後遺障害等級認定申請における被害者請求のポイント

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はじめに

交通事故によってケガを負い、そのケガが完治せずに後遺症が残ってしまうケースは少なくありません。このような後遺症が「後遺障害」として認定されることで、被害者は適切な損害賠償を受けることができます。しかし、後遺障害の等級認定を受けるためには、複雑な手続きが必要です。とりわけ、被害者自身が行う「被害者請求」は、手続きの内容や準備する資料が重要となります。

本記事では、後遺障害等級認定申請における被害者請求のポイントを解説します。

Q&A

Q1:後遺障害とは何ですか?

A1:後遺障害とは、交通事故によるケガが治癒した後でも、身体や精神に残ってしまった障害を指します。この障害があると、被害者の生活や仕事に支障が生じることが多く、そのため損害賠償の対象となります。後遺障害の程度は、後遺障害等級という形で評価され、この等級によって受け取ることのできる賠償額が決まります。

Q2:後遺障害の等級認定とは何ですか?

A2:後遺障害の等級認定とは、交通事故によって生じた後遺症の程度を評価し、1級から14級までの等級に分類する制度です。等級が高いほど、重度の後遺障害であることを意味し、その分、賠償額も高くなります。等級認定を受けるためには、必要な書類を揃えて、正しい手続きを経る必要があります。

Q3:後遺障害等級認定の申請方法にはどのような種類がありますか?

A3:後遺障害等級認定の申請方法には、「事前認定」と「被害者請求」の2つの方法があります。

  1. 事前認定
    これは、加害者側の保険会社が被害者に代わって後遺障害等級認定の申請を行う方法です。手続きが簡便である反面、被害者自身が申請内容を十分に把握できないことが多く、保険会社の判断に依存するため、必ずしも被害者にとって最適な結果が得られるとは限りません。
  2. 被害者請求
    被害者自身が、または被害者が依頼した弁護士が、後遺障害等級認定の申請を直接行う方法です。この方法では、被害者が必要な書類をすべて把握し、保険会社に依存せずに申請を進めることができるため、より公正な認定結果が期待できます。

Q4:被害者請求を選ぶ理由は何ですか?

A4:被害者請求を選ぶ理由としては、以下の点が挙げられます。

  • 公正な評価を受けられる
    保険会社が行う事前認定では、保険会社の都合により、被害者にとって不利な認定結果が出る可能性があります。一方、被害者請求では、被害者自身がすべての資料を用意し、適切な方法で申請を行うため、公正な評価を受けやすくなります。
  • 申請内容を把握できる
    被害者請求では、自分がどのような資料を提出し、どのような手続きが行われるのかを自ら確認できるため、納得のいく申請が可能です。
  • 弁護士のサポートを受けられる
    被害者請求は手続きが複雑であるため、弁護士のサポートを受けることで、スムーズに進めることができます。特に、交通事故に精通した弁護士に依頼することで、適切な等級認定が得られる可能性が高まります。
  • 自賠責保険金を先に受け取ることができる
    被害者請求を行なうことで、自賠責保険金を先行して回収することができます。交通事故被害によって思うように仕事ができなくなり、収入が下がった場合、自賠責保険金を先行して回収することで、当面の生活費を工面することが可能になります。

後遺障害等級認定における被害者請求の具体的な手続き

必要書類の準備

被害者請求に必要な書類は多岐にわたります。以下に主要な書類を挙げます。

  • 診断書
    後遺障害の内容を詳述した診断書が必要です。これは、後遺症の内容やその原因が交通事故であることを証明するための重要な書類です。
  • 後遺障害診断書
    医師が作成する後遺障害診断書は、等級認定の根拠となるため、内容が非常に重要です。診断書には、後遺障害の具体的な症状やその程度、治療内容などが詳しく記載されます。
  • 事故証明書
    事故の発生状況や事故の原因を証明するための書類です。警察が発行する「交通事故証明書」などが該当します。
  • 画像資料
    レントゲン、MRI、CTなどの画像診断結果も必要となります。これにより、後遺障害の存在が客観的に確認されます。
  • その他の証拠書類
    事故当時の状況を証明するための目撃証言や、事故後の生活に関する資料(例:日記や医師の意見書など)も役立つことがあります。

書類の提出と確認

必要な書類が揃ったら、自賠責保険の損害調査事務所に書類を提出します。書類を提出する際には、不足がないか、記載内容に誤りがないかを必ず確認しましょう。

調査と審査

提出された書類は、自賠責保険の損害調査事務所で審査されます。この審査では、提出された資料が基に、後遺障害等級が適切に決定されます。審査結果が出るまでに時間がかかることがありますが、弁護士がサポートしている場合、審査過程についての情報を得やすくなります。

等級認定後の対応

等級認定が完了すると、その結果が通知されます。通知された等級に納得がいかない場合は、異議申立てを行うことができます。この異議申立ての際も、弁護士のサポートを受けることで、効果的な異議申立てが可能となります。

弁護士に相談するメリット

後遺障害等級認定における被害者請求を弁護士に相談することで、以下のような多くのメリットがあります。

  1. 専門的な知識と経験
    交通事故に関する法律や手続きに精通した弁護士が、被害者にとって最善の結果を目指してサポートします。弁護士は、被害者が適切な賠償を受けられるよう、書類の作成や資料の収集を通じてサポートします。
  2. 時間と手間の削減
    被害者請求は非常に煩雑な手続きが伴いますが、弁護士に依頼することで、これらの手続きにかかる時間や手間を大幅に削減できます。特に、仕事や家庭の都合で手続きに時間を割けない方にとって、弁護士のサポートは有益です。
  3. 交渉力の向上
    保険会社との交渉は、被害者自身が行うと難航することがあります。弁護士が代理人として交渉に当たることで、保険会社とのやり取りがスムーズになり、被害者にとって有利な条件での解決が期待できます。
  4. 精神的な負担の軽減
    交通事故によるケガや後遺症は、被害者にとって大きなストレスとなります。弁護士が手続きを代行することで、精神的な負担を軽減し、被害者が治療やリハビリに専念できるようにします。

まとめ

後遺障害等級認定の申請における被害者請求は、被害者自身が積極的に行うべき重要な手続きです。適切な賠償を受けるためには、資料の収集や手続きの進行が非常に重要となります。

弁護士に依頼することで、これらの手続きがスムーズに進み、公正な等級認定が受けられる可能性が高まります。交通事故による後遺障害にお悩みの方は、ぜひ一度、弁護士法人長瀬総合法律事務所にご相談ください。

私たちは、被害者の皆様が正当な権利を守り、適切な賠償を受けられるよう、全力でサポートいたします。

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