Archive for the ‘脊椎損傷’ Category
脊椎損傷の代表的な事例(高額賠償、介護費用の認定など)
はじめに
交通事故で脊椎(背骨)を損傷すると、骨折・椎間板損傷・神経根圧迫・脊髄損傷など多様な症状が発生するリスクがあります。これらが後遺障害として残った場合、保険会社との示談交渉や裁判で高額賠償が認められる例は少なくありません。特に、介護が要るレベル(常時介護・随時介護)の脊髄損傷や、神経症状が強い腰椎ヘルニアなどで12級~1級の後遺障害が認定されると、数千万円~1億円超もの賠償金が支払われる裁判例もあります。
本稿では、脊椎損傷にまつわる代表的な裁判例や高額賠償が認められたケース、介護費用がどのように算定されるかなどを紹介し、どのようなポイントで裁判所は損害賠償を増額したのかを探ります。保険会社の初回提示が低くても、裁判所基準で論じれば数倍以上に増える事例も多いのが脊椎損傷の特徴です。被害者が後遺障害等級や介護費認定で不利にならないためにも、類似の事例を理解しておくことが重要です。
Q&A
Q1:脊椎損傷で1億円クラスの賠償が認められたケースが実際にあるのでしょうか?
はい。脊髄損傷で四肢麻痺となり、介護費や家屋改造費、将来逸失利益を含めると1億円を超える判決が出た事例があります。若年者ほど労働可能年数が長く、介護費も長期に及ぶため金額が大きくなりやすいです。
Q2:骨折だけでなく、神経症状が長引くケースでは、どのくらいの賠償が認められていますか?
軽度の圧迫骨折で慢性腰痛や下肢しびれが残り、12級や9級に認定されて総示談金が数百万円〜数千万円になるケースがあります。神経症状が強いと、賠償金が1,000万円以上に跳ね上がる場合も珍しくありません。
Q3:介護費用が1日6,000円とか1日1万円とか聞きますが、どんな基準で裁判所が認めているのですか?
常時介護が必要なレベル(1級〜2級)なら、家族介護でも日額6,000円〜8,000円、または1万円程度が認められるケースがあります。プロ介護を利用する場合は実費をベースに算定します。
Q4:判例では、脊椎損傷による可動域制限や姿勢制限が重視されることがありますか?
はい。腰椎・頸椎の可動域制限が残ると、14級や12級など後遺障害等級で評価されます。裁判所は仕事や日常生活にどれだけ不便を強いられるかを考慮し、傷害慰謝料や後遺障害慰謝料を増やすケースがあります。
Q5:脊椎損傷で高次脳機能障害を合併していた事例はありますか?
あります。大きな衝撃で脊椎と脳の両方に外傷を負ったケースで、四肢麻痺と記憶障害・注意障害を併発し、併合1級や2級になり1億円近い賠償が認められた事例も報告されています。弁護士が脳外傷専門医と連携して発覚した例もあります。
Q6:判例を引用して保険会社と交渉すると、実際に示談が有利になるものですか?
有効です。保険会社は裁判例を熟知していますが、被害者側が具体的な判例を示し「同様の状況ならこれだけの賠償が認められた」と主張することで、示談で譲歩してくるケースが多いです。弁護士が判例データベースから類似事例を提示するのが有効です。
解説
高額賠償が認められるケース
- 頸椎骨折+脊髄損傷で四肢麻痺(1級)
- 20代男性が追突事故で頸椎脱臼骨折、脊髄損傷を負い、呼吸補助が必要なレベルの四肢完全麻痺に。
- 介護費用(家族介護orプロ介護)を生涯にわたって要するため、将来介護費は1日1万円×年数、自宅のバリアフリー改造費や車いすリフト車両費なども認定。
- 腰椎圧迫骨折+神経症状(9級併合)
- 30代女性、転倒事故で腰椎圧迫骨折を負い、下肢しびれや歩行困難が残存。MRIで神経根圧迫が確認された。
- 後遺障害9級→労働能力喪失率35%と判断される。
- 胸椎骨折+下肢麻痺(5級)
- 高速道路での衝突事故により胸椎破裂骨折、脊髄が部分的に損傷 → 両下肢不全麻痺。
- 車いす移動は可能だが介助が一部必要な状況(5級)。逸失利益や介護費、家屋改造費が加算される。
- 被害者が自営業だったため、年収ベースで逸失利益が高額に。
介護費用が認められるケース
- 常時介護を要する脊髄損傷(1級〜2級)
- 家族が24時間介護する場合でも、1日あたり6,000〜8,000円(例:7,000円)で将来分をライプニッツ係数で計算 → 数千万円規模。
- プロ介護なら看護師やヘルパーの費用をベースに、さらに高額になる例も。
- 部分介護(随時介護)
- 3級〜5級あたりで日常の一部を介助してもらう必要がある場合は1日4,000〜6,000円程度が目安。
判例活用と示談交渉
- 弁護士が判例を提示
- 類似の事故態様・傷病名・後遺障害等級の裁判例を引用し、保険会社に「裁判になればこれだけの金額が認められる」と交渉カードに。
- 保険会社は裁判のリスクを避けるため、示談で譲歩して高めの賠償金に応じることが多い。
- 医師の意見書・専門医の知見
- 「なぜこの被害者はこの等級に該当するか」「介護はなぜ常時必要か」など医学的裏付けを強化。
- しびれや麻痺が目立たない軽症例でも、神経学的検査で客観的に示せば12級や9級も十分可能。
- 異議申立で判例を参照
- 後遺障害が非該当や低い等級となった場合も、弁護士が過去の判例を引き、「同程度の症状で12級認定されたケースがある」と異議申立 → 結果が覆る例もある。
弁護士に相談するメリット
- 判例データベースの活用
弁護士は膨大な判例を検索し、類似事例をピックアップ。保険会社に高額判例を提示し、示談金アップを狙う。 - 医師と共同で損害立証
レントゲン・MRI・CT所見や神経学的検査を取りまとめ、後遺障害診断書を充実化。判例を踏まえた等級申請を行う。 - 介護費・家屋改造費の認定
判例から常時介護の相場やバリアフリー改造費を導き、保険会社が過小評価しないよう論証。 - 示談or裁判で高い賠償
裁判視野で裁判所基準を提示すると、保険会社が低提示を撤回する例が多い。 - 弁護士費用特約
脊椎・脊髄損傷で高額化が見込まれるなら、費用特約でリスクなく依頼し、大幅な示談金増を目指す。
まとめ
脊椎損傷で高額賠償が認められたケースでは、
- 重度脊髄損傷
→ 1級〜2級認定、1億円前後の賠償事例もあり - 腰椎圧迫骨折+神経症状
→ 9級~12級で数千万規模の逸失利益を認めたケース - 介護費
→ 家族介護でも日額6,000〜8,000円、プロ介護なら実費ベース - 家屋改造費
→ 数十万〜数百万円が判例で認められること多い
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎損傷の事案で豊富な判例データを用い、裁判所基準を踏まえた交渉で保険会社の過小評価を払拭するサポートをしています。事故後に首・腰・背中の痛みや麻痺が長期化する場合は、判例から学び得る高額賠償の可能性を踏まえ、ぜひお早めにご相談ください。
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脊椎損傷の場合の逸失利益と慰謝料相場(労働能力喪失率の高さ)
はじめに
交通事故で脊椎(背骨)を損傷した場合、首・背中・腰の痛みや神経症状が長期化するだけでなく、骨格そのものの安定性や神経機能のダメージにより、労働能力が大きく損なわれることが珍しくありません。特に、神経根や脊髄が圧迫・損傷されると、しびれや麻痺が生じ、重い物を持てなくなる、長時間立ち仕事ができないなど、実質的に仕事の選択肢が制限される可能性が高くなります。こうしたケースでは逸失利益(本来得られた収入の損失)が非常に大きく、慰謝料も高額になる傾向があります。
本稿では、脊椎損傷における逸失利益や慰謝料相場を、労働能力喪失率や後遺障害等級の観点から整理します。保険会社の初回提示では「画像所見が軽微」などと過小評価されがちですが、実質的な職業制限や日常生活の支障を総合的に示すことで、裁判所基準に近い高額示談金を得ることが可能です。医師や弁護士との連携を図り、後遺障害認定と賠償の正当評価を目指しましょう。
Q&A
Q1:脊椎損傷でしびれが残る場合、どのくらい労働能力喪失率が認められるのでしょうか?
後遺障害等級(14級、12級、9級など)によって労働能力喪失率が異なります。たとえば14級で5%、12級で10%〜14%、9級で35%、7級で56%など。実際の認定はケースバイケースですが、神経症状が強いほど高率になる可能性があります。
Q2:逸失利益はいつまでの期間で計算されるのですか?
一般に67歳までが基準ですが、被害者の年齢や職種によっては70歳までや定年後継続勤務を考慮する場合もあります。高齢者や自営業者、会社役員なども、それぞれの就労実態を踏まえて計算します。
Q3:圧迫骨折で軽度の腰痛が残っただけでも逸失利益が認められますか?
はい、14級〜12級などが認定されれば、労働能力が5%〜14%程度失われたと評価される可能性があります。職種によっては実際に作業制限があり、賃金ダウンや転職を余儀なくされるケースもあり、逸失利益が算定されます。
Q4:慰謝料について、脊椎損傷で神経症状がある場合はどのくらいアップするのでしょう?
神経症状があるかどうかで後遺障害慰謝料が大きく変動します。例えば裁判所基準で14級の後遺障害慰謝料は約110万円、12級だと約290万円、9級なら約690万円が目安。これに傷害慰謝料やその他損害を加えると総示談金はさらに増えます。
Q5:労働能力喪失率が高いと、示談金はどのくらい変わりますか?
喪失率が高いほど逸失利益が大きくなり、数百万円〜数千万円の差が生じることもあります。たとえば14級の5%と9級の35%とでは7倍の開きがあり、結果的に示談金総額で1000万円以上違う例も珍しくありません。
Q6:弁護士に依頼すれば、保険会社提示からどのくらい上積みを期待できますか?
事案によりますが、保険会社は任意保険基準で低めに提示しがちで、弁護士が裁判所基準を適用すれば2倍〜3倍以上の増額に成功する例は多々あります。脊椎損傷で後遺障害が認められれば、数百万円以上の上乗せも十分狙えます。
解説
逸失利益の算定フロー
- 後遺障害等級の確定
- まず症状固定し、脊椎損傷で何級に該当するか自賠責や労災(または厚労省基準)で認定される。
- 頚椎圧迫骨折やヘルニアで14級〜12級、腰椎神経根圧迫で9級〜7級、脊髄損傷で1級〜5級など。
- 労働能力喪失率の決定
- 等級ごとに目安があるが、個別の職種や医師の所見により増減。
- 例:14級で5%、12級で10〜14%、9級で35%、5級で90%等。
- 基礎収入 × 喪失率 × 就労可能年数 × ライプニッツ係数
- 年収(または賃金センサス)をベースに、労働能力喪失率と年数を掛け、将来の収入減を一括計算し、現在価値に割り引き。
- 専業主婦なら家事労働を賃金換算した値(賃金センサス女性全年齢平均など)を基礎収入とする。
- 過失相殺や将来介護費との総合調整
- 被害者側にも過失があれば過失割合で減額。逆に将来介護費や家屋改造費が加算される場合も。
- 弁護士が保険会社と示談交渉や裁判で最終金額を確定。
慰謝料相場(傷害慰謝料+後遺障害慰謝料)
- 傷害慰謝料(入通院分)
- 裁判所基準で通院期間や治療内容に応じて算定。例えば1年通院なら100万〜150万円前後が目安。
- 保険会社は任意保険基準で低額を提示しがちだが、弁護士が交渉すれば大幅増額の余地あり。
- 後遺障害慰謝料
- 1級〜2級なら2800万円超、3級〜5級で1900万〜2200万円前後、9級で600万〜700万円台、12級で290万円前後、14級で110万円前後が赤い本の目安。
- 神経症状や排尿障害など重篤度によって変動するが、脊椎損傷は高位等級になりやすい。
- その他
- 近親者慰謝料(重度麻痺など家族の苦痛が大きい場合)、死亡した場合は別途死亡慰謝料などが考慮される。
保険会社の過小評価への対策
- 「画像上異常軽微」主張
- 骨折が軽度の場合、保険会社が「たいした損傷でない」と言いがちだが、神経症状や姿勢制限で働けなくなる例は多い。
- 弁護士が神経学的テストや通院実績をもとに「痛みやしびれが長期化」と提示し、高位等級認定を狙う。
- 「加齢性変性」説
- 事故前から椎間板が変性していたと保険会社が主張し、因果関係を否定しようとするパターン。
- 弁護士が事故前の状態(痛みなし)を証明し、医師の意見書で「事故による症状発症」と整理。
- 後遺障害診断書の書き方
- 医師が簡素な記載だと「非該当」や低い等級になる。弁護士が医師と相談し、具体的な痛み・可動域・神経所見を記載させる。
- 不十分な場合は異議申立で追記を求め、逆転認定を目指す。
弁護士に相談するメリット
- 逸失利益と慰謝料を最大化
脊椎損傷で仕事制限が大きいほど労働能力喪失率が高くなり、示談金が数百万〜数千万レベルで変わる。 - 医師との連携で後遺障害認定
画像所見+神経学的テストを重視し、12級や9級など上位等級を獲得できるようアドバイス。 - 保険会社打ち切り防止
長期リハビリや手術が必要でも、弁護士が医学的根拠を示し、治療費継続を主張。 - 介護費・家屋改造費も含めた交渉
重度麻痺・排尿障害なら将来介護費やバリアフリー改造を示談金に加算し、1億円級賠償を狙う。 - 弁護士費用特約
脊椎損傷で高額になるほど特約メリット大。費用負担なしで示談金アップを実現。
まとめ
脊椎損傷の場合、逸失利益と慰謝料が非常に大きくなる可能性があり、
- 労働能力喪失率
しびれや痛み、可動域制限で業務制限 → 14級で5%、12級で14%、9級で35%など - 後遺障害慰謝料
等級次第で数十万〜数千万円(1級〜2級なら1億円規模も) - 医師の意見書・画像検査
神経根圧迫や椎間板損傷を正確に示し、高位等級を狙う - 保険会社の過小評価
軽度扱いされないよう弁護士と連携して交渉
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎骨折や神経症状が残るクライアントの労働能力喪失率を最大限高く評価させ、逸失利益や慰謝料を大きくアップさせる交渉を数多く手がけています。事故後、仕事や生活に不安を感じる場合は、ぜひ早期にご相談ください。
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重度脊髄損傷による高次脳機能障害の合併リスク
はじめに
交通事故で脊椎(背骨)を強く損傷し、脊髄にも重大なダメージを受けた場合、下半身や四肢の麻痺だけでなく、脳への衝撃が加わっているケースも考えられます。とくに激しい衝撃で頭部が揺さぶられた場合、高次脳機能障害を合併するリスクがあり、事故後に記憶障害や注意力低下などの認知機能障害が生じることがあるのです。脊椎・脊髄損傷の治療に注力するあまり、この脳機能障害が見落とされ、後遺障害の認定や示談金において不利になる被害者も少なくありません。
本稿では、重度の脊髄損傷によって頭部衝撃の可能性が高まるメカニズムを踏まえ、高次脳機能障害との合併リスクを解説します。脳と背骨は一見独立した部位に思われがちですが、強い全身衝撃が脳にも及んでいる場合があるため、事故後の通院・検査では脳外傷を視野に入れた診断が重要です。保険会社は「脊椎損傷以外の症状は別物」と扱いがちですが、実際には脳と脊髄の両方が損傷しているケースもあります。
Q&A
Q1:脊髄損傷があると、なぜ高次脳機能障害の合併リスクが高まるのですか?
脊髄損傷を伴うほどの強い衝撃は、全身が大きく揺さぶられる事故形態であることが多いため、頭部も衝撃を受けている可能性が高いのです。特に頸椎損傷の場合、頭部に急激な前後・回旋運動が起きて脳が揺れることで高次脳機能障害を生じるリスクがあると考えられます。
Q2:実際に脊椎損傷と高次脳機能障害を同時に負うケースは多いのでしょうか?
軽度例は統計が整備されていませんが、重度の脊髄損傷で頸椎骨折を伴う場合、頭部にも何らかの衝撃が加わり軽度外傷性脳損傷(TBI)が隠れているケースは少なくありません。後に記憶障害や集中力低下などが顕在化し、高次脳機能障害と診断される例があります。
Q3:脊髄損傷だけに集中していたら、脳機能検査を後回しにされてしまうことがあるのですか?
はい。生命の危機や四肢麻痺に注目が集まり、脳神経外科や神経心理学的検査が行われないまま退院することも珍しくありません。そこで事故後数ヶ月してから「頭がぼんやりする」「記憶が落ちた」と自覚し、改めて検査した結果、高次脳機能障害が発覚するケースがあります。
Q4:もし事故後に頭痛や物忘れがあるなら、どんな検査を受ければいいですか?
MRI(頭部)で脳実質の出血や微小損傷、萎縮をチェックし、神経心理学的検査(WAIS-Ⅳ、WMS-Rなど)で認知機能(記憶・注意・遂行機能)を客観的に評価します。脳外傷専門の医師や臨床心理士がいる施設へ相談するのが望ましいです。
Q5:脊椎損傷と高次脳機能障害が同時に認定された場合、後遺障害等級はどうなるのですか?
併合等級の考え方が適用されます。等級が上がるほど示談金や介護費用も大きく認められます。
Q6:脊椎損傷と脳損傷を同時に主張すると、保険会社に「別々の損傷」と言われそうですが…。
事故形態や症状の総合性をしっかり説明し、「強力な衝撃で脊椎のみならず頭部も揺さぶられた」と因果関係を示すのが大切です。弁護士が専門医の意見書や神経心理学的検査結果を取りまとめ、併合等級を狙い保険会社の反論に対処します。
解説
脊髄損傷があるほどの衝撃と頭部への影響
- 頸椎の骨折・脱臼での頭部動揺
- 後方からの強い追突や転落事故などで頸椎を破壊するほどの衝撃が頭部にも伝わり、脳が急加速・減速する。
- 軽微な頭部外傷でも軸索が微小断裂を起こし、高次脳機能障害を発症する可能性(びまん性軸索損傷の軽度版など)。
- 全身の大きな揺れ
- 背骨が折れるほどのエネルギーが身体全体を動揺させ、脳も頭蓋内で衝突(クー・コントレクー損傷)を起こしうる。
- 見た目は脊椎中心の怪我でも、後に記憶障害や注意障害が判明する事例がある。
高次脳機能障害の合併リスクと見落とし
- 脊椎損傷の治療優先で脳検査を後回し
- 首や腰の手術・リハビリが急務になり、頭部MRIや神経心理学的検査が行われず、外傷性脳損傷が見逃される。
- 「首が痛いから集中力が落ちているだけ」と誤解し、脳外傷に気付かないケースがある。
- 事故後数週間〜数ヶ月で認知症状が顕在化
- 記憶障害、注意力散漫、感情コントロールの失調などが徐々に表れ、本人も家族も気づかないまま時間が経過。
- 示談後に「実は高次脳機能障害だった」と判明しても、追加請求が難しい場合があるので注意が必要。
- 医師・弁護士との連携
- 脊椎損傷が重いほど頭部検査も念のため行うよう、専門医や弁護士が勧めるのがベスト。
- 軽度な脳外傷でも神経心理学検査で認知機能低下が証明されれば併合等級が上がり、賠償金大幅増を狙える。
後遺障害・示談交渉への影響
- 併合等級の高位化
- 例:脊髄損傷で下半身不随(5級)+ 高次脳機能障害(9級) → 併合4級へ格上げ、介護費や逸失利益がさらに増加。
- あえて別々の損傷を「まとめて軽度評価」されないよう専門医が神経症状を区別して書類を作成する必要あり。
- 介護費や車いす、家屋改造
- 重度麻痺と高次脳機能障害が合併すれば介護の難易度が高まり、介護費は1日1万円近く認められる例もある。
- 日常生活すべてでサポートが要るため、バリアフリー改造や車いすのカスタマイズなど多額の費用がかかる。
- 弁護士による医学的根拠整備
- 弁護士がMRI、神経心理学検査の結果を医師から取得し、両方の損傷を示談交渉の根拠に含める。
- 保険会社は「脳損傷は関係ない」と切り分けがちだが、事故の衝撃全体が原因と論理的に示すことで併合等級を確保。
弁護士に相談するメリット
- 専門医への橋渡し
弁護士が脊椎・脊髄分野だけでなく脳神経外科にも詳しい医師を紹介し、MRI・神経心理学検査の追加を提案。 - 併合等級を目指す
脊髄損傷による下半身麻痺などの障害に加え、高次脳機能障害(9級〜7級等)も認定されれば、上位等級に繰り上がり示談金が飛躍的に増える。 - 早期打ち切り対策
首や腰の治療のみで頭部検査をせず、保険会社が3〜6ヶ月で打ち切る流れを止める。弁護士が「まだ脳外傷の疑いがある」と医学的根拠を提示し、検査費用負担を認めさせる。 - 総合賠償
併合等級により介護費、家屋改造費、将来逸失利益を高額で認めさせる。1億円級となる事例も稀ではない。 - 弁護士費用特約
脊椎・脊髄損傷と高次脳機能障害の合併は非常に高額化するため、特約があれば費用リスクゼロで依頼できる大きなメリット。
まとめ
重度脊椎損傷によって、
- 頸椎・脊髄に強い衝撃
→ 四肢麻痺などの神経障害 - 頭部も揺さぶられる
→ 高次脳機能障害(記憶障害・注意障害・遂行機能障害など)合併リスク - 併合等級により示談金が大幅アップ
- 保険会社は「脊椎のみの損傷」扱いにしがち → 医学的検査で脳外傷を見逃さず、併合を狙う
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎損傷と脳外傷を併発したケースで実績があり、MRI・神経心理学的検査を含む医学的根拠を整備し、重度の併合等級を目指して保険会社と交渉しています。もし首・背中だけでなく頭痛や記憶力低下を感じる場合は、早期にご相談ください。
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職業復帰・日常生活への影響(介護・バリアフリーの必要性など)
はじめに
交通事故で脊椎(背骨)を損傷すると、骨折や椎間板の損傷、神経根や脊髄へのダメージが残るなど多様なリスクが生じます。単に痛みが長引くだけでなく、運動機能の低下やしびれ、場合によっては排尿障害や下肢麻痺に至るケースも少なくありません。とりわけ事故後の職業復帰や日常生活に大きな支障をきたすと、被害者は経済的負担に加え、家族への介護負担や住環境の改造など総合的な再建が迫られます。
本稿では、脊椎損傷が被害者の職業復帰や日常生活にどのような影響を与えるか、また介護が必要になったり、バリアフリー改造が避けられない場合にどんな対応・補償が考えられるかを解説します。保険会社は「軽度の圧迫骨折」「加齢による腰痛」とみなしがちですが、実際の労働能力や家事労働への影響を正当に評価させるには、医師や弁護士との綿密な連携が重要です。
Q&A
Q1:軽度の圧迫骨折と診断されましたが、痛みが強く仕事を続けるのがつらいです。会社を辞めるか悩むのですが…
焦って退職する前に、医師と相談してリハビリ継続や休業を利用する、会社に業務軽減やデスクワーク転換を要望するなど選択肢があります。弁護士に依頼すれば休業損害の増額や逸失利益の請求を検討でき、将来的な賠償金も踏まえた判断がしやすくなります。
Q2:腰椎骨折で軽度の神経症状があり、家事労働が制限されます。主婦でも逸失利益を認めてもらえますか?
はい、主婦(家事従事者)でも家事が一定期間行えない、あるいは大幅制限されれば、家事労働の逸失利益として賠償請求が可能です。後遺障害等級(14級〜12級など)を取得すれば、その分の休業損害や逸失利益が認められる場合があります。
Q3:重度の脊髄損傷で車いす生活になったら、家や車の改造費用も保険会社に請求できるのでしょうか?
はい、家屋改造費(段差の解消、手すり設置、スロープ設置など)や車いす対応自動車の改造費などは、後遺障害の程度によって損害項目として認められる可能性があります。判例では数十万円〜数百万円の家屋改造費が認められた例も多数あります。
Q4:親が重度麻痺で自力で動けず、家族が24時間介護しています。家族介護費用はどう扱われるのですか?
重度脊髄損傷などで常時介護が必要な場合、家族が無償で介護している場合でも家族介護料として日額6,000〜8,000円程度が認められるケースがあります。家族が負担し続けるのは大変なため、示談交渉で長期的な家族介護費を請求することが可能です。
Q5:職場復帰後も、仕事量を減らしたり転職を余儀なくされたら、その分の賃金減少も賠償してもらえますか?
はい。事故が原因で賃金が下がる、または職種転換による収入ダウンが続く見込みなら、その差額を逸失利益として示談金に盛り込めます。等級認定(12級、9級など)で労働能力喪失率を設定し、賃金センサスも活用して算定します。
Q6:介護やバリアフリーの問題は、後で示談済みだと追加請求できないと聞きました。いつ交渉すればいいのですか?
示談締結前にすべての将来費用を見積もり、一括請求する必要があります。示談後に「実は車いす生活が必要になった」と追加請求は原則不可です。弁護士と相談し、症状固定の段階で医師と連携して将来の介護・家屋改造費などを包括的に算定するのが理想です。
解説
職業復帰の課題
- リハビリと職場の調整
- 脊椎骨折や神経障害がある場合、理学療法・作業療法で痛み軽減や筋力回復を図りながら徐々に勤務を再開。
- 会社側に業務内容変更や時短勤務をお願いすることもあり、雇用主の理解が不可欠。
- 休業損害と逸失利益
- 治療中は休業損害として給与補填を受けられる。症状固定後も労働能力が落ちれば逸失利益を請求し、示談金に反映。
- 認定等級(14級や12級など)が高くなるほど労働能力喪失率が高くみなされ、逸失利益も増加。
- 職種転換・起業
- 重度の身体障害が残った場合、以前と同じ仕事ができなくなる可能性がある。
- 新たな職種や在宅ワークへの転向を検討しつつ、弁護士が逸失利益を評価させるよう交渉する例もある。
日常生活への影響と対応
- 軽度圧迫骨折での慢性腰痛
- 長時間の立位や屈曲動作が苦痛となり、家事・育児を満足にこなせない。
- 主婦(家事従事者)の場合、家事労働の逸失利益が認められ、後遺障害(14級)でも数十万~100万円以上の増額がある。
- 部分的神経障害
- 頸椎損傷で上肢のしびれ、腰椎損傷で下肢の麻痺など、日常の移動や着替えに支障。
- 場合によっては手すり設置、通院介助、生活動作サポートが必要となる。
- 車いす生活・介護
- 脊髄損傷で歩行不能や排泄介助が必要 → 家族介護またはプロ介護サービス利用、家屋改造で段差解消やトイレ改装など必須。
- これら費用を示談交渉で保険会社に承諾させるには、弁護士が医師の所見と見積書などの書類を整備。
- バリアフリー改造
- 玄関スロープ、階段昇降機、幅広ドアの設置などで数十万〜数百万円がかかるケースあり。
- 判例でもバリアフリー改造費が認められる事例多数。長期介護の場合、弁護士が将来費用を含めて請求。
弁護士に相談するメリット
- 症状を踏まえた賠償項目の網羅
痛みやしびれによる職業制限(逸失利益)、家事労働制限(家事代行費)、車いす・福祉用品費、家屋改造費、介護費など、後々漏れがないよう算定。 - 適切な後遺障害等級取得
弁護士が医師と連携し、MRI・CT所見やリハビリ記録をまとめ、12級や9級など上位等級を狙う。 - 打ち切り防止・職場復帰サポート
保険会社の治療費打ち切りを阻止しながら、被害者が社会復帰できるよう休業損害や傷害慰謝料を最大化する。 - 介護費やバリアフリー費
弁護士が実際の介護状況や改造工事見積を収集し、保険会社に将来費用として認めさせる。 - 弁護士費用特約
特約があれば費用負担ゼロで依頼でき、示談金アップ分だけ被害者のメリットが大きくなる。
まとめ
脊椎損傷では、
- 職業復帰
軽度でも長時間労働が困難、配置転換や時短勤務が必要→逸失利益として賃金低下分を賠償 - 家事・育児への影響
腰痛やしびれで日常動作が制限→家事労働逸失利益を請求可能 - 重度麻痺・介護
車いす生活で常時介護が要る場合、家族介護費やプロ介護費、バリアフリー改造費が示談金に含まれる - 弁護士連携
リハビリ計画を医師と共有し、保険会社打ち切り対策や後遺障害申請の準備を進める
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎損傷により仕事や日常で苦しむ被害者の方に、介護費や家屋改造費を含めた総合的な賠償請求をサポートしています。もし事故後に職場復帰が難しい、家事や育児に支障が出ている場合は、早めにご相談ください。
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後遺障害認定における脊椎損傷の評価基準
はじめに
交通事故による脊椎損傷は、骨折・脱臼などの骨格部分の怪我だけでなく、神経障害が残るかどうかで、示談金の金額や後遺障害等級に大きな差が生じます。特に、背骨の変形や神経根・脊髄の圧迫によるしびれ・麻痺・排尿障害などが認められる場合、後遺障害の5級〜14級までさまざまな可能性があり、等級差によって数百万円〜数千万円もの示談金格差が生まれるのです。
本稿では、脊椎損傷での後遺障害認定がどのように行われるか、評価基準を整理します。骨折や椎間板損傷、神経根症状、脊髄麻痺など、症状の種類や重症度に応じて等級が異なるため、どんな検査や医証が必要かを理解しておくことが重要です。適切な等級を勝ち取るためにも、医師と弁護士との連携で見落としのない評価を行い、保険会社の過小評価を防ぎましょう。
Q&A
Q1:脊椎損傷の後遺障害って、具体的に何級に区分されることが多いですか?
ケースバイケースですが、軽度の圧迫骨折や椎間板損傷で日常生活に軽度制限があれば12級、14級が多く、神経根症状が強ければ9級前後、脊髄損傷で四肢麻痺など重度なら1級〜2級、下肢麻痺なら3級〜5級と認定される可能性があります。
Q2:脊椎の変形(後弯変形など)が残れば、痛みがなくても後遺障害に該当するのですか?
後遺障害の判定では骨の変形や配列異常が明確な場合、たとえ痛みが軽くても「外観的にまたは機能的に障害を残す」とみなされ、12級や11級が認められる例があります。痛みだけではなく、形態異常も評価の対象です。
Q3:しびれや麻痺がある場合、等級はどう変わるのでしょう?
しびれや麻痺の程度と範囲で大きく変わります。神経根症状が軽度なら14級、MRI所見等で神経圧迫が明確なら12級や9級、下肢・上肢の麻痺が重度で介護が必要なレベルなら5級〜1級と高位の認定が見込まれます。
Q4:痛みやしびれが長期化しているのに、画像上は異常なしでも後遺障害は取れるのでしょうか?
取れる可能性はあります。医学的に説明可能な神経学的検査結果や、一貫した症状経過が証明できれば14級9号で認定される例は多いです。ただし、画像所見や医師の意見書を整えることが重要となります。
Q5:手術してボルト固定したら、可動域制限で後遺障害認定されることはありますか?
はい。脊椎固定術などで背骨の可動域が大幅に制限されれば、その程度に応じて腰椎の可動域制限や頸椎の可動域制限として後遺障害が認定される場合があります。術後のリハビリ成果によって等級が変わることも多いです。
Q6:保険会社が「加齢による変性だから事故は無関係」と主張する場合、どう対抗すればいいですか?
事故前には痛みやしびれがなかったという事実や、事故直後から症状が始まった経緯などを主張し、医師の所見(画像比較など)で「事故によって症状が発症・悪化した」と示すのが有効です。弁護士が過去の判例も参照し、因果関係を立証します。
解説
主な後遺障害等級のパターン
- 1級・2級(常時介護を要する脊髄損傷)
- 頸髄損傷で四肢麻痺、呼吸補助が必要、車いすだけでなく介護者の常時介助を要するレベル。
- 賠償金が1億円近くなる判例もあり、介護費用や家屋改造費、近親者慰謝料など多岐にわたる損害が加算。
- 3級・4級(随時介護を要する高位脊髄損傷)
- ある程度自力で動けるが、日常生活で随時介助が必要な脊髄損傷。
- 自動車運転は困難、歩行も部分的に支援が必須など、下肢麻痺や排尿障害が顕著。
- 5級〜9級(高度な労働能力喪失、下肢麻痺・強い神経症状)
- 下肢に重度の麻痺・筋力低下があり、杖や装具がないと歩行困難。腰痛が重篤で肉体労働不可など。
- 会社員でも職種転換や賃金ダウンが避けられず、逸失利益が数千万円クラスに。
- 12級・14級(軽度圧迫骨折や神経症状)
- MRIや神経学的検査で腰椎・頸椎に軽度の変形や神経根圧迫を確認。痛み・しびれ持続。
- 14級は「画像上はっきりしないが神経症状が続く」場合にも認定可能で、一貫した症状経過が鍵。
評価の要素
- 画像所見(レントゲン・CT・MRI)
- 骨折・変形があれば骨折の程度、椎間板が突出していればヘルニア、神経や脊髄の圧迫状態をMRIで確認。
- 軽度でも、症状と画像が整合すれば後遺障害が認定される。
- 神経学的検査・可動域測定
- しびれや麻痺がある場合、ジャクソンテスト・スパーリングテストなど頸椎特有の検査、腰椎でもSLRテストなど実施し、陽性結果を後遺障害診断書に記載。
- 可動域制限があるなら、動作角度を測って数値化し、関節可動域制限の等級に該当しないか検討。
- 症状の一貫性・通院実績
- 痛みや麻痺が事故直後から続いているか、中途で途切れず継続しているか、医師のカルテ記載が重要。
- 事故後半年以上経って神経症状が顕著化した場合も、医師の所見で因果関係を補強できれば認定可能。
弁護士に相談するメリット
- 医学的資料の整備
弁護士が専門医や放射線科医と連携し、MRIやCTで判明した脊椎変形・神経圧迫を後遺障害診断書に的確に反映。 - 適切な等級の主張
骨折だけなのか、神経症状もあるのか、可動域制限があるのかなどを総合判断し、12級や9級など上位等級を目指す交渉。 - 打ち切り対策
保険会社が「3ヶ月で十分」と言っても、医師の意見書で「まだ改善の余地がある」「骨癒合途中」「神経症状が残存」と主張し、治療を継続させる。 - 示談金大幅アップ
脊椎損傷は裁判所基準を適用すれば数百万〜数千万レベルの増額が見込まれる。特約があれば費用負担なく依頼可能。 - 再申請・異議申立
非該当・低い等級でも、新たな検査で神経根圧迫が確認されたり、手術後に可動域制限が明確化したりすれば異議申立で逆転を狙える。
まとめ
脊椎損傷の後遺障害認定では、
- 骨折・脱臼・椎間板損傷
→ 画像所見+しびれ・可動域制限の程度で12級・14級など - 脊髄損傷
→ 四肢麻痺や排尿障害があれば1級〜5級と高位等級 - 神経根症状
→ しびれ・筋力低下が一貫して続けば9級〜12級の可能性 - 医師の見解と検査
→ MRI・CTで構造的異常を確認、神経学的テストで症状裏付け
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎骨折や椎間板損傷で痛み・しびれが長引く被害者の後遺障害認定を多数サポートし、保険会社の過小評価を排除して高額示談を勝ち取る実績があります。背中・腰・首の痛みや神経症状が続く方は軽視せず、適切な検査と弁護士連携で後遺障害リスクに備えてください。
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手術・リハビリ・装具療法などの治療方法
はじめに
交通事故で脊椎(背骨)を損傷した場合、骨折や椎間板損傷の程度、神経根・脊髄への影響度合いによって、必要とされる治療方法が大きく異なります。たとえば軽度の圧迫骨折なら装具療法やリハビリで十分回復が見込める一方、神経を圧迫する大きな骨折や椎間板ヘルニア化が認められると、手術が不可避となるケースも。長期リハビリが必要になれば、保険会社が治療費を早期に打ち切ろうとする状況に直面する可能性が高いため、医学的に正しい治療計画と弁護士との連携が重要です。
本稿では、脊椎損傷に対する手術療法、リハビリテーション、装具療法などの治療方法を概観し、どのようなケースでどの治療が選択されるかを解説します。事故後に背骨の痛みやしびれが長期化しそうな方は、早めに専門医の下で最適な治療を受けつつ、保険会社の打ち切りに備えて弁護士との連携を図ることで、後遺障害や示談金の面で不利益を被らないようにすることが大切です。
Q&A
Q1:脊椎の手術とは、具体的にどんなことをするのでしょうか?
代表的には骨折部位の固定(金属プレートやスクリューで椎骨を固定)や、椎弓切除や椎間板摘出で神経圧迫を除去する手術があります。必要に応じて骨移植を行い、脊椎を安定化させます。いわゆる脊椎固定術や除圧術が主流です。
Q2:すべての脊椎骨折が手術になるわけではないのですか?
いいえ。軽度の圧迫骨折や小さな骨欠損で神経圧迫がない場合は、装具療法や保存療法が選択されることが多いです。過度な不安定性や神経症状が顕著な場合にのみ手術が検討されます。
Q3:装具療法ってどんな治療ですか?
腰椎コルセットや頸椎カラーなどの装具を使用し、外部から脊椎を安定させる方法です。骨が癒合するまで脊椎を守り、痛みの軽減や悪化防止を図ります。数週間〜数ヶ月装具を着けて日常生活を送り、必要に応じてリハビリと併用します。
Q4:リハビリはどのくらいの期間続くことが多いのでしょうか?
損傷の部位と重症度により大きく変わりますが、数ヶ月〜1年以上に及ぶことも珍しくありません。神経症状があると、筋力回復や可動域改善に時間がかかるため、長期リハビリが必要となります。保険会社が早期打ち切りを迫る場合も多いです。
Q5:神経根や脊髄への圧迫が軽度でも、しびれが続くことはあるのでしょうか?
はい。軽度の圧迫や椎間板変性でも、しびれや痛みが長引く可能性があります。MRIで小さなヘルニアが見られたり、神経根が部分的に狭窄されるだけでも、慢性的な症状になることがあり、後遺障害認定(12級〜14級)の可能性もあります。
Q6:手術やリハビリが長引くと保険会社が治療費を渋ってきそうですが…。
まさにその通りです。長期入院やリハビリは治療費が高額になるため、保険会社は3〜6ヶ月程度で打ち切りを図ることも。弁護士が医学的根拠を示し、「まだ症状固定できない」と交渉し、治療継続費を認めさせるケースが見受けられます。
解説
手術療法(外科的治療)
- 脊椎固定術(内固定手術)
- 強い不安定性や骨折脱臼がある場合、ボルト・ロッド・プレートなどを使って椎骨同士を固定し、神経圧迫を防ぐ。
- 大掛かりな手術になることもあり、術後は硬膜外ドレーン装着やリハビリが必須。
- 除圧術(椎弓切除・椎間板摘出など)
- ヘルニア化した椎間板や骨片が神経根・脊髄を圧迫している場合、外科的に摘出し除圧する手術。
- 症状が改善する一方、再発や筋力低下のリスクもあり、慎重な術式選択が求められる。
- 骨移植・椎体形成術
- 圧迫骨折などで椎体が潰れた場合、骨セメント注入や骨移植で椎体の高さを保つ方法もある(主に後弯変形を防ぐため)。
- 海外ではBalloon kyphoplastyが行われることもあるが、日本では症例が限られている。
リハビリテーション(保存的治療)
- 理学療法(PT)
- 温熱療法、電気治療、マッサージ、運動療法で筋力回復や痛みの軽減を図る。頸椎・胸椎・腰椎いずれも、周辺筋肉の強化や可動域拡大が重要。
- 長期間の装具着用後は筋力低下が進むため、専門的リハビリが欠かせない。
- 作業療法(OT)
- 日常動作(ADL)の再獲得を目指し、洗面や着替え、家事などを段階的に練習。
- 神経麻痺があるときは、補助具や介護サービスの併用も視野に入れる。
- 装具療法
- 腰椎コルセット、頸椎カラーなどを使って外部固定し、骨癒合が進む間に痛みを抑え悪化を防ぐ。
- 装具の着用期間は数週間〜数ヶ月で、過度に長引くと筋力低下を招くため医師の指示が重要。
- 薬物療法
- NSAIDs(消炎鎮痛薬)、筋弛緩薬、神経症状に対するメチコバールなどを併用。
- 痛みが強いときは神経ブロック注射も検討。
装具・リハビリが長期化する場合の示談交渉
- 保険会社の打ち切り
- 装具を長期間使用していると「大した症状でないのに過剰治療」という主張をされる可能性がある。
- 弁護士が医師の意見書を用いて「まだ骨癒合途中」「神経症状が改善傾向」と示し、治療費継続を求める。
- 後遺障害申請
- 症状固定になった段階で痛み・しびれ・可動域制限が残るなら、後遺障害診断書を提出し、12級〜14級などの認定を狙う。
- 手術後も痛みや神経症状が完全には治らず残存する例は少なくない。
- 介護・車いすなど補助費用
- 脊髄損傷や重度運動障害の場合、車いすや介護サービス、家屋改造が必要。弁護士が費用を損害項目として盛り込み示談金アップを図る。
弁護士に相談するメリット
- 治療費打ち切り防止
医師の診断やリハビリ計画をまとめ、保険会社が「長期通院不要」と主張してきても、弁護士が対抗し治療を続けやすくする。 - 後遺障害認定サポート
手術後の痛みや可動域制限などを診断書に詳細記載してもらい、12級や9級、重度なら5級〜1級まで狙える。 - 介護費・リハビリ費用請求
長期リハビリが必要な場合、弁護士が介護実態を調査し、将来介護費や装具費など含めて高額示談を目指す。 - 異議申立・裁判対応
万が一、低い等級・非該当となっても異議申立や裁判で追加医証を提示して逆転することも検討する。 - 弁護士費用特約
脊椎手術・リハビリが長期化する事案ほど示談金も大きくなるため、特約で費用負担を軽減して依頼でき、実益が高い。
まとめ
脊椎損傷の治療方法には、
- 手術療法
骨折の固定術、椎間板摘出、除圧術など → 神経圧迫除去や脊椎安定化 - リハビリ
理学療法(温熱・電気・運動)、作業療法、長期にわたる筋力・可動域回復 - 装具療法
腰椎コルセット、頸椎カラーなどで外部固定 → 骨癒合と痛み軽減 - 薬物療法・神経ブロック
疼痛管理や神経症状抑制
が挙げられ、症状の進行度や神経症状の有無によって使い分けられます。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、手術や長期リハビリが必要な脊椎損傷の被害者に対し、医師の意見書や画像検査を用いて保険会社の早期打ち切りを防ぎ、後遺障害認定と高額示談を勝ち取る実績を多く有します。背骨の痛みや神経症状が残る場合は軽視せず、ぜひ早期にご相談ください。
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脊椎損傷の画像診断(MRI・CT・X線の使い分け)
はじめに
交通事故で背骨(脊椎)に強い衝撃が加わると、椎骨や椎間板に骨折・損傷が生じるだけでなく、神経根や脊髄を圧迫する二次的ダメージが発生することがあります。適切に治療を進めるには、まずどこをどう損傷しているかを正確に把握する必要がありますが、そのために欠かせないのが画像診断です。しかし一口に画像診断と言っても、X線(レントゲン)・CT・MRIといった複数の検査方法があり、それぞれ確認できる内容が異なります。
本稿では、脊椎損傷における画像診断として「X線・CT・MRIをどのように使い分けるか」を解説します。交通事故後に背中や腰、首の痛みが続くときに、なぜ複数の検査を行うのか、どのような所見を得られるのかを理解しておけば、後遺障害のリスクや治療方針をより明確にでき、保険会社との示談交渉にも有利に働くでしょう。
Q&A
Q1:X線(レントゲン)は骨折の有無を見るのに使われると聞きますが、脊椎損傷でもまずレントゲンを撮るのが普通ですか?
はい。レントゲンは撮影が簡易で、骨折や椎体の配列異常をすぐに把握できるため、第一段階の検査として行われることが多いです。ただし、軟部組織(椎間板・神経・筋肉)には弱く、微細な骨折や軽度の圧迫を見逃す可能性もあります。
Q2:CTはレントゲンと何が違うのでしょう?
CTはX線を多数の断面で撮影し、コンピュータ処理で3D的に再構成する検査です。レントゲンよりも骨折形状や小さな骨片、骨の変形などを詳細に把握できます。脊椎骨折が疑われる場合、レントゲンで不明瞭ならCTで精査することが多いです。
Q3:MRIだと軟部組織がよく見えるそうですが、脊椎損傷でも有用ですか?
非常に有用です。椎間板の突出(ヘルニア)や神経根の圧迫、脊髄損傷の有無など、軟部組織を描出できるため、しびれや麻痺など神経症状がある場合は特にMRIが重要です。ただし撮影コストや時間がかかるため、全例で行われるわけではありません。
Q4:画像上ではっきり骨折が映らないのに、痛みが続くケースはどうすればいいでしょう?
微細な骨折や軟部組織の損傷はレントゲンで見えないことがあります。その場合、CTやMRIの追加検査を要検討します。痛みやしびれが続くなら、医師に再度相談し、必要な検査を受けるようにしましょう。弁護士に相談すれば、専門医を紹介してもらえる場合もあります。
Q5:保険会社が「レントゲンで異常なし」と言ってきたら、MRIを強く要望していいのでしょうか?
はい。症状が強く残っているのにレントゲンだけで異常なしと結論づけるのは不十分です。MRIで軟部組織の状態を確認する必要があります。医師が必要性を認めれば、保険会社にMRI検査費用を負担させるよう弁護士が交渉することも可能です。
Q6:画像診断の結果は後遺障害認定にも影響するのでしょうか?
大きく影響します。骨折形状や神経根圧迫がMRIやCTで確認されれば、12級や9級など上位等級認定の可能性が高まります。一方、レントゲンだけで「異常なし」となると非該当や低い等級になりがちなので、画像診断の活用は重要です。
解説
X線(レントゲン)の特徴と限界
- 利点
- 簡易で素早い撮影が可能。骨折や脱臼など大きな骨形状の異常を把握できる。
- 病院によってはその場ですぐ撮影でき、コストも低い。
- 限界
- 軟部組織(椎間板・神経)を描出できず、軽度の圧迫骨折や骨欠損を見逃す場合がある。
- 衝撃で生じた微小骨折やひび、一部の椎間板損傷は確認困難。
- 適用シーン
- 交通事故後の初期検査として、頸椎・胸椎・腰椎など基本的な骨折の有無をチェックする。
- 異常が疑わしい場合、追加でCTやMRIを行うか検討。
CT(Computed Tomography)の特徴
- 利点
- X線を多角度から照射し、コンピュータ処理で骨や一部軟部組織を3D的に把握できる。
- レントゲンより小さな骨折や骨片、関節面の変形などを精密に可視化可能。
- 短所・注意点
- 放射線被ばく量が多めで、何度も撮影できないリスク。
- MRIほど軟部組織を明瞭に描出できないため、神経根や脊髄損傷の詳細把握は難しい。
- 適用シーン
- レントゲンで疑わしい骨折があるが確定できない場合、CTで確認。
- 圧迫骨折や椎弓根の骨折形状など、骨構造を詳細に評価する。
MRI(Magnetic Resonance Imaging)の特徴
- 利点
- 放射線被ばくなし、軟部組織(椎間板・神経根・脊髄)の描出に優れる。脊髄損傷や椎間板ヘルニアなどを確実に確認できる。
- しびれ・麻痺など神経症状の原因を突き止めるのに効果的。
- 短所
- 検査費用が高い、撮影時間が長い(10〜30分以上)。金属装着があると制限が必要。ペースメーカーなどに注意。
- 初期検査としてはレントゲン・CTの後に行われることが多い。
- 適用シーン
- 神経症状(しびれ、麻痺、排尿障害)がある場合、脊髄や神経根の圧迫を調べるためにMRIは必須。
- 事故後、症状が長引けば追加のMRIを撮り経過を評価する。
弁護士に相談するメリット
- 保険会社への検査費用交渉
レントゲンで異常なしとされても、症状が強ければMRIを要望し、費用を保険会社に負担させる交渉を弁護士が代行。 - 医学的根拠の整備
弁護士がCTやMRIの所見を医師から取り寄せ、後遺障害診断書に反映させて認定成功率を高める。 - 治療打ち切り防止
「画像で異常ないから治った」と保険会社が主張しても、弁護士が医師の意見書などでまだ治療が必要と説得し、治療費継続を得る。 - 示談金アップ
MRI所見で神経圧迫を確認すれば12級、軽度でも14級認定が期待でき、後遺障害慰謝料と逸失利益が大幅に増える。 - 弁護士費用特約
脊椎損傷で長期化しやすいが、特約があれば費用リスクを負わず専門家に依頼可能。
まとめ
脊椎損傷の画像診断として、
- X線(レントゲン)
骨折や配列を簡便に確認(軟部組織は見えにくい) - CT
骨折形状や骨片を3D的に把握、微細な骨折を見逃しにくい - MRI
軟部組織・神経根・脊髄を描出、しびれや麻痺の原因究明に不可欠
を使い分けることで、見落としを最小化し、適切な治療や後遺障害認定につなげられます。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎損傷でしびれ・腰痛・神経麻痺が残る被害者の方に対し、画像検査や専門医の診断をきちんと活用し、保険会社の過小評価を排除して示談金を大幅に増やすサポートを行っています。事故後に背中や首、腰の痛みが長引く場合は、適切な画像検査を受け、後遺障害のリスクを早めに把握してください。
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脊椎損傷の症状例(しびれ・運動障害・排尿障害など)
はじめに
交通事故で脊椎(背骨)を損傷すると、骨の変形や神経根の圧迫だけでなく、脊髄へのダメージにつながる危険性があり、多様な症状が現れる可能性があります。たとえば首(頸椎)を骨折すれば上肢麻痺・呼吸障害、腰椎を圧迫骨折すれば下肢のしびれ・歩行困難、さらに仙椎(仙骨)を折れば排尿・排便障害など、事故前の生活を根本的に変えてしまうほどの深刻な症状が起こりえるのです。
本稿では、脊椎損傷の具体的症状として、しびれ・運動障害・排尿障害などを中心に解説します。いずれも神経機能に影響が及ぶと後遺障害が残りやすく、長期リハビリや介護が必要になるケースも。保険会社に軽くみられないよう、検査所見や医師の所見を整え、後遺障害認定や高額賠償を確保するために何が必要かを考えていきましょう。
Q&A
Q1:脊椎損傷で「しびれ」が出るのは、なぜでしょう?
椎体や椎間板、骨折片などが神経根や脊髄を圧迫したり、神経周囲の炎症が生じることでしびれ(感覚障害・放散痛)が起こります。頸椎なら腕や手指、腰椎なら下肢や足先、仙骨付近なら会陰部の感覚障害が見られます。
Q2:運動障害というのは、具体的にどのような状態ですか?
神経が筋肉をコントロールできないため、力が入らない(筋力低下)、巧緻動作が難しくなる、歩行が困難になるなどが運動障害です。脊髄損傷なら麻痺と呼ばれ、上肢・下肢の動きが全くできなくなる場合もあります。
Q3:排尿障害が起こるのは、どの部位の損傷が原因でしょうか?
腰椎下部~仙椎周辺の神経が損傷されると、排尿や排便を制御する仙髄神経の働きが乱れるため、尿意がわからない・失禁・排尿困難などが起こります。重症例では人口膀胱や自己導尿が必要になることも。
Q4:脊椎損傷が軽い場合でも、しびれや運動障害が長引くことはあるのですか?
はい。圧迫骨折や椎間板損傷など比較的軽度の損傷でも、神経根を微妙に圧迫して痛みやしびれが慢性化することがあります。画像では異常が軽微でも実際の症状が重いケースもあるため、通院実績や神経学テストが重要です。
Q5:こうした神経症状が後遺障害として認定されるには、どのような条件が必要でしょうか?
基本的には長期にわたり同じ神経症状(しびれ・麻痺・排尿障害)が持続し、かつ医学的根拠(MRI所見、神経学的検査結果、医師の診断書)で裏付けられることが必要です。通院期間や症状固定の時期、医師の所見が後遺障害申請で大きく影響します。
Q6:事故後すぐに症状が出なかったけれど、数ヶ月後に下肢のしびれを自覚し始めた場合、後から認定されることもありますか?
可能です。遅発性に症状が顕在化することもあり、その際は再検査(MRIなど)を受け、医師に事故との因果関係を明確に書いてもらう。セカンドオピニオンを利用するのも有効です。弁護士が保険会社に交渉し、後遺障害申請へ進むケースがあります。
解説
しびれ(感覚障害)
- 神経根障害
- 頸椎や腰椎が骨折・変形し、神経根を圧迫すると、対応する末梢神経領域にしびれや放散痛が起こる(腕・手指、もしくは脚・足先など)。
- レントゲンではわからず、MRIや神経伝導検査などで原因を特定する場合がある。
- 脊髄損傷による感覚消失
- 脊髄が損傷されると、そのレベル以下の皮膚感覚(触覚・温度感覚)が消失することも。
- 完全損傷なら全感覚麻痺、不完全損傷なら部分的に感覚が残るがしびれが持続。
- 慢性化のリスク
- 事故後初期に痛み程度だったものが、時間とともに神経性のしびれに移行することもある。
- 適切なリハビリや神経ブロック注射などを行わずに放置すると、後遺障害として残る可能性が高い。
運動障害(麻痺・筋力低下)
- 頸椎損傷・麻痺
- 頸髄が損傷されると四肢麻痺や呼吸障害が発生することもあり、重度1級〜2級など最重度の後遺障害に該当する危険性。
- 頸椎圧迫骨折でも神経根が影響を受けて腕の筋力低下が起きるケースも。
- 腰椎損傷・下肢麻痺
- 腰椎の骨折やヘルニアで神経根が障害されると、足の筋力低下や歩行困難が残る。
- 腰髄(脊髄の下部)へのダメージでは、下肢麻痺や会陰部感覚異常を生じることも。
- 不完全損傷・片側麻痺
- 脊髄が一部だけ損傷される場合、不完全麻痺で片側だけ筋力が弱まる、感覚が部分的に残るなど多彩な症状があり、リハビリ効果次第で回復度が大きく異なる。
排尿障害・排便障害
- 仙椎・馬尾神経への影響
- 仙骨(仙椎)部分や馬尾神経が損傷されると、尿意が感じにくい、失禁、尿閉などの排尿機能障害が起こりやすい。
- 排便コントロールも困難になる場合があり、日常生活の大きな支障となる。
- 後遺障害の重度認定
- 排尿・排便障害があると介護や補助具が必要となり、後遺障害5級〜7級など高位等級になるケースも。
- 若年者がこの障害を負うと、長期的な介護費や逸失利益を含め数千万円〜1億円規模の賠償も起こりうる。
- 医師の意見書・検査
- 泌尿器科や肛門科で排尿機能検査(ウロダイナミクスなど)を受け、神経因性膀胱の有無を確認。
- 骨盤MRIで仙骨付近の神経圧迫を調べることも。主治医と弁護士が連携して因果関係を立証。
弁護士に相談するメリット
- 重度事案での高額示談を狙う
脊椎損傷・脊髄損傷で麻痺や排尿障害が残る場合、1級〜2級の後遺障害が見込まれ、介護費含め1億円近くの賠償例もある。 - 適切な医療検査の確保
弁護士が専門医やリハビリ施設を紹介し、レントゲンだけでなくMRI、CT、神経学的検査など徹底的に受けられるよう支援。 - 保険会社対応
事故直後の軽度診断が後から重症化しても、「最初は軽かった」と保険会社が主張する。弁護士が医師の意見書をまとめ、因果関係を示す。 - 後遺障害認定サポート
しびれや麻痺の程度を神経学テストで客観化し、最適な等級(12級、9級、5級等)を取りに行く。 - 弁護士費用特約
脊椎・脊髄損傷は高額になりやすいが、特約で費用負担を軽減しながら被害者は示談金アップメリットを享受。
まとめ
脊椎損傷では、首(頸椎)、胸椎、腰椎、仙椎など損傷部位によってしびれ、運動障害、排尿障害など多彩な症状が発生します。
- しびれ
神経根・脊髄圧迫による末梢神経症状 - 運動障害
筋力低下、麻痺。損傷レベルが高いほど重度 - 排尿・排便障害
仙椎や馬尾神経が損傷されると膀胱直腸機能が失われる
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、画像検査や神経学的テストを医師と連携し、的確な後遺障害認定や重度の介護費・逸失利益を保険会社と交渉することで、高額賠償の獲得を目指しています。脊椎・脊髄へのダメージが疑われる場合は、早期に専門医を受診し、後遺障害リスクを見逃さないためにも弁護士にご相談ください。
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脊髄損傷と脊椎損傷の違い(神経麻痺や感覚障害のリスク)
はじめに
交通事故で背骨(脊椎)に衝撃が加わると、骨そのものが損傷されるだけでなく、背骨の内部を通る脊髄や神経根にもダメージが及ぶ場合があります。脊椎損傷は椎骨や椎間板など骨格部分の怪我を指しますが、脊髄損傷とは脊椎内を走る中枢神経系(脊髄)の損傷を意味し、より重大な神経麻痺や感覚障害が生じる危険性があります。両者は混同されがちですが、実際には後遺障害認定や示談交渉で大きく結果が変わるため、明確に区別して理解することが重要です。
本稿では、脊椎損傷と脊髄損傷の違いを整理し、交通事故でどのようなリスクがあるのか、神経麻痺や感覚障害がどのように発生するかを解説します。また、後遺障害等級や示談交渉に与える影響にも触れ、もし事故後に背骨や神経症状が疑われる場合に何をすべきか、医師・弁護士との連携のあり方を考えていきましょう。
Q&A
Q1:脊椎損傷と脊髄損傷は具体的に何が違うのですか?
脊椎損傷とは、背骨(椎骨・椎間板などの骨格部分)の骨折や脱臼、変形などを指します。一方、脊髄損傷とは、脊柱管の中を通る中枢神経(脊髄)そのものが損傷される状態です。脊椎は外骨格、脊髄は神経組織、という違いがあります。
Q2:脊髄損傷だと、どんな麻痺が起こる可能性があるのでしょうか?
頸髄(頸椎部の脊髄)なら四肢麻痺や呼吸障害、胸髄・腰髄なら下半身の麻痺や感覚喪失、排尿・排便障害が起こりえます。損傷の高さ(レベル)が上位に行くほど、重篤な麻痺や自律神経障害が広範囲に生じるリスクがあります。
Q3:事故で脊椎を骨折したけれど、脊髄は無事だった場合でも、どの程度の後遺症が残る可能性がありますか?
骨折部位によっては腰痛や可動域制限などが後遺症として残る可能性があります。軽度の圧迫骨折でも痛みや姿勢不良が慢性化し、14級〜12級の後遺障害が認められることも。また、椎間板損傷があればしびれなど神経症状を伴う場合があります。
Q4:脊椎は折れていないのに、脊髄だけが損傷されることもあるのですか?
あり得ます。脊椎自体の骨折や脱臼がなくても、強い衝撃で脊髄が揺さぶられる(びまん性軸索損傷の脊髄版のようなイメージ)ケースや、椎間板や靱帯の損傷で脊髄が圧迫されるケースもあります。MRIで脊髄に出血や浮腫が確認される場合があるため注意が必要です。
Q5:脊髄損傷レベルの重度後遺障害では、示談金はどのくらいになりそうですか?
四肢麻痺や車いす生活が必要な1級・2級の後遺障害なら、介護費用や住宅改造費、若年者なら将来の逸失利益も大きく、1億円前後の賠償事例もあります。年齢や収入状況にもよりますが、数千万円〜1億円超の判例が実際に存在します。
Q6:事故直後は軽い腰痛だけでも、後から脊髄損傷が発覚することはあるのでしょうか?
軽度の痛みで見逃され、後からMRI等で脊髄の変性や圧迫がわかる事例もあります。症状が悪化したり、下肢のしびれが出るなど怪しい兆候があれば、再度専門医を受診すべきです。早期発見すれば、リハビリで機能回復を図りやすいです。
解説
脊椎損傷の特徴
- 椎骨・椎間板などの骨格損傷
- 圧迫骨折、骨片の飛び出し、椎間板ヘルニア化など、骨格部分の怪我。
- 脊柱管が変形して神経根を圧迫するとしびれ・麻痺が生じることもあるが、必ずしも脊髄自体が損傷しているわけではない。
- MRI・CTで確認
- レントゲンだけでは見逃す可能性があるため、CTで3D的に骨折形状を把握し、MRIで椎間板や神経根の圧迫程度を確認。
- 軽度な圧迫骨折でも日常動作に制限が残れば、後遺障害12級〜14級の範囲に該当することがある。
- 後遺障害の程度
- 先述の通り、軽度な腰椎圧迫骨折で14級や12級に認定されるケースがあり、痛みや可動域制限が慢性化する場合、9級〜8級もあり得る。
- 骨癒合後も腰痛や姿勢制限が残れば、仕事復帰が難しくなる例も。
脊髄損傷の特徴
- 神経麻痺・感覚障害
- 脊髄は中枢神経の一部で、損傷レベルにより四肢麻痺(頸髄)、下半身麻痺(胸髄〜腰髄)、排尿・排便障害など広範な障害が生じる。
- 感覚障害だけでなく自律神経機能の乱れが出る場合もあり、重度の後遺障害として認定されやすい。
- 重度後遺障害等級
- 脊髄損傷は後遺障害1級〜2級(常時介護)、3〜4級(随時介護)など、高位等級が認定される可能性。
- 介護費用や家屋改造、車いす・通院介助など高額賠償が認められやすいが、医学的因果関係の立証が重要。
- 画像検査と神経学的評価
- MRIで脊髄の出血や圧迫状態を確認。急性期には脊髄浮腫として映ることもあるが、後から明確に変性が見られるケースも。
- リハビリ科や脊髄専門施設で神経学的評価(筋力・感覚レベル)を行い、回復度合いをモニタリング。
弁護士に相談するメリット
- 正確な診断と後遺障害認定
脊椎と脊髄のどちらが傷ついているか分からない場合、弁護士が専門医を紹介し、MRIや神経学的検査を十分に受けられるよう調整。 - 高額賠償のサポート
骨折や椎間板損傷でもしびれ・痛みが長期残存すれば12級〜9級認定、脊髄損傷なら1級〜2級もありうる。弁護士が裁判所基準で交渉すれば示談金大幅アップ。 - 介護・家屋改造費用の確保
脊髄損傷で介護が必要になった場合、長期の介護費用、バリアフリー改造などを保険会社に認めさせる。 - 医療ネットワーク・セカンドオピニオン
弁護士が脊椎・脊髄損傷の専門医を知っている場合、誤診や見落としを防げる。因果関係を強固に立証。 - 弁護士費用特約
脊椎・脊髄損傷は高額示談金となる可能性が高い。特約があれば費用負担を気にせず、弁護士に全面依頼できる。
まとめ
脊椎損傷と脊髄損傷は、
- 脊椎損傷
背骨の骨格部分(椎骨・椎間板)の骨折や脱臼、圧迫骨折。痛みやしびれは神経根圧迫によるものが多い - 脊髄損傷
脊柱管内の中枢神経(脊髄)の損傷で、四肢麻痺・感覚喪失・自律神経障害など重度の後遺障害となりうる
いずれも交通事故の衝撃で起こりえ、神経麻痺や感覚障害が発生すると後遺障害で高位等級が認定される可能性があります。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎・脊髄損傷における神経障害の事案で多くの実績があり、専門医との連携や医学的証拠を整備することで、高額賠償を勝ち取る事例が多数あります。背骨や神経が怪しいと感じた時点で早めに受診し、適切な画像検査・リハビリを受けつつ、保険会社との示談交渉は専門家にご相談ください。
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脊椎の構造と主な損傷部位(頸椎・胸椎・腰椎・仙椎など)
はじめに
交通事故による脊椎損傷は、首(頸椎)から腰(腰椎)、さらに下部(仙椎)に至るまで、脊椎のさまざまな部位で起こる可能性があります。脊椎(背骨)は椎骨が連なった複雑な構造を持ち、神経(脊髄・神経根)を保護しながら身体を支える重要な役割を担っています。事故の衝撃でこの構造が損なわれると、一部の椎骨が骨折・脱臼したり、軟部組織が損傷して、深刻な神経障害や長期リハビリを要する重症につながる場合もあるのです。
本稿では、脊椎のうち頸椎・胸椎・腰椎・仙椎の基本的構造を整理し、交通事故でどのような損傷が発生しやすいか、その特徴を解説します。脊椎損傷が疑われる場合は、骨格構造の理解とともに、適切な画像検査と早期リハビリが不可欠です。保険会社が軽視しがちな脊椎の微妙なズレや神経障害を見落とさず、後遺障害認定や適切な賠償を得るために、医師や弁護士との連携が重要となります。
Q&A
Q1:脊椎は首から仙骨までどのように分かれているのですか?
人の脊椎は、上から頸椎(7個)→胸椎(12個)→腰椎(5個)→仙椎(1個:5個の仙椎が癒合)→尾椎(3〜5個が癒合)という構成になっています。普段の医学的分類では、頸椎、胸椎、腰椎、仙骨と呼ぶことが多いです。
Q2:交通事故では、どの部分が特に損傷しやすいのでしょう?
衝突の角度や形態にもよりますが、追突事故などで頸椎に衝撃が集中し、頸椎捻挫や頸椎骨折が発生しやすいです。大きな衝撃だと胸椎や腰椎にも圧迫骨折が起こることがあります。シートベルトの形状や姿勢によっては、腰椎に集中する例もあり、部位はケースバイケースです。
Q3:仙椎(仙骨)も事故で骨折することがあるのですか?
はい。後方からの強い衝撃や転倒で臀部を強打した場合、仙骨骨折が起こり得ます。仙骨は脊柱の最下部で腰椎の下に位置する大きな骨ですが、ここが損傷されると座る動作や排泄に影響が出やすいです。
Q4:脊椎損傷で「部分的に神経症状が残る」とは具体的にどういう状態でしょうか?
脊椎の椎骨に骨折や変形が生じ、神経根や脊髄が圧迫・損傷されると、しびれ・麻痺・感覚鈍麻・排尿障害など多彩な神経症状が出ます。頸椎なら上肢の麻痺、腰椎なら下肢のしびれ、仙骨なら膀胱直腸障害といった形で現れます。
Q5:脊椎損傷が軽くても、後遺障害認定を受けられる可能性はあるのでしょうか?
可能です。軽度な圧迫骨折や椎間板の損傷でも、腰痛やしびれが長期残存し、14級や12級を狙える場合があります。医師の画像所見(レントゲン・MRI)や神経学的テストの結果をしっかり整えておくことが重要です。
Q6:脊椎損傷で裁判までいく事例では、どのくらいの高額賠償が認められるのでしょう?
重度で脊髄損傷(四肢麻痺など)に至れば、数千万円〜1億円超の賠償事例もあります。たとえ軽度でも12級や9級の後遺障害が認められれば、示談金が数百万円〜数千万円に達することがあり、弁護士が裁判所基準を適用して高額賠償を得るケースが多々あります。
解説
脊椎の構造
- 頸椎(C1~C7)
- 首の部分で、頭部を支え回転させる機能を担う。追突事故のむち打ちでは主に頸椎捻挫や椎間板損傷が起こる。
- C1(環椎)やC2(軸椎)周辺の骨折は特に危険で、脊髄を傷つければ重度麻痺につながるリスクがある。
- 胸椎(T1~T12)
- 肋骨と連結し、胸郭を形成。外力に対して比較的安定しているが、高所からの落下や強い衝撃で圧迫骨折が起こることがある。
- 胸椎の損傷で下肢麻痺や呼吸機能への影響が生じるケースも。
- 腰椎(L1~L5)
- 上半身を支える主要部位で、腰痛の原因となりやすい。交通事故で急激な前屈や圧縮力が加わると圧迫骨折、椎間板ヘルニアなどが発生。
- 腰椎損傷により下肢にしびれや感覚障害が起こる場合も多い。
- 仙椎(S1~S5が癒合して仙骨となる)
- 仙骨は骨盤の後面を構成し、脊柱の土台として重要。
- 交通事故でお尻から落下したり強打すると仙骨骨折が起こり、座位・排泄動作に大きな支障を及ぼす。
主な損傷部位と特徴
- 圧迫骨折(Compression fracture)
- 椎体(前方)の骨が縦に圧縮され、くさび状に潰れる骨折。胸椎・腰椎に多く見られ、事故で強い縦方向の衝撃が加わると発生。
- 軽度でも長期の腰痛を引き起こし、後遺障害認定(12級〜11級)となるケースがある。
- 椎間板損傷・ヘルニア
- 椎間板が後方や側方へ突出し、神経根を圧迫する。腰椎だけでなく頸椎でも発生し、しびれや麻痺が強く出ると12級や9級認定も。
- MRIで異常が映れば、症状立証がしやすい。
- 椎弓根・椎体骨折、脱臼
- 高速衝突などで椎骨が骨折・脱臼し、脊髄損傷や神経根障害を伴う重症例がある。
- 頸椎上部(C1, C2)骨折は致死率・麻痺リスクが高く、最重度の後遺障害(1級〜2級)となる可能性。
- 仙骨骨折
- 尻もちを強打して仙骨にヒビや粉砕骨折が起こると、坐骨神経痛や排泄障害が生じることも。
- 痛みが慢性化し、座位や歩行が困難になる場合があり、9級〜12級の認定を得る例がある。
交通事故での留意点
- 画像検査と神経学的検査
- レントゲンで骨折形状や配列異常を確認、必要に応じてCTで3D画像化。神経圧迫が疑われるならMRIで詳細検査を行う。
- しびれ・麻痺症状があるときは神経学的テストも欠かせない。後遺障害申請の際に重要なエビデンスとなる。
- 専門医・リハビリ科
- 事故後腰痛だけと思って放置していると、実は椎体に小さな骨折や椎間板ヘルニアがあり、症状が長引くことがある。
- 早期診断と専門的リハビリが回復に大きく寄与し、後遺障害リスクを減らす。
- 後遺障害認定と示談交渉
- 圧迫骨折などの脊椎損傷で痛みやしびれが残れば、14級や12級、症状が強ければ9級〜5級もあり得る。
- 保険会社が「軽度外傷」「画像の異常は加齢性」と主張することもあり、弁護士が医学的根拠を整えて反論が必要。
弁護士に相談するメリット
- 医療ネットワークの活用
脊椎損傷に精通した整形外科医、脊椎外科医を紹介し、早期に正確な診断を受けることで症状固定後の後遺障害認定を有利に進められる。 - 保険会社との交渉力
レントゲンで目立たない圧迫骨折や椎間板損傷もMRIやCT所見で立証し、長期治療の必要性や後遺障害を保険会社に認めさせる。 - 示談金アップ
裁判所基準で後遺障害慰謝料や逸失利益を算定し、保険会社の任意保険基準の低提示を大幅増額。数百万円〜数千万円の差が出ることも。 - 異議申立・裁判対応
非該当や低い等級に納得できない場合、追加検査や医師の意見書を揃えて異議申立、最終的に裁判で高次級認定を勝ち取るサポートを行う。 - 弁護士費用特約
脊椎損傷は重症化しやすく示談金も大きくなる可能性があるが、特約があれば費用負担を心配せず専門家に全面委任できる。
まとめ
脊椎損傷では、
- 頸椎
むち打ちや骨折で首の神経圧迫、四肢麻痺のリスク - 胸椎
高エネルギー衝突で圧迫骨折が起こりやすい - 腰椎
圧迫骨折、椎間板ヘルニアで下肢しびれや腰痛 - 仙椎(仙骨)
尻もち衝撃で骨折、坐骨神経痛や排泄障害
が主要な損傷パターンとなり、しびれ・麻痺・排尿障害など重度症状の場合、後遺障害5級〜12級が認定される可能性があります。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎損傷の医学的知識と医療ネットワークを活用し、圧迫骨折や椎間板ヘルニアの神経症状を正確に立証することで、保険会社の過小評価を正し、高額賠償を勝ち取る支援をしています。背骨に異常が疑われる方は、事故直後から専門医に相談し、後遺障害のリスクを軽視せず早期に弁護士へご相談ください。
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