脊椎損傷の代表的な事例(高額賠償、介護費用の認定など)

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はじめに

交通事故で脊椎(背骨)を損傷すると、骨折・椎間板損傷・神経根圧迫・脊髄損傷など多様な症状が発生するリスクがあります。これらが後遺障害として残った場合、保険会社との示談交渉や裁判で高額賠償が認められる例は少なくありません。特に、介護が要るレベル(常時介護・随時介護)の脊髄損傷や、神経症状が強い腰椎ヘルニアなどで12級~1級の後遺障害が認定されると、数千万円~1億円超もの賠償金が支払われる裁判例もあります。

本稿では、脊椎損傷にまつわる代表的な裁判例や高額賠償が認められたケース、介護費用がどのように算定されるかなどを紹介し、どのようなポイントで裁判所は損害賠償を増額したのかを探ります。保険会社の初回提示が低くても、裁判所基準で論じれば数倍以上に増える事例も多いのが脊椎損傷の特徴です。被害者が後遺障害等級介護費認定で不利にならないためにも、類似の事例を理解しておくことが重要です。

Q&A

Q1:脊椎損傷で1億円クラスの賠償が認められたケースが実際にあるのでしょうか?

はい。脊髄損傷で四肢麻痺となり、介護費や家屋改造費、将来逸失利益を含めると1億円を超える判決が出た事例があります。若年者ほど労働可能年数が長く、介護費も長期に及ぶため金額が大きくなりやすいです。

Q2:骨折だけでなく、神経症状が長引くケースでは、どのくらいの賠償が認められていますか?

軽度の圧迫骨折で慢性腰痛や下肢しびれが残り、12級9級に認定されて総示談金が数百万円〜数千万円になるケースがあります。神経症状が強いと、賠償金が1,000万円以上に跳ね上がる場合も珍しくありません。

Q3:介護費用が1日6,000円とか1日1万円とか聞きますが、どんな基準で裁判所が認めているのですか?

常時介護が必要なレベル(1級〜2級)なら、家族介護でも日額6,000円〜8,000円、または1万円程度が認められるケースがあります。プロ介護を利用する場合は実費をベースに算定します。

Q4:判例では、脊椎損傷による可動域制限や姿勢制限が重視されることがありますか?

はい。腰椎・頸椎の可動域制限が残ると、14級や12級など後遺障害等級で評価されます。裁判所は仕事や日常生活にどれだけ不便を強いられるかを考慮し、傷害慰謝料後遺障害慰謝料を増やすケースがあります。

Q5:脊椎損傷で高次脳機能障害を合併していた事例はありますか?

あります。大きな衝撃で脊椎と脳の両方に外傷を負ったケースで、四肢麻痺と記憶障害・注意障害を併発し、併合1級や2級になり1億円近い賠償が認められた事例も報告されています。弁護士が脳外傷専門医と連携して発覚した例もあります。

Q6:判例を引用して保険会社と交渉すると、実際に示談が有利になるものですか?

有効です。保険会社は裁判例を熟知していますが、被害者側が具体的な判例を示し「同様の状況ならこれだけの賠償が認められた」と主張することで、示談で譲歩してくるケースが多いです。弁護士が判例データベースから類似事例を提示するのが有効です。

解説

高額賠償が認められるケース

  1. 頸椎骨折+脊髄損傷で四肢麻痺(1級)
    • 20代男性が追突事故で頸椎脱臼骨折脊髄損傷を負い、呼吸補助が必要なレベルの四肢完全麻痺に。
    • 介護費用(家族介護orプロ介護)を生涯にわたって要するため、将来介護費は1日1万円×年数、自宅のバリアフリー改造費や車いすリフト車両費なども認定。
  2. 腰椎圧迫骨折+神経症状(9級併合)
    • 30代女性、転倒事故で腰椎圧迫骨折を負い、下肢しびれ歩行困難が残存。MRIで神経根圧迫が確認された。
    • 後遺障害9級→労働能力喪失率35%と判断される。
  3. 胸椎骨折+下肢麻痺(5級)
    • 高速道路での衝突事故により胸椎破裂骨折、脊髄が部分的に損傷 → 両下肢不全麻痺
    • 車いす移動は可能だが介助が一部必要な状況(5級)。逸失利益や介護費、家屋改造費が加算される。
    • 被害者が自営業だったため、年収ベースで逸失利益が高額に。

介護費用が認められるケース

  1. 常時介護を要する脊髄損傷(1級〜2級)
    • 家族が24時間介護する場合でも、1日あたり6,000〜8,000円(例:7,000円)で将来分をライプニッツ係数で計算 → 数千万円規模。
    • プロ介護なら看護師やヘルパーの費用をベースに、さらに高額になる例も。
  2. 部分介護(随時介護)
    • 3級〜5級あたりで日常の一部を介助してもらう必要がある場合は1日4,000〜6,000円程度が目安。

判例活用と示談交渉

  1. 弁護士が判例を提示
    • 類似の事故態様・傷病名・後遺障害等級の裁判例を引用し、保険会社に「裁判になればこれだけの金額が認められる」と交渉カードに。
    • 保険会社は裁判のリスクを避けるため、示談で譲歩して高めの賠償金に応じることが多い。
  2. 医師の意見書・専門医の知見
    • 「なぜこの被害者はこの等級に該当するか」「介護はなぜ常時必要か」など医学的裏付けを強化。
    • しびれや麻痺が目立たない軽症例でも、神経学的検査で客観的に示せば12級や9級も十分可能。
  3. 異議申立で判例を参照
    • 後遺障害が非該当や低い等級となった場合も、弁護士が過去の判例を引き、「同程度の症状で12級認定されたケースがある」と異議申立 → 結果が覆る例もある。

弁護士に相談するメリット

  1. 判例データベースの活用
    弁護士は膨大な判例を検索し、類似事例をピックアップ。保険会社に高額判例を提示し、示談金アップを狙う。
  2. 医師と共同で損害立証
    レントゲン・MRI・CT所見や神経学的検査を取りまとめ、後遺障害診断書を充実化。判例を踏まえた等級申請を行う。
  3. 介護費・家屋改造費の認定
    判例から常時介護の相場バリアフリー改造費を導き、保険会社が過小評価しないよう論証。
  4. 示談or裁判で高い賠償
    裁判視野で裁判所基準を提示すると、保険会社が低提示を撤回する例が多い。
  5. 弁護士費用特約
    脊椎・脊髄損傷で高額化が見込まれるなら、費用特約でリスクなく依頼し、大幅な示談金増を目指す。

まとめ

脊椎損傷で高額賠償が認められたケースでは、

  • 重度脊髄損傷
    → 1級〜2級認定、1億円前後の賠償事例もあり
  • 腰椎圧迫骨折+神経症状
    → 9級~12級で数千万規模の逸失利益を認めたケース
  • 介護費
    → 家族介護でも日額6,000〜8,000円、プロ介護なら実費ベース
  • 家屋改造費
    → 数十万〜数百万円が判例で認められること多い

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、脊椎損傷の事案で豊富な判例データを用い、裁判所基準を踏まえた交渉で保険会社の過小評価を払拭するサポートをしています。事故後に首・腰・背中の痛みや麻痺が長期化する場合は、判例から学び得る高額賠償の可能性を踏まえ、ぜひお早めにご相談ください。

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