赤字事業の経営者でも休業損害は請求できる?

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はじめに

交通事故によって事業を一時的に休業する必要が生じた場合、休業損害の請求が可能です。しかし、赤字経営の事業者が休業損害を請求できるかについて疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。本記事では、赤字経営者の方が休業損害を請求できるケースやその計算方法、必要な証拠、そして弁護士に相談するメリットについて解説します。

Q&A

交通事故で休業した場合、休業損害の請求は誰でもできるのですか?

交通事故により仕事ができず収入が減少した場合、休業損害の請求が可能です。ただし、赤字経営の場合には収入減少の実態が異なるため、通常の事業者と異なる計算方法が採用される場合があります。

赤字事業者でも休業損害が認められる可能性はありますか?

はい、あります。赤字経営の事業者であっても、事業継続に必要な固定費(家賃や光熱費など)は発生しています。これにより、事故がなければ事業運営が続き赤字の拡大が避けられたという根拠があれば、休業損害が認められる可能性が高まります。

具体的にはどのような方法で計算がされるのですか?

赤字経営の場合、休業損害の計算では固定費が重要な要素となります。事業を維持するためにかかる家賃、光熱費などの固定経費を基礎に、通常の収入がない場合でも休業損害として認められるケースがあります。次項で詳細を解説します。

休業損害とは

休業損害とは、交通事故などの被害により働けなかった期間中に発生する収入の減少を補填する損害賠償の一種です。主に給与所得者が休業中の給与を受け取れなかったり、自営業者が事故によって十分に働けずに売上が減少した場合に、休業損害が発生するとされます。これは、被害者が事故さえなければ得られていたであろう収入を基に計算されます。

休業損害の計算方法

休業損害は、次のような計算式で求められます。

収入日額×休業日数

  • 収入日額
    事故に遭わなければ得られていたであろう日々の収入を算出します。給与所得者の場合、交通事故の前年度の収入から日額を算出することが一般的です。自営業者の場合には、確定申告の申告所得額を基に日額を認定します。
  • 休業日数
    実際に治療などで働けなかった日数が適用されます。

赤字事業の場合には休業損害は発生しない?

赤字経営の事業者が休業損害を請求する際、「事業自体が赤字であるならば、事故によってさらに収入が減少したといえないのでは?」という疑問が生じることがあります。しかし、以下の点から赤字経営者でも休業損害が認められるケースがあるのです。

1.固定経費の存在

赤字経営であっても、事業を維持するために発生する家賃や光熱費、人件費などの固定経費は継続的に発生します。交通事故により一時的に売上が減少したり、事業を停止せざるを得なかった場合、事業維持のためにかかるこれらの経費が損害として認められることがあるのです。

2.事業の回復見込み

事業が赤字である場合でも、今後の見通しとして回復が期待されていた場合、事故がなければ得られたであろう収益があったと主張できます。この場合、同業種・同規模の平均収益を基準に算定することがあるため、赤字であるからといって必ずしも損害が認められないわけではありません。

赤字事業の経営者が休業損害を請求するための留意点

赤字事業の経営者が休業損害を請求する際には、以下のポイントを押さえておくことが重要です。

1.固定経費の証明

赤字経営で休業損害を請求するためには、家賃や光熱費など、事業継続に必要な固定費が発生していることを証明することが求められます。これには、領収書や契約書などの書類が有用です。

2.事業回復の見通し

赤字事業であっても、将来的に収益が見込まれていたことを示す資料がある場合、認定される可能性が高まります。事業計画書や過去の売上推移などのデータを揃えることで、事故がなければ回復が期待されていたことを示すことができます。

3.賃金センサスの利用

赤字事業者の場合、同業種・同規模の事業者の平均収入を基に休業損害が認定される場合があります。賃金センサスを活用し、自社の業種や職種の平均収入額を把握しておくことで、基礎収入の算定に役立ちます。

弁護士に相談するメリット

休業損害の請求は、特に赤字経営の場合において複雑です。証拠の準備や立証の方法が難しいため、弁護士に相談することには以下のメリットがあります:

1.正確な基礎収入の算定

弁護士は、個別の事案に基づいて適切な基礎収入の認定をサポートしてくれます。特に赤字経営の事業者の場合、固定費を考慮した収入認定が行えるかを見極めるためには、専門的な知識が必要です。

2.証拠収集と立証支援

固定経費の証拠や事業の将来性を示す証拠が必要な場合、弁護士が適切な書類の収集方法や立証方法をアドバイスします。また、保険会社との交渉も代行してくれるため、請求手続きがスムーズに進みます。

3.適切な賠償請求額の算出

保険会社によっては、赤字経営という理由で賠償額を抑えようとする場合があります。弁護士が代理人となることで、適切な賠償請求ができるよう交渉し、リスク軽減に貢献します。

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、赤字事業者における休業損害請求の経験も豊富ですので、安心してご相談ください。

まとめ

赤字事業者であっても、交通事故による休業損害が認められる可能性があります。休業中に発生する固定費を考慮する方法や、事業の将来性を証明することで、損害賠償の請求が可能となります。ただし、休業損害の認定には証拠が求められるため、弁護士によるサポートを受けることをお勧めします。弁護士法人長瀬総合法律事務所がサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。

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より詳しい解説は、交通事故の損害賠償請求に関する動画でもご覧いただけます。特に後遺障害や休業損害の算定方法について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参考ください。


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