠点を見直す。
  2. 追加証拠の収集
    • MRI再検査神経学テストを再度行う、医師の意見書をもらう、通院日誌など補強資料を整える。
    • 家族や職場の証言も含め、実際の痛みやしびれが日常生活や仕事に支障を来している点を強調。
  3. 再申請の書類提出
    • 新たな医証や意見書を添えて異議申立書を作成し、再審査を依頼。
    • 提出後、数ヶ月かかる場合もあり、最終的に等級認定が上がることがある。

弁護士に相談するメリット

  1. 後遅障害診断書の最適化
    弁護士が医師と連携し、「痛みやしびれ」「神経根症状」などを具体的に記入してもらうよう助言。
  2. 異議申立のノウハウ
    非該当や低い等級に納得できない場合、裁判例や医学的資料を駆使して異議申立を成功させる。
  3. 示談金アップ
    14級と12級では数百万円単位で示談金が違う。弁護士が12級認定の可能性を追求し、裁判所基準で算定すれば更に増額。
  4. 保険会社との交渉
    「画像に異常がないから非該当」という保険会社の主張に対し、神経学的テストや症状経過を根拠に正当な評価を要求。
  5. 弁護士費用特約
    むち打ちの後遺障害認定でも特約があれば費用負担ゼロまたは大幅に軽減して依頼可能。

まとめ

むち打ちの後遺障害等級認定では、

  • 14級9号
    画像所見なしでも痛み・しびれが持続、神経学的検査等の裏付けがあれば認定
  • 12級13号
    MRIで神経根圧迫などより明確な医学的根拠がある場合、認定可能性が高い
  • 非該当時の異議申立
    追加の検査や意見書を揃え、再審査を行えば逆転の望みあり

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、むち打ちが非該当となり示談金が少なく済まされそうな被害者をサポートし、異議申立や医師の意見書取得を通じて14級・12級への認定を勝ち取る実績を持っています。保険会社の判断に納得できない場合、ぜひ早期にご相談ください。

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