足関節-足部の損傷(足関節捻挫、リスフラン関節損傷、中足骨骨折など)

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はじめに

交通事故で足首(足関節)や足部に強い衝撃が加わると、足関節捻挫リスフラン関節損傷中足骨骨折などのケガが発生する可能性があります。事故の衝撃で足に力が集中すると、足首をひねるだけでなく、足の甲や指の付け根の骨が折れたり、足部の靱帯・関節がずれてしまうことも。これらの損傷が適切に治療されないと、痛みや歩行障害が長期化し、後遺障害として認定されることがあります。

本稿では、足関節・足部の代表的損傷として、足関節捻挫(靱帯損傷)リスフラン関節損傷中足骨骨折などを中心に解説します。いずれもレントゲンで見落としが起きやすかったり、固定やリハビリが不十分だと慢性疼痛変形が残るリスクが高いのが特徴です。事故後に足首や足部の痛み・腫れが続く場合は、専門医での適切な画像検査やリハビリを受けつつ、保険会社との交渉を有利に進めるために弁護士への相談を検討してください。

Q&A

Q1:足関節捻挫って、ただの捻挫で済むわけではないのでしょうか?

軽度捻挫であれば数週間の安静・装具で回復する例もありますが、中度以上だと靱帯部分断裂や完全断裂が起こっている可能性があり、足関節の不安定二次的な関節変形を招くリスクがあります。さらに後遺障害に発展する例も少なくありません。

Q2:リスフラン関節損傷とは何ですか?

リスフラン関節は足の甲(中足骨)と足根骨(楔状骨など)の間にある関節群で、捻りや強い衝撃で靱帯破損骨折が起こると、足部のアライメント(並び)が崩れ、激痛歩行困難に陥ります。レントゲンでは見落とされやすく、CTやMRIで診断することが多いです。

Q3:中足骨骨折というのは、足の指の付け根の骨が折れるものですか?

はい。足部には中足骨と呼ばれる5本の骨があり、交通事故でタイヤに踏まれた強い衝撃が加わると折れることがあります。第5中足骨骨折(小指側)が多いですが、どの中足骨も折れる可能性はあり、適切な整復や固定が行われないと変形治癒が残り歩き方がおかしくなります。

Q4:こうした足首・足部の損傷が後遺障害になると、だいたい何級くらいでしょう?

足関節や足部の可動域制限痛みが残る場合、14級9号(神経症状)や12級あたりが多いです。重度で足関節の用を廃したとなれば8級〜5級の可能性もあります。骨折変形による外観異常で醜状障害が認められるケースもあります。

Q5:歩行障害が残って仕事(立ち仕事など)を続けられない場合、逸失利益はどのくらい算定されるのでしょうか?

後遺障害等級(12級なら労働能力喪失率14%、10級なら27%など)や被害者の年齢・年収に応じて数百万円〜数千万円単位の逸失利益が発生します。主婦も家事労働の逸失利益として賃金センサス換算が可能です。

Q6:足首捻挫と診断されたものの、痛みが続いて仕事ができません。保険会社に「大したことない」と言われましたが…。

弁護士が医師の追加検査(MRIやCT)を要望し、リスフラン関節損傷や靱帯断裂が隠れていないか精査するのが有効です。もし損傷が確認されれば保険会社も軽視できず、治療費継続や後遺障害申請がしやすくなります。

解説

足関節捻挫(靱帯損傷)

  1. 症状・分類
    • 足関節外側の靱帯群(前距腓靱帯など)が損傷する「外側靱帯損傷」と、事故で足が内反・外反に強制的に曲げられた場合に多い。
    • 痛み・腫れ・内出血などで歩行困難。中度~重度だと靱帯が断裂し足首の不安定を招く。
  2. 治療
    • 軽度:RICE処置(安静、アイシング、圧迫、挙上)、固定バンデージやサポーター。
    • 重度:手術(靱帯縫合・再建術)後にリハビリで関節安定性と可動域を回復。
  3. 後遺障害
    • 足首の不安定感痛みが長引くと、14級9号(神経症状)や12級7号(関節機能障害)認定の可能性。
    • 歩行制限が大きいほど逸失利益も大きくなる。

リスフラン関節損傷

  1. リスフラン関節とは
    • 中足骨の基部(足の甲)と足根骨(楔状骨など)が連結するリスフラン関節。衝撃やねじれで靱帯が断裂し、骨がずれたり骨折を伴う。
    • 強い痛み、歩こうとすると崩れるような不安定感、足の甲に腫れと圧痛が続く。
  2. 診断・治療
    • レントゲンだけではわずかな骨のずれを見逃すことが多い。CTMRIで確定診断する。
    • 骨折・脱臼があればプレートやスクリュー固定手術を行い、術後に長期リハビリ。放置すると足部アーチが崩れ慢性疼痛に。
  3. 後遺障害リスク
    • リスフラン関節が不安定なままだと足部変形や慢性痛で歩行障害 → 12級13号の機能障害や14級神経症状認定があり得る。

中足骨骨折

  1. 中足骨の役割
    • 足の指(趾)の付け根部分に位置し、足部アーチを形成している5本の骨。外力で折れると歩行時の蹴り出しが困難になる。
    • 特に第5中足骨骨折が多く(ジョーンズ骨折など)、事故で足が挟まれたり踏まれたりするとなりやすい。
  2. 治療
    • 軽度転位ならギプス固定で自然癒合を待つ。転位が大きければKワイヤースクリューで内固定。
    • 骨癒合しにくい部位もあり、偽関節や変形治癒で足が痛みやすく、長時間立てない状態が続く。
  3. 示談交渉・後遺障害
    • 歩行や立ち仕事に支障 → 14級〜12級の可能性。
    • 変形や痛みにより靴が履けない、足指が動かせず姿勢不良 → 職業制限で逸失利益が大きくなる。

弁護士に相談するメリット

  1. 追加検査の交渉
    レントゲンで「単なる足首の捻挫」と片付けられそうでも、弁護士がMRI/CTの必要性を示し、保険会社に費用を負担させる交渉が可能。
  2. 後遺障害診断書の強化
    足関節・足部の可動域テスト痛みを医師に詳細に記載してもらい、12級7号14級9号認定を狙う。
  3. 職場や家事への影響立証
    長時間立ち仕事ができない、家事で下半身に負担がかかるなど、職務・家事制限を具体的に提示し、逸失利益を高く評価させる。
  4. 治療打ち切り阻止
    足の骨折や靱帯損傷はリハビリが重要。保険会社が3〜6ヶ月で切ろうとしても、弁護士が医師の意見書でまだ必要と交渉。
  5. 弁護士費用特約
    足部の怪我も示談金が数百万円〜それ以上に伸びるケース有。特約で費用負担なく依頼でき、増額分をそのまま受け取れる。

まとめ

足関節-足部の損傷(足関節捻挫、リスフラン関節損傷、中足骨骨折など)では、

  • 足関節捻挫:靱帯断裂で足首が不安定 → 14級〜12級認定リスク
  • リスフラン関節損傷:足の甲の靱帯・関節がずれ、歩行困難や変形 → レントゲンで見逃し多発、CT/MRI必須
  • 中足骨骨折:足指付け根の骨が折れ、偽関節・変形治癒 → 歩行時の激痛、立ち仕事制限 → 後遺障害
  • 保険会社:軽傷扱いしがち → 弁護士×医師連携で検査追加・リハビリ継続・後遺障害申請を成功に

弁護士法人長瀬総合法律事務所では、これら足首・足部損傷で「単なる捻挫扱い」にされそうな被害者を数多く支援し、画像検査神経学的テストを駆使して正当な後遺障害等級逸失利益を勝ち取る実績が豊富です。事故後に足や足首の痛み・腫れ・しびれが続く方は、ぜひ早期にご相談ください。

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