腕・肘の骨折(上腕骨・尺骨・橈骨骨折の後遺障害、関節可動域への影響)

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はじめに

交通事故で腕(上腕)や前腕(尺骨・橈骨)、肘関節を強打すると、上腕骨骨折尺骨・橈骨骨折をはじめ、肘関節の骨折や脱臼など多様なケガを負うリスクがあります。腕は物を持つ曲げ伸ばしして生活動作を行うなど日常生活に不可欠な機能を担っているため、骨折後に関節可動域が制限されると、仕事や家事に大きな制限を残すことが珍しくありません。また、骨折片が神経を損傷し、しびれ筋力低下が長期化する例もあり、後遺障害として12級〜7級などの等級が想定されます。

本稿では、腕・肘の骨折(上腕骨・尺骨・橈骨骨折)に伴う後遺障害関節可動域への影響を解説します。事故後に肘が曲がらない手首が回せないなどが続く場合、適切な手術・リハビリを行わないと後々まで障害を残す恐れが高いため、早期から医師と弁護士へ相談し、保険会社の軽視に対抗することが重要です。

Q&A

Q1:腕の骨折で肘関節が固まってしまうケースはあるのでしょうか?

あります。上腕骨骨幹部骨折や肘周囲の骨折で長期固定不十分なリハビリが続くと、肘関節が拘縮を起こし、屈伸角度が狭くなることがあります。可動域が一定以上失われると12級〜10級の後遺障害が認定される場合があります。

Q2:尺骨・橈骨の前腕骨折で、手首の回内回外(ひねる動き)ができない状態も後遺障害になるのでしょうか?

はい。回内回外(プロネーション・スピネーション)の可動域低下も後遺障害として認められます。骨癒合の際にズレが生じたり、手術固定によって前腕の捻転角度が狭まると12級13号あたりが検討されます。

Q3:神経を巻き込む骨折とは具体的にどのような状態でしょうか?

骨片腫脹が上腕の橈骨神経・尺骨神経、前腕の正中神経・尺骨神経等を圧迫・断裂するケースです。結果としてしびれ手指の巧緻運動低下手首背屈不可など後遺障害が残る可能性が高くなります。

Q4:腕の骨折で1年以上リハビリが必要ですか?

複雑骨折や関節内骨折などの場合、関節可動域を取り戻すために1年以上リハビリが続くケースは珍しくありません。保険会社の3〜6ヶ月程度で治るという見方は実情と異なり、弁護士が医師の所見を活用し治療打ち切りを防ぐことがよくあります。

Q5:腕が曲がらなくなったり、手首が回せなくなったら、具体的にどの等級が想定されるのでしょう?

肘や手首の可動域制限は12級〜が適用されます。詳細は医師の測定結果次第です。

Q6:主婦が腕を骨折して包丁が握りにくい、洗濯物を干せないなど支障が大きい場合、逸失利益は認められますか?

認められます。家事労働の逸失利益として、賃金センサス女性労働者平均などを基礎収入に計算する仕組みがあり、後遺障害等級に応じて一定の労働能力喪失率が掛け合わされます。弁護士が具体的家事内容を立証すれば大きな賠償金につながります。

解説

上腕骨骨折(肘寄りを除く)

  1. 骨折の種類
    • 近位部骨折は肩関節に影響、骨幹部骨折は神経巻き込みが多い。遠位部骨折は肘関節に近い。
    • 交通事故では斜骨折粉砕骨折が多く、手術固定が必要な場合が多数。
  2. 後遺障害のリスク
    • 肘関節との連動で腕の挙上や屈曲伸展に支障
    • 神経麻痺(橈骨神経など)
    • 変形治癒や骨短縮

尺骨・橈骨骨折(前腕骨折)

  1. 両骨骨折
    • 交通事故で強い外力が加わり、尺骨と橈骨が同時に折れる → 不安定骨折で手術が必要。
    • リハビリを怠ると回内回外や肘・手首の動きが拘縮、12級など後遺障害認定。
  2. 単独骨折
    • 橈骨遠位端骨折(コーレス骨折)など → 手首可動域制限が残る例多し。
    • 保存療法でもズレが大きいと変形治癒で「手首が曲がらない」
  3. 神経合併損傷
    • 骨片が正中神経・尺骨神経を傷付け → 指のしびれ、巧緻動作困難

肘周辺の骨折・関節可動域への影響

  1. 肘関節内骨折
    上腕骨の遠位端骨折や橈骨頭骨折、肘関節脱臼合併など → 関節が複雑に破壊され可動域制限が顕著に残る。
  2. 可動域制限の評価
    肘の屈曲伸展角度、前腕の回内回外角度を計測

弁護士に相談するメリット

  1. 治療打ち切り防止
    長期リハビリが必要な腕・肘の骨折 → 弁護士が医師の意見書を提示し、保険会社の早期打ち切りを防ぐ。
  2. 後遺障害診断書の充実
    可動域測定結果(屈曲伸展、回内回外など)や痛み・しびれの程度を詳細に記載 → 12級〜など上位認定狙い。
  3. 神経症状の立証
    MRIや神経伝導検査で麻痺・しびれを客観的に証明 → 9級の可能性も出てくる。
  4. 家事・仕事影響の大きさを示す
    弁護士が具体例を示し、逸失利益や家事労働損害を高めに算定 → 示談金増額につなげる。
  5. 弁護士費用特約
  6. 腕・肘骨折で示談金数百万円〜1千万円超となる例多々 → 特約で費用負担を軽減して依頼 → 大幅な増額分を受け取れる。

まとめ

腕・肘の骨折(上腕骨・尺骨・橈骨骨折)では、

  • 上腕骨骨折:肩可動域・肘運動障害
  • 尺骨・橈骨骨折:回内回外、手首可動域制限、骨短縮・変形
  • 肘関節内骨折:屈伸角度失われる  
  • 神経損傷:しびれ・麻痺
  • 弁護士介入:追加検査・リハビリ継続、後遺障害申請で示談金大きくアップ

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、腕・肘骨折で可動域制限やしびれが残った被害者の方に対し、正確な診断書作成や裁判所基準での交渉により、高位等級大きな逸失利益を認めさせる実績が多くあります。事故後に腕の痛みや動きの悪さが続く場合は、ぜひ早期にご相談ください。

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