はじめに
交通事故に遭った場合、まず気になるのは「慰謝料はどれくらいもらえるのか?」という点です。この慰謝料を算定する際に、よく使われる基準が「赤本」と「青本」です。これらの基準を理解することで、自分にとって適切な慰謝料を受け取るための第一歩となります。
本稿では、赤本と青本の基本的な内容や、それらがどのように利用されるのかについて解説します。また、これらの基準を活用する上で弁護士に相談するメリットについても触れます。
Q1:赤本と青本とは何か?その基本ポイント
A1:「赤本」と「青本」は、交通事故の損害賠償額を算定する際に用いられる基準書籍です。赤本は、日弁連交通事故相談センターが毎年発行している「損害賠償額算定基準」の通称であり、青本は同センターが定期的に発行する「交通事故損害額算定基準」の通称です。これらの基準書籍は、交通事故における慰謝料を算定する際の指針として、弁護士や裁判所などで幅広く利用されています。
Q2:赤本と青本の違いと、その使用場面
A2:赤本と青本は、交通事故における損害賠償額の算定基準として使われますが、その使用方法や適用範囲に違いがあります。実務上、赤本はより広く利用されており、特に裁判所が和解案を提示する際に参考にされる傾向にあります。しかし、これらの基準はあくまで参考値であり、裁判官が各ケースの事情を考慮して、赤本や青本と異なる金額を裁定することもあります。青本は、赤本に比べて利用頻度がやや少ないものの、特定のケースにおいては有用な指標となります。
Q3:保険会社は赤本・青本に従って慰謝料を提示するか?
A3:保険会社は赤本や青本の存在を認識しているものの、必ずしもそれに従って慰謝料を提示するわけではありません。多くの場合、保険会社は自賠責基準や独自の基準を基に、より低額な慰謝料を算出して提示します。このため、提示された金額が赤本や青本の基準に比べて著しく低い場合があります。このような場合には、専門の弁護士に相談し、正当な慰謝料を受け取るための手助けを得ることが重要です。
Q4:赤本・青本の基準を用いた慰謝料の算定方法
A4:赤本と青本の基準は、それぞれ異なる方法で慰謝料を算定します。赤本には、重傷のケースに適用される「別表I」と、比較的軽傷のケースに適用される「別表II」があります。
例えば、治療期間(通院のみ)が6ヶ月の場合、別表Iでは約116万円、別表IIでは約89万円が慰謝料の目安となります。一方、青本では一つの目安表に幅が設けられており、同じ治療期間(通院のみ)6ヶ月の場合、76万円から139万円が目安とされています。
どちらの基準を適用するかは、ケースごとの状況や怪我の程度により異なります。
弁護士に相談するメリット
交通事故の慰謝料に関する交渉は、保険会社が提示する金額に対して不満を感じることが少なくありません。このような場合、弁護士に相談することで、赤本や青本に基づく適正な慰謝料を主張することができます。弁護士は、これらの基準を理解し、あなたのケースに最も適した対応策をご提案します。特に、保険会社が独自の基準を用いて慰謝料を低く見積もっている場合、弁護士が介入することで、賠償金額が増額されるケースが少なくありません。
まとめ
交通事故の慰謝料を算定する際には、赤本や青本という基準が有用です。しかし、これらの基準が適用されるかどうかは個別の事情によります。保険会社との交渉において適正な慰謝料を受け取るためには、赤本・青本を理解し、適切な基準を用いることが重要です。そして、納得のいかない場合には、お早めに弁護士に相談し、専門的な助言を受けることをご検討ください。弁護士のサポートを受けることで、より適正な慰謝料を獲得する可能性が高まります。
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