はじめに
交通事故の被害にあったとき、「どの弁護士を選ぶべきか」に悩む方は多いでしょう。一度弁護士に依頼すると、契約を解消して他の弁護士へ切り替えるのは手間がかかり費用が発生する場合もあるため、最初の選択が非常に重要です。そこで注目されるのが、複数の弁護士に相談(相見積り)して比較検討する方法です。
複数相談することで、費用面(着手金・報酬率)や方針・戦略(過失割合や後遺障害の見通し)が各事務所でどう違うかを把握でき、自分のニーズや性格に合った弁護士を選びやすくなります。本稿では、複数弁護士への相談の必要性や、相見積りをスムーズに行うポイント、注意点を解説します。時間や手間はかかりますが、結果的に高い示談金と良好な弁護士関係を得られる可能性が高まるでしょう。
Q&A
Q1:弁護士への相談を何度もして比較するなんて、失礼にならないですか?
複数見積りはクライアントの権利です。最終的に契約しなくても、初回相談(無料の場合も多い)だけで終わるケースもあります。
Q2:複数相談するとき、毎回資料を用意して説明するのは面倒かもしれません…
それは事実ですが、初回相談で十分な資料を見せないと正確なアドバイスや費用見積りを得られません。2〜3事務所に相見積りするだけでも有益な場合が多いので、長期的に見れば得策です。
Q3:相見積りで得た各弁護士の費用や戦略を、別の弁護士に見せて交渉することもできますか?
方針や費用を比較するのは大事ですが、弁護士費用の交渉よりも「信頼できるか」を重視した方がよいかと思われます。
Q4:2つの事務所が真逆の意見(例:過失割合の見解など)を示してきたらどう判断すればいい?
過失割合は事故態様の分析や証拠の強弱で見解が分かれることがあります。詳しくどんな根拠でそう判断しているのか説明を求めましょう。証拠提示や論理構成がより納得できる方を選ぶ、または他の事務所に相談して再確認するのも一つの方法です。
Q5:相談だけして実際には依頼しなかった場合、費用は発生しませんか?
無料相談を設定している事務所なら費用はかかりませんが、有料相談の場合は時間制で料金が発生します。また、資料を細かく検討してもらった場合、追加料金を請求される可能性もあるので、事前に相談料の有無・時間制限を確認しておきましょう。
Q6:相見積り結果で、費用は高いけれど実績が素晴らしい弁護士と、費用は安いけれど経験がやや浅い弁護士とで迷ったら、どう選べばいいでしょうか?
事故の重大性(後遺障害の可能性や死亡事故など)や保険会社との争点の多さ、ご自身の経済的余裕などで判断します。高い実績が示談金に大きく反映するなら、費用が高くても結果的に得をする可能性がある一方、軽傷で争点が少ない事故なら費用重視でも十分という場合もあります。
解説
複数弁護士への相談(相見積り)のメリット
- 費用体系の比較
- 着手金の有無、成功報酬率、実費負担など事務所ごとに異なる。
- 弁護士特約が使えるなら、特約適用時の費用計算を各事務所に尋ねると差が見えてくる。
- 戦略・方針の違い
- 同じ事故でも「裁判までもつれ込むと予想」「示談交渉ですぐまとまる」といった見解が分かれることがある。
- 過失割合や後遺障害認定の見込み、示談金の大まかな試算も比較し、自分に合う方を選べる。
- 相性・コミュニケーションの重要性
- 弁護士との人間的相性やコミュニケーションのしやすさは成果に直結。複数弁護士と話してみると、説明の分かりやすさや人柄に差が出る。
複数相談の進め方・注意点
- 相談回数を決める
無料相談を数件受けるのがおすすめ。あまり多く回ると混乱し、資料準備も負担に。 - 同じ資料を使い同じ質問を
資料の差で弁護士の回答がずれないよう、同じ書類(事故証明、診断書など)を提示し、同じ趣旨の質問をする。 - 費用と戦略をメモ
「事務所A:着手金10万円+報酬15%」「事務所B:着手金0円+報酬20%」などを一覧にして比較。戦略面(過失割合の見通し、後遺障害の可能性など)もメモする。 - 最終判断の基準
金額面だけでなく、担当弁護士の説明力、親身さ、実績を考慮し総合的に判断。気になる点は追加質問やメールで確認してから依頼を決める。
相見積りのデメリット・リスク
- 時間と手間がかかる
資料準備や相談予約、各事務所とのやり取りで一定の労力が必要。事故後の通院や仕事を抱えつつ行うため、負担感がある。 - 無料相談の制限
事務所によっては「無料相談は30分」「二回目以降は有料」といった制限あり。十分な議論にならない可能性も。 - 情報過多による混乱
弁護士によって見解が異なると、素人には判断が難しい面がある。疑問点は冷静に再質問して根拠を明確にし、最終的に自分で選択する。
弁護士に相談するメリット
- 最適な選択が可能
複数弁護士と話すことで、費用面や戦略面の差が明らかになり、自分に合った解決策を選べる。 - 交渉力アップ
選んだ弁護士が保険会社と対等以上に交渉し、示談金増額や後遺障害認定を有利に導く。 - サポート体制
選んだ事務所のスキル・スタッフ陣が強固なら、煩雑な手続き(後遺障害申請や裁判準備)を円滑に行ってくれる。 - 費用特約の適用確認
相見積り時点で「弁護士費用特約」活用が可能か弁護士に確認し、自己負担ゼロで依頼できるかを判断。 - 強制執行などのリスク管理
相手が無保険車などの場合も、経験豊富な弁護士なら回収方法を多角的に検討可能。
まとめ
複数弁護士への相談(相見積り)は、時間や手間はかかるものの、
- 費用比較
着手金・成功報酬・実費など各事務所で大きな違い - 戦略の違い
過失割合や示談金の見通しがどの程度か、後遺障害申請はどう進めるか - 人柄・相性
長い付き合いになるため、説明力や親身さなど主観的要素も重要
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、初回無料相談をはじめ、依頼者目線で丁寧にヒアリングし、それぞれの事故状況に合わせた戦略を提案しています。
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