はじめに
交通事故で脊椎(背骨)を損傷すると、骨の変形や神経根の圧迫だけでなく、脊髄へのダメージにつながる危険性があり、多様な症状が現れる可能性があります。たとえば首(頸椎)を骨折すれば上肢麻痺・呼吸障害、腰椎を圧迫骨折すれば下肢のしびれ・歩行困難、さらに仙椎(仙骨)を折れば排尿・排便障害など、事故前の生活を根本的に変えてしまうほどの深刻な症状が起こりえるのです。
本稿では、脊椎損傷の具体的症状として、しびれ・運動障害・排尿障害などを中心に解説します。いずれも神経機能に影響が及ぶと後遺障害が残りやすく、長期リハビリや介護が必要になるケースも。保険会社に軽くみられないよう、検査所見や医師の所見を整え、後遺障害認定や高額賠償を確保するために何が必要かを考えていきましょう。
Q&A
Q1:脊椎損傷で「しびれ」が出るのは、なぜでしょう?
椎体や椎間板、骨折片などが神経根や脊髄を圧迫したり、神経周囲の炎症が生じることでしびれ(感覚障害・放散痛)が起こります。頸椎なら腕や手指、腰椎なら下肢や足先、仙骨付近なら会陰部の感覚障害が見られます。
Q2:運動障害というのは、具体的にどのような状態ですか?
神経が筋肉をコントロールできないため、力が入らない(筋力低下)、巧緻動作が難しくなる、歩行が困難になるなどが運動障害です。脊髄損傷なら麻痺と呼ばれ、上肢・下肢の動きが全くできなくなる場合もあります。
Q3:排尿障害が起こるのは、どの部位の損傷が原因でしょうか?
腰椎下部~仙椎周辺の神経が損傷されると、排尿や排便を制御する仙髄神経の働きが乱れるため、尿意がわからない・失禁・排尿困難などが起こります。重症例では人口膀胱や自己導尿が必要になることも。
Q4:脊椎損傷が軽い場合でも、しびれや運動障害が長引くことはあるのですか?
はい。圧迫骨折や椎間板損傷など比較的軽度の損傷でも、神経根を微妙に圧迫して痛みやしびれが慢性化することがあります。画像では異常が軽微でも実際の症状が重いケースもあるため、通院実績や神経学テストが重要です。
Q5:こうした神経症状が後遺障害として認定されるには、どのような条件が必要でしょうか?
基本的には長期にわたり同じ神経症状(しびれ・麻痺・排尿障害)が持続し、かつ医学的根拠(MRI所見、神経学的検査結果、医師の診断書)で裏付けられることが必要です。通院期間や症状固定の時期、医師の所見が後遺障害申請で大きく影響します。
Q6:事故後すぐに症状が出なかったけれど、数ヶ月後に下肢のしびれを自覚し始めた場合、後から認定されることもありますか?
可能です。遅発性に症状が顕在化することもあり、その際は再検査(MRIなど)を受け、医師に事故との因果関係を明確に書いてもらう。セカンドオピニオンを利用するのも有効です。弁護士が保険会社に交渉し、後遺障害申請へ進むケースがあります。
解説
しびれ(感覚障害)
- 神経根障害
- 頸椎や腰椎が骨折・変形し、神経根を圧迫すると、対応する末梢神経領域にしびれや放散痛が起こる(腕・手指、もしくは脚・足先など)。
- レントゲンではわからず、MRIや神経伝導検査などで原因を特定する場合がある。
- 脊髄損傷による感覚消失
- 脊髄が損傷されると、そのレベル以下の皮膚感覚(触覚・温度感覚)が消失することも。
- 完全損傷なら全感覚麻痺、不完全損傷なら部分的に感覚が残るがしびれが持続。
- 慢性化のリスク
- 事故後初期に痛み程度だったものが、時間とともに神経性のしびれに移行することもある。
- 適切なリハビリや神経ブロック注射などを行わずに放置すると、後遺障害として残る可能性が高い。
運動障害(麻痺・筋力低下)
- 頸椎損傷・麻痺
- 頸髄が損傷されると四肢麻痺や呼吸障害が発生することもあり、重度1級〜2級など最重度の後遺障害に該当する危険性。
- 頸椎圧迫骨折でも神経根が影響を受けて腕の筋力低下が起きるケースも。
- 腰椎損傷・下肢麻痺
- 腰椎の骨折やヘルニアで神経根が障害されると、足の筋力低下や歩行困難が残る。
- 腰髄(脊髄の下部)へのダメージでは、下肢麻痺や会陰部感覚異常を生じることも。
- 不完全損傷・片側麻痺
- 脊髄が一部だけ損傷される場合、不完全麻痺で片側だけ筋力が弱まる、感覚が部分的に残るなど多彩な症状があり、リハビリ効果次第で回復度が大きく異なる。
排尿障害・排便障害
- 仙椎・馬尾神経への影響
- 仙骨(仙椎)部分や馬尾神経が損傷されると、尿意が感じにくい、失禁、尿閉などの排尿機能障害が起こりやすい。
- 排便コントロールも困難になる場合があり、日常生活の大きな支障となる。
- 後遺障害の重度認定
- 排尿・排便障害があると介護や補助具が必要となり、後遺障害5級〜7級など高位等級になるケースも。
- 若年者がこの障害を負うと、長期的な介護費や逸失利益を含め数千万円〜1億円規模の賠償も起こりうる。
- 医師の意見書・検査
- 泌尿器科や肛門科で排尿機能検査(ウロダイナミクスなど)を受け、神経因性膀胱の有無を確認。
- 骨盤MRIで仙骨付近の神経圧迫を調べることも。主治医と弁護士が連携して因果関係を立証。
弁護士に相談するメリット
- 重度事案での高額示談を狙う
脊椎損傷・脊髄損傷で麻痺や排尿障害が残る場合、1級〜2級の後遺障害が見込まれ、介護費含め1億円近くの賠償例もある。 - 適切な医療検査の確保
弁護士が専門医やリハビリ施設を紹介し、レントゲンだけでなくMRI、CT、神経学的検査など徹底的に受けられるよう支援。 - 保険会社対応
事故直後の軽度診断が後から重症化しても、「最初は軽かった」と保険会社が主張する。弁護士が医師の意見書をまとめ、因果関係を示す。 - 後遺障害認定サポート
しびれや麻痺の程度を神経学テストで客観化し、最適な等級(12級、9級、5級等)を取りに行く。 - 弁護士費用特約
脊椎・脊髄損傷は高額になりやすいが、特約で費用負担を軽減しながら被害者は示談金アップメリットを享受。
まとめ
脊椎損傷では、首(頸椎)、胸椎、腰椎、仙椎など損傷部位によってしびれ、運動障害、排尿障害など多彩な症状が発生します。
- しびれ
神経根・脊髄圧迫による末梢神経症状 - 運動障害
筋力低下、麻痺。損傷レベルが高いほど重度 - 排尿・排便障害
仙椎や馬尾神経が損傷されると膀胱直腸機能が失われる
弁護士法人長瀬総合法律事務所では、画像検査や神経学的テストを医師と連携し、的確な後遺障害認定や重度の介護費・逸失利益を保険会社と交渉することで、高額賠償の獲得を目指しています。脊椎・脊髄へのダメージが疑われる場合は、早期に専門医を受診し、後遺障害リスクを見逃さないためにも弁護士にご相談ください。
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