はじめに
交通事故で弁護士に依頼する際、どのような流れで事件が進み、どのようにコミュニケーションを取っていくかは、被害者にとって非常に重要です。実際に依頼してみたら「担当弁護士との連絡が取りづらい」「進捗報告がほとんどなく、不安になった」という声もあり、依頼後の体制や情報共有の方法を契約前に確認しておくことが大切です。
本稿では、交通事故に強い弁護士を選ぶポイントとして、「依頼後の流れ」と「コミュニケーション体制」に焦点を当て、事件の進め方や担当弁護士の変更可否、進捗報告頻度などを解説します。適切な連絡・報告がある弁護士を選べば、長期化しやすい交通事故案件でも安心して任せられ、被害者が治療や生活再建に専念できるでしょう。
Q&A
Q1:依頼後、どんな流れで事件が進んでいくのか、教えてもらえますか?
一般的には以下のステップが多いです。
- 委任契約締結
着手金や成功報酬など費用を確認し、正式に依頼。 - 資料収集・事故調査
弁護士が警察記録や医療データなどを取り寄せ、過失割合や損害項目を分析。 - 治療打ち切り対策・後遺障害認定サポート
必要に応じて医師と連携し、後遺障害の可能性を検討。 - 示談交渉
保険会社とのやり取りを弁護士が代行。示談金額を決定。 - 示談不成立なら裁判
裁判所に訴訟提起して最終的に判決または和解で解決。
Q2:担当弁護士が途中で変わる場合があると聞きましたが、その場合はどうなりますか?
大手事務所などでは人事異動や負担調整で担当が交代することもあります。その際は新担当が書面などを引き継ぎ、引き続き事件を処理しますが、依頼者の同意や十分な説明があるかどうかは事務所によって異なります。もし不満があれば契約変更や解約も検討可能です。
Q3:進捗報告はどれくらいの頻度で行われるのが普通でしょうか?
事務所によって異なりますが、1〜2ヶ月に1回程度の連絡や、保険会社から新たな動きがあったタイミングで報告する事務所が多いといえます。加えて、依頼者側から随時問い合わせをすればすぐ対応する体制が整っているかどうかも重要な点です。
Q4:打ち合わせは対面で行う必要がありますか? 電話やメールで済ませる事務所もあるようですが…。
コロナ禍を経て、オンライン相談や電話・メール中心のコミュニケーションが普及しました。重要な打ち合わせや書面確認だけ対面でする事務所もありますが、すべてオンラインで完結できるケースも増えています。遠方の場合は特にオンライン対応が便利です。
Q5:後遺障害が確定するまで弁護士に手続きを任せれば、他には何もやらなくていいんですか?
基本的には示談交渉や保険会社対応、後遺障害の書類整備などは弁護士が代行しますが、病院での検査や医師との連携は被害者自身も協力する必要があります。日常の通院記録や痛みの経過を弁護士に伝えることで、より正確に主張できるようになります。
Q6:弁護士と連絡がとれなくなって不安、という事態を避けるにはどうすればいいでしょうか?
初回相談や契約時に、連絡手段(電話、メール、LINEなど)や応答タイミング(何日以内に返信するか)を確認すると良いです。大手事務所なら受付窓口やスタッフがいるか、小規模事務所なら弁護士の直通連絡先を教えてもらえるかなどを事前に把握しておくのが望ましいです。
解説
依頼後の一般的な流れ
- 契約締結・資料提出
- 相談・面談後、費用や方針に合意して委任契約書を交わす。
- 事故証明書、診断書、保険会社との書簡などの資料を弁護士に提出し、詳細を共有。
- 事故調査・過失割合分析
- 弁護士が警察の実況見分調書やドライブレコーダー映像などを取り寄せ、過失割合を算定。
- 相手保険会社への請求項目や資料を整理。
- 通院状況・後遺障害サポート
- 治療中に保険会社が打ち切りを示唆したり、治療費の支払いを渋った場合、弁護士が正当性を主張。
- 症状固定が近づけば後遺障害診断書の作成や異議申立準備を助け、等級アップを狙う。
- 示談交渉・算定
- 休業損害・逸失利益・慰謝料など全損害項目を計算し、裁判所基準で交渉開始。
- 相手保険会社が低額を提示する場合、判例や他事例を使い増額交渉。
- 合意 or 裁判
- 示談がまとまれば合意書締結、保険会社からの支払いを確認して終了。
- まとまらなければ弁護士が訴状を作成し裁判へ。後遺障害や過失割合の争点が大きい事例で多い。
コミュニケーション体制のチェックポイント
- 担当弁護士の連絡先
- 弁護士の直通電話やメールアドレス、LINEを使った連絡が可能か。
- 大手事務所の場合、受付スタッフが窓口になり担当弁護士と直接連絡がとりにくい場合もあるので要確認。
- 進捗報告のタイミング
- 保険会社から回答が来るたびに報告するのか、月1回程度の定期連絡なのか。
- 急ぎの事項があればすぐ連絡する体制か、担当が忙しく放置されるリスクはないか。
- 担当弁護士の変更可否
- 大手事務所であれば、担当を変更できるシステムがあることも。
- 個人事務所では弁護士が1~2名しかおらず変更が難しい場合がある。
- オンライン相談や出張対応
- 遠方のクライアントにもZoomや電話で対応してくれるのか。
- 裁判所への出廷や医師面談が必要な場合、弁護士側の出張費はどうなるか。
依頼後に起こりうるトラブルと対処法
- 連絡が来なくなった
担当弁護士が多忙で連絡が遅れることもあり得ます。メールや電話で問い合わせても反応なしなら、担当変更を要望するか、解任を検討。 - 保険会社の提案を勝手に受け入れられた
弁護士が相談なく示談をまとめたなどのケースは稀ですが、万が一起きたら契約違反の可能性があります。 - 担当弁護士と相性が悪い
途中で変更希望の場合、追加費用(着手金や日当)が発生する可能性があるので契約書の規定を確認して行う。
弁護士に相談するメリット
- 事件処理の専門知識
弁護士が事故処理の流れや後遺障害申請の手順、書類作成を熟知し、被害者の手間を大幅に削減。 - 保険会社との交渉力
個人では対抗しづらい保険会社とも、弁護士が裁判所基準を根拠に増額を主張しやすい。 - 適切な報告・連絡
コミュニケーション体制が整った事務所なら、進捗報告や方針確認をこまめに行い、不安を払拭。 - 弁護士費用特約で費用リスク軽減
特約があれば弁護士費用を保険会社が負担し、自己負担ゼロ又は軽減した上で依頼。 - 裁判も視野に
示談が難航しても、弁護士が訴訟手続きに移行し、最後まで適切な賠償を追求可能。
まとめ
依頼後の流れやコミュニケーション体制は、長期化しやすい交通事故手続きにおいて重要な検討事項です。
- 依頼後の流れ
資料収集→交渉→後遺障害申請→示談 or 裁判 - 進捗報告の頻度
保険会社とのやり取りがあるたびに報告するのか、定期連絡か。 - オンライン対応
遠方ならオンライン・電話中心でも問題ないか。 - トラブル対処
連絡が途絶えたら担当変更も視野に。
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、依頼者とのこまめな連絡・報告を徹底し、担当弁護士への直通連絡やオンライン相談など柔軟な体制を整えています。事件進捗を把握しづらいと不安になる方も、ぜひご相談いただき、安心できるコミュニケーションを実感ください。
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